イー・アクセスとシャープの狙いは?イー・モバイルのAndroid 3.2搭載7タブレット「GALAPAGOS A01SH」発表会レポート



GALAPAGOS A01SHの発表会をレポート!シャープ新井氏

イー・アクセスは、3日、携帯電話事業「イー・モバイル」向けに国内初となるAndroid 3.2(開発コード名:Honeycomb)を搭載した7インチタブレット「GALAPAGOS A01SH」を発表しています。当ブログメディア「S-MAX(エスマックス)」でも速報記事端末フォトレポートを紹介してきました。

今回は、GALAPAGOS A01SHの発表会の模様をレポートしていきたいと思います。イー・モバイル初タブレットとして久しぶりにイー・モバイルに戻ってきたシャープ端末がどんな狙いがあるのか見ていきたいと思います。

まず、イー・アクセス 執行役員 副社長の阿部基成氏が登壇し、今夏のイー・モバイル向けのプロダクトラインナップを紹介し、すでに「Pocket WiFi GP02」やUSBデータ端末「GD01」、スマートフォン「Pocket WiFi S II S41HW」「S42HW」を紹介し、さらに、今回は、追加でシャープとコラボレーションした今夏新商品第2弾と投入することを説明しました。

その製品がAndroid 3.2を搭載した7インチタブレット「GALAPAGOS A01SH」です。イー・モバイル向けのシャープ製品は、Windows Mobileを搭載した4インチタブレット「EM・ONE」シリーズ以来の久しぶりの登場となります。

国内携帯電話市場で出荷台数シェアNo.1のシャープとモバイルブロードバンドシェアNo.1のイー・モバイルが組んだことをアピールし、最強タッグのタブレットだと強調していました。

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現在、国内でもiPadに続けと、Androidタブレットが多数発売されていますが、その多くが10インチや8.9インチといった大きめのサイズとなっています。これは、大きな画面でWebサイトやマルチメディアコンテンツなどを閲覧するというのには適していますが、外に持って出掛けようとなるとどうしても大きく持ちだしにくく感じます。

一方で、家や仕事場だけでなく、タブレットを外にも持っていき、利用したいというニーズも高まってきており、ある調査では、7インチ級のタブレットを購入したいというユーザーが55.7%おり、10インチや5インチといった他のサイズより多くなっていることを紹介し、女性でもかばんに入れて持ち歩けるサイズであると説明していました。

そういった中、阿部氏の後に登壇したシャープ 通信システム事業本部 副本部長の新井優司氏は、「サイズとして持ち歩くならMOLESKINEのラージサイズの手帳をイメージし、それに収まるギリギリのディスプレイサイズを検討した結果、7インチワイドの画面サイズになった」とも説明。さらに、重さについても「350ml入りのジュースのアルミ缶程度の重さで、持ち歩くにも苦にならない」ということです。

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ただ、外に持ち歩きたいニーズが高まっているという割には、GALAPAGOS A01SHは、Wi-Fiモデルのみとなっており、この理由を阿部氏は、「マーケティングの結果」と説明していました。

一見、マーケティングでWi-Fiモデルが優位なのは、現状、ディスプレイサイズが大きなタブレットが多く、持ち歩かない利用方法が主だからなのではと思えますが、そこは、イー・モバイルの主力製品のモバイルWi-Fiルーター「Pocket WiFi」シリーズとの組み合わせという流れになるわけですね。

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つまり、イー・モバイルとしては、マーケティング的に優位なWi-Fiモデルで、かつ、Pocket WiFiと相乗効果があるということも、持ち歩くのに適した7インチタブレットがベストな回答だったのだと思われます。

また、同時に、すでにスマートフォンと、パソコン用にモバイルWi-Fiルーターを持っているというユーザーも、2回線契約しているので3回線目の契約を躊躇する場合も多いでしょうし、そう考えるとタブレットに3Gを乗せて3回線目を契約してもらうよりは、スマートになるということになります。

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新井氏は、「オンもオフもこれ一台」「瞬速」「手のひら」といった3つのキーワードをベースに開発したと説明し、シャープの液晶テレビ「AQUOS(アクオス)」との連携などが可能であることを紹介していました。

シャープとしては、販売が不調の昨年発売したメディアタブレット「GALAPAGOS」を中心とした電子書籍事業の拡大が狙いであり、電子書籍市場をさらに広げるためにも持ち歩くタブレットは重要なデバイスだと考えられます。

また、KDDIもau向けにWi-Fiのみで3Gに対応したいない「XOOM WiFi TBi11M」を販売していますが、売りやすいWi-FiモデルならモバイルWi-Fiルーターが豊富なイー・モバイルと組むのがベターだということもあったのかと思われます。

このように、今回のGALAPAGOS A01SHは、両社の思惑がちょうど重なった製品だと言えるでしょう。

メインターゲットは、30〜40代のビジネス層で、サブターゲットがメインターゲットと同じくらいの比率で女性ユーザー層ということで、AndroidタブレットがPocket WiFiのように一気に広まる起爆剤になると良いですね。


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記事執筆:memn0ck


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国内初のAndroid™3.2搭載7インチタブレット「GALAPAGOS(A01SH)」を発売|報道発表資料|イー・アクセス
イー・アクセス株式会社向け<GALAPAGOS A01SH>の製品化について | ニュースリリース:シャープ
製品紹介:メディアタブレット A01SH:シャープ

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