クルマ色話 vol.2【アウディA7スポーツバック】 石川遼よ、無免許ぐらいでめげちゃダメ!?


◆プロフィール
小沢コージ
バブル期にソアラ、プレリュードを横目で眺め、トレンディドラマを見、合コンしまくったスーパーカーブームど真ん中イケメン自動車ジャーナリスト。現在『BESTCAR』『ENGINE』『DIME』誌ほか『webCG』『日経TRENDY』『carview』などwebでも大活躍!

吉田由美
当時、ミスコン荒らしとして20コ以上のミスの肩書きを持ち、某専門誌「○×のすべて」に助手席モデルとして君臨。「経歴は編集長より長いかも(笑)」(本人談)という業界きっての謎の美女。今はカーライフエッセイストの名のもと「ブログの女王」として自動車メディアはもちろんファッション誌に無くてはならない存在となっている。


ナルシストでありながら、アスリートでもある


小沢前回のベンツのCLSの続きで言うとさ、さしずめA7スポーツバックに乗って欲しいのは石川遼クンだよな。同じ大型4ドアクーペとはいえ、キャラはクリーンで結構違うし、CLSより全然似合ってると思う。
吉田:遼クンってあの遼クン? ちょっと可哀想よね。3ヶ月以上海外に住まなきゃって決まりを知らなかっただけなのに、無免許扱いなんて。免許はちゃんと取ってるのに。ある意味、有名税でしょ?
小沢:ま、可愛くて人気者は嫉妬されんのよ。姉さんのように(笑)。ところでああいうコは好きじゃないの?
吉田:好きよ大好き。正直、本当の好みかっていうともっとツルっとしたコのが好みだけど、可愛いし、素直だし、言うこと無し。なによりも男としてパワフルで稼ぐし(笑)。今回の事件で大して騒がれなかったのも人徳というか、毒の無さあってじゃないかしら。そういう意味ではさすがな気がする。
小沢:それホント、その通りだけど、そういう意味でも遼クンってアウディっぽいよね。見た目はゲイか? ってほどナルシシズム溢れてるのに、中身は恐ろしいほどリアルアスリート。そのヘンのギャップがアウディっぽい。
吉田:要するに中身ワイルドなのに、見た目クリーンでエレガントなのが“アウディ”ってことね。それなんとなくわかる気がする。アタシ、先週フランスでルマン(24時間レース)を見てきたけど、向こうではアウディは“レーシング”なのよね。しかも今回また優勝したんだけど、勝ち方が凄かった。最大のライバルは地元プジョーなんだけど、プジョーが3台生き残ってたのに対し、アウディはスタート1時間で1台、真夜中に1台リタイアして1台しか残ってなかったのにそれでも勝っちゃった。物凄いリスクだったはずだけどそれどう思う?
小沢:その通りでしょう。確か日本の全日本GTに出てるブノワ・トレルイエとアンドレ・ロッテラーが出てたけど、ロッテラーは5スティント(給油5回分の走り)をタイヤ無交換でいったらしいよ。プジョーの方が燃費いいから、その分アウディは多く止まって速く周回する必要があったわけで物凄いリスク。それで勝っちゃったから勝負師だよね。
吉田:そういえばなんか“5スティント”で騒いでたかも(苦笑)。

日本車だったらとっくにダメが出てる


小沢:A7も見た目凄いキレイで妙なクセが全然ないけど、結構勝負してるよね。商品づくりで。
吉田:えっ、どこが?
小沢:だって全長5メートルの5ドアハッチバックって日本だと企画の段階で絶対ダメが出てると思うの。普通あれくらいのサイズだと4ドアセダンしかあり得なくて、そもそも日本だと「5ドアハッチバックは売れない」って苦い想い出があるからね。そういう危険な橋は渡らない。
吉田:そうかな? クルマは本当に良く出来てると思ったけど。デザインは凄くキレイだし、乗り心地も物凄くいい。リアシートも十分広いじゃない?
小沢:それはその通りだけど、リアはとても足組めなくて5メートル級のサルーンとしては物足りないし、ラゲッジ容量500リッター以上って逆に広すぎると思うのよ。普通に考えると、あの手の高級サルーンってそれほど荷物運ばなくって良くって、日本人がゴルフバック4セットにこだわるのが珍しいくらい。だからある意味、A7スポーツバックはラゲッジ広すぎなわけ。ある意味、「旧泰然としたオーナーは要らない!」って言ってるようなもんで、その態度が凄く気持ちいい。
吉田:なるほどね。アウディもリスクとってるけど、遼クンもとりあえずリスク取りましたと。そこは似てる……のかな?(苦笑)。

昔は無免許ぐらいがフツー?


小沢:でも、オレは個人的には遼クンがある意味、ヤンチャなんで安心したな。なんかゴルフ以外はファッションぐらいしか飛び抜けたものがなくって、普段、あの闘争本能はどこに行っちゃってるのかと思ってたけど、「運転したい」のに「向こうの免許でなにが悪い」って感じは凄くいいよ。ある意味正論だと思うしね。
吉田:そんなこと、誰も言ってないじゃない(苦笑)。
小沢:あはは、バレた?(笑)。でもね。ホント、今の日本の社会ルールもそうだけど、今の日本の交通ルールに納得してる若い人ってのは、世界じゃやっていけないと思う。あんなスピード制限、40年以上前の決まりだし、クルマは良くなってて、道もドライバーのマナーも良くなってるのに、時速100キロ制限どころか、一部首都高50キロ制限ってあり得ないと思うよ。現実的じゃない。それに海外で免許取ったら3ヶ月住まなきゃいけないなんて、詭弁だよね。っていうか鎖国よ。天下りの交通安全協会の。
 日本はアメリカでクルマ沢山売ってるくせに、アメリカのクルマ文化を真に理解しようとする気が全く無い。もっと海外におけるリスク感覚を共有しないと、どんどん日本人が海外に行けなくなる。っていうか、日本でだけ運転覚えてたら海外で運転できないよ。基準が違い過ぎて。
吉田:なんかアウディA7の話からどんどん離れてっちゃう感じじゃない?
小沢:ゴメンゴメン。それから遼クンがいいのは、間違いなく「運転好き」って事だよね。賞品で貰ったアウディQ7とかA5カブリオレが大好きみたいだし、そう言う意味でも期待したい。いい男、出来る男はクルマ好きだという。ああいうヒーローがクルマ好きになるとますます日本でのクルマ人気も高まるのにさ。つくづく足引っ張ってるよなぁ、日本のケーサツって。
吉田:っていうか、単にプロゴルファーはお金もあるし、クルマ移動ができないとやってられない! ってことだと思うんですけど……。
小沢:とにかく無免許の一つや二つ、ヤンチャの勲章だと思ってますますがんばって欲しい。こんなんでめげてちゃマスターズなんか獲れないっこないって。
吉田:……。

<主要諸元>Audi A7 Sportsback 3.0 TFSI quattro
■型式 ABA-4GCGWC
■ボディサイズ(全長×全幅×全高):4,990×1,910×1,430(mm)
■総排気量:2,994cc
■エンジン:V型6気筒スーパーチャージャーDOHC
■最高出力: [net] 220kW (300ps) / 5,250-6,500rpm
■最大トルク: [net] 440Nm (44.9kgm) / 2,900-4,500rpm
■駆動方式:クワトロ(フルタイム4WD)
■トランスミッション:7速 Sトロニックトランスミッション
■価格:879万円(7速Sトロニック)

アウディ・ジャパン

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