サラリーマン格差社会の現実、借金or貯蓄1,000万円に二極化


6月28日、livedoor HOMMEにて、オトナのお小遣い事情に関する緊急アンケートを実施した。短い時間ながら累計8,416(29日10時30分現在)もの非常に多くの方々にご協力いただいた。この場をお借りしてお礼申し上げたい。


さて、この緊急アンケートでは、驚くべき結果が明らかになった。今回はアンケート結果をもとに、僕ら現代サラリーマンの貯蓄事情に迫ってみたいと思う。

貯蓄1000万円以上が約2割


一問目では、ずばりストレートに「現在の貯蓄額を教えてください?」という質問をさせていただいた。有効回答は3703。選択肢は「借金あり」「ない」「〜100万円」「〜200万円」「〜300万円」「〜400万円」「〜500万円」「〜600万円」「〜700万円」「〜800万円」「〜900万円」「〜1,000万円」「1,000万円以上」だ。

あなたは、どの項目が最も多くのクリックを集めたとお考えだろうか?

答えは「借金あり」(21.9)%であった。次点は「1,000万円以上」(19.3%)であった。借金ありor1,000万円以上に二分されているこの世の中。悲しいかな、何ともコントラストが効いているではないか。



さてさて、「1,000万円以上」の貯蓄と聞いて多いなぁ〜、と心でつぶやいた、そこの貴方。今から少しこわい話をさせていただきたい。読んだ後、違った意味で背筋が凍るはずだ。

定年後に必要な貯蓄額


過日、厚生労働省は継続雇用制度を強化し65歳までの雇用を企業に義務付ける報告書をまとめた。給与を貰える年齢が上がるのは望ましいことなのかもしれないが、実際に定年を迎えたとき、僕たちはどのように暮らしていけばよいのだろうか。

例えば、夫婦が定年後に必要とする生活費は最低でも月平均で23.2万円、ゆとりある生活を送りたい場合は38.3万円と試算されている(平成19年度 生活保障に関する調査より)。

今後、定年が65歳まで引き上げられたとして、夫婦の平均寿命を夫82歳、妻87歳と設定し、定年後に必要な貯蓄額を計算してみると、最低でも約5,700万円、ゆとりのある生活を営みたいのであればおよそ9,400万円の貯蓄が必要といわれている。(日本FP協会の試算より)

最低でも5,700万円……。最低でも5,700万円……。最低でも5,700万円……。三度も復唱すれば、脳に刻み込まれ、必ずやこのネタを同僚・家族に話したくなるだろう。それだけ衝撃的な金額だ。

では、僕たちは毎月どれくらい貯蓄をすれば良いのか。若干キレ気味に計算したところ、定年後の貯蓄額5,700万円を目指した場合、30歳からだと毎月およそ13万円、40歳からだとおよそ19万円も貯蓄にまわさねばならないことがわかった。

今すぐ節約できそうな金額はいくら?


はたして毎月13万円も貯蓄にまわしている人がいるのだろうか? 誰でも思う疑問だろう。そこで、「今すぐ節約できそうな金額は、月々いくらぐらいだと思いますか?」という質問をさせていただいた。



結果は、予想の範囲内で、「1万円(29.6%)」「ない(22.6%)」「2万円(16.2%)」の順で、全体の7割近くとなった。やはり、そうそう節約できるわけなどないのだ。
ちなみに節約術では、「外食・飲み会のペースを減らす」、「発泡酒しか飲まない」が人気を集めた。皆涙ぐましい努力をしているのだ。

現代の副業事情に迫る


節約による貯蓄ができないとなると、残るは増やすのみ。そこで副業事情についても質問させていただいた。
副業は多くの会社で禁止されており、もし隣の席の“あの人”が副業していたとしても、誰にも知らせていない可能性がある。同僚同士でも触れにくい話題なのだ。

アンケート結果としては、「ない」が65.4%。「過去にある」が18%、「いまもしている」が16.6%となった。
この数値をどう解釈するかだが、今も副業をしている人が16.6%もいたという事実は見逃せない。5人に1人が副業を現在もしているのだ。貴方の会社にもいてもおかしくない。

さらに気になるのは、実際にどれくらい稼いでいるのかだろう。
1位の「〜1万円」が36%であったが、注目したいのは2位「〜5万円」(17%)、3位「〜10万円」(15.5%)だ。
仮に副業収入月5万円とすると、年間換算では60万円にもなる。隠れて稼いでいる人が多いことに驚きを覚えた。



まとめ


今回の緊急アンケートからわかったことは、貯蓄のある人とない人の差が激しいことだ。
前述のとおり、将来お金が必要となってくるのは自明で、そのために各々が行動を起こす必要がある。
方法論としては、節約をして家計のスリム化をはかるのも一手だし、逆に副業などで入りを増やすという発想もある。どちらにしても、将来を見据えて行動していくことが大切だ。

がんばれ、いや頑張ろう、サラリーマン。

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