ワクワクできんのか!Windows Phone 7――KDDIがマイクロソフトと富士通東芝と共同発表をした狙いとは?【レポート】
富士通東芝 大谷氏、KDDI 田中氏、日本マイクロソフト 樋口氏 |
既報通り、昨日27日に、KDDIおよび日本マイクロソフト、富士通東芝モバイルコミュニケーションズが3社で共同発表会を行い、国内向けとして初のWindows Phone 7を搭載した「Windows Phone IS12T」を発表しました。
国内でスマートフォン事業に出遅れ、「Android au」と銘打ってAndroidで巻き返しを図っているKDDI、世界的にスマートフォン事業のプラットフォーム戦略で出遅れたMicrosoft、国内市場では好調ながらスマートフォンではやや存在感が出せていない富士通東芝といった3社の思惑が重なりあったことで、力の入った製品になっているということです。
今回は、発表会の模様をまとめつつ、各社のめざすところを紹介していきたいと思います。
■KDDI代表取締役社長 田中孝司氏
まずはじめに登壇したKDDI代表取締役社長の田中孝司氏は、「auといえばワクワク感」だとしつつ、「国内初登場のWindows Phone 7搭載スマートフォンにワクワクして欲しい」とIS12Tを紹介しました。
続けて、IS12Tについて「1ヶ月ほど前から使用しているが、はじめは操作性などがとっつきにくい。しかし、しばらく使うとSNSやクラウド活用が気持ちよくなってくる。」と語り、タイルUIなどのインターフェースについての良い点を挙げていました。
また、質疑応答で売上目標について聞かれると、「企業秘密です」としながらも「どれだけ売れるのかを見ていてもらいたい」と自信をのぞかせていました。
■日本マイクロソフト代表執行役 樋口泰行氏
次いで登壇した日本マイクロソフト代表取締役社長の樋口泰行氏は、「Windows Mobileを根本からリブランドしたのがWindows Phoneだ。これで巻き返しを図りたい。」と抱負を語り、iPhone(iOS)やAndroidに先陣を取られているスマートフォン市場についても、質疑応答で出遅れていることを指摘されると、「スマートフォン市場は、まだ黎明期だ。アプリケーションや各社とのパートナーシップによってまだまだ挽回できると考えている。」と回答していました。
また、今後についても「ソフトとハードの両方やっている会社のほうが、事業の立ち上がりは早いが、Microsoftは、ソフトウェアに特化した会社だ。他社との連携で機能面の質は進化できる。」とWindows Phoneの利点を説明していました。
さらに、質疑応答では、Windows Phoneのおサイフケータイやワンセグへの対応について問われると、「今後については、回答できない。現在、対応はしていない」としていました。
■富士通執行役員常務兼富士通東芝モバイルコミュニケーションズ代表取締役社長 大谷信雄氏
最後に登壇した富士通東芝モバイルコミュニケーションズ代表取締役社長の大谷信雄氏は、「Windows Phoneは、スマートフォンの可能性をさらに広げるものとして取り組んで行きたい。」と説明し、今後もの開発に注力していく方針を示していました。
さらに、IS12Sの製品紹介を行い、「本体は、薄さが10.6mmで、質量が約113gというコンパクトサイズでありながら、防水や防塵のウォータープルーフとなっており、カメラもスマートフォンでは最高クラスの1320万画素になっている」と、機能面が充実していることを紹介していました。
■各社の思惑が重なった国内初Windows Phone――iOSやAndroidに対応できるのか!?
満を持してといえばいいのか、かなり遅れて登場することになったWindows Phone 7だが、すでに先行しているiOSやAndroidの競争が激化するスマートフォン市場において勝算はあるのだろうか。
国内のスマートフォン市場で出遅れたKDDIがワクワク感(=新しいもの)を求め、世界的なスマートフォン市場で出遅れたMicrosoftがより市場を広げるために日本市場への参入、国内でも海外でも端末メーカーとして存在感を増したい富士通東芝といった3社の思惑によって登場した製品がWindows Phone IS12Tと言えるでしょう。
発表会の各社のプレゼンテーションは、お互いを意識してか、あまりうまく紹介できていない印象を受け、さらには、最後の最後で、アプリ配信サービス「Marketplace」でどの程度のアプリが配信されるのかを問われると、田中氏が「24000程度あり、かなりたくさんある」としたものの、直後に、樋口氏から「英語中心ですけどね」と辛辣な逆フォローが入るなど、スマートフォンの魅力のひとつであるアプリについてもこれから立ち上げなければならないという厳しい状況にあります。
また、現在、「Android au」を掲げてAndroidに注力しているKDDIのスマートフォン戦略もどうなっていくのか。田中氏は「幅広いユーザーの方々に使っていただきたい」と述べ、「発売が近くなる9月頃にはどうやっていくのか決めたい」とし、具体的な対策についての言及はなかったが、ターゲットユーザーの棲み分け、プロモーション戦略はどのように行われるのかも興味あるところとなります。
なにはともあれ、au以外の他の通信事業者からもWindows Phoneの投入はあるのかなど、今後のWindows Phone 7の行方を占う上でもIS12Tの動向には注目したいいきたいですね。
記事執筆:memn0ck
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