次世代SSDがPCをさらに加速!キングストン、SATA 3.0対応SSD“HyperX SSD”の魅力をさぐる


ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)は、ハードディスク(HDD)に代わるパソコンの次世代記憶メディアだ。SSDは日々進化しており、PCメーカー各社が読み書き速度や規格が異なる様々な製品を提供している。

優れたコストパフォーマンス!パソコンを高速化させる、キングストンのSSD」でも紹介したように、HDDをSSDに交換することによってパソコン性能を劇的に向上できるだけでなく、性能を長期間維持することができる。

そうしたSSD市場において、メモリ製品で世界をリードするキングストンが、同社初となるSATA 3.0 対応したSandForce社製コントローラを搭載したSSD「HyperX SSD」を、先月台湾で開催されたComputex 2011で発表した。これまでのSATA2.0対応SSDよりも高速で省エネ効果にも優れているという。

■高速・耐久性・耐振動性を備えたSSD
HDDはデータの読み書きを行うため動作部品を使用しているのに対し、SSDは動作の必要のない不揮発性NANDフラッシュメモリを使用している。それにより、SSDは高速なデータ転送を実現している。稼働部分がないため、動作時も静かで、さらに衝撃にも強い。そのような利点から、パワーユーザーの間でSSDの人気が広がっている。

HDDやSSDなどの速度を計測するベンチマークソフト「CrystalDiskMark 3.0.1」を使用してみると、旧来のHDDとSSDの転送速度の差に驚かされる。

たとえば、キングストンのSSD「SSDNow V+100」とウェスタンデジタルのHDD「WD20EARS」を比べてみると、シーケンシャルファイル(Seq)の場合、読み込み速度が約1.8倍、書き込み速度が約1.6倍もSSDのほうが早い。
左がキングストンのSSD「SSDNow V+100」、右がウェスタンデジタルのハードディスク「WD20EARS」の数値

これだけ転送速度や耐久性、信頼性がHDDよりも優れるSSDが、もうひとつ普及しない理由は、ズバリHDDより高い価格だ。事実、一般向けに販売されているSSDの1GB当たりの価格は約300円と、HDDの約20円〜30円と比べ高くなっている。

しかし、技術革新とフラッシュメモリの低価格化の進行により、状況が大きく変化してきた。2010年においては、HDDが伝統的に強かった企業向けのサーバーやデスクトップ、ノートPC分野でSSDの導入が進んだ。

また、一般消費者向けのSSDも容量が小さいモデルなら、店頭価格で1万円を切る製品も登場しており低価格での購入が可能となっている。


■2倍の速さを誇るSATA 3.0
技術進歩により、SATA3.0対応の次世代SSDがメーカー各社から発表・発売されはじめた。

SATA 3.0とSATA 2.0対応SSDの大きな違いは、ズバリ転送速度だ。SATA 2.0は「Serial ATA300」とも書かれるように、理論値で最大300メガバイト/秒の転送速度となるが、実はSSDに内蔵されたメモリーモジュールはSATA 2.0の転送速度よりも高速であるため、転送速度がボトルネックとなり、SSDが持つ本来の性能をフルに発揮できなかったわけだ。

SATA 3.0では、その制約が無くなり、理論値で最大600メガバイト/秒の転送速度をサポートしており、SATA 2.0に比べて約2倍の高速なデータ転送が可能となり、SSDの高速性をフルに発揮できるというわけだ。

キングストンにおいても、同社初となるSATA 3.0対応の高性能SSD「HyperX SSD」を今年のComputexで発表した。同製品は、メディア容量が異なる2種類の製品(120GB、240GB)でドライブ単体、もしくはアップグレードキットとのセットで、8/1 (月)に発売が予定されている。


■節電対策にも効果アリ!高速性、耐久性、省エネ性を兼ね備えたHyperX SSD
キングストンは、SandForce社と協力し、高速性と耐久性および信頼性のほか、省エネ性を兼ね備えた同社初となるSATA3.0対応SSDを発表した。

キングストンの「HyperX SSD」は、現行のSSDコントローラのなかでも最高速かつ信頼性に優れたSandForce社のコントローラを搭載し、要求条件が厳しいユーザーニーズを満たす性能と耐久性を提供するため、Intel 社の25nmコンピュートNAND(P/E※サイクル:5K)によって強化されている。
※Program/Erase

あくまでひとつの目安だが、転送速度は理論値で下記のとおりだ。
シーケンシャルリード:555MB/秒
シーケンシャルライト:510MB/秒
4KB ランダム読み出し/書き込み速度:最高95,000/70,000 IOPS

SATA 2.0対応SSD「SSDNow V+100」が下記であることを考慮すると、驚異的な転送速度と言えるだろう。
シーケンシャルリード:250MB/秒
シーケンシャルライト:230MB/秒(128GB & 256GB)、145MB/秒(64GB)

さらに、HyperX SSDはHDDや他のSSDよりも優れた節電性能を備えている。下記表からも分かるように、HyperX SSDの電力消費量は非常に少なく、特にHDDと比べるとその差は明らかだ。高速性能と節電性を両立しており、電力不足が深刻な夏にお勧め製品だ。

SSDはHDDと交換するだけで手軽にパソコンを高速化できる。SATA 3.0をサポートしたパソコンであれば、SATA 3.0対応SSDを購入することで、データ転送速度を飛躍的に向上させることが可能だ。

キングストンの「HyperX SSD」は、最高速かつ信頼性に優れたSandForce社のコントローラを搭載しているだけでなく、優れた省エネ性も備えており、転送速度や省エネ性能を重視するユーザーにとって注目度の高い製品と言えるだろう。


キングストン

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