【DVDエンター!】北川景子も絶賛、小雪初の単独主演作が1年半振りにDVD化
『わたし出すわ』
突然帰郷した彼女の申し出に、つい受け取ってしまった大金――山吹摩耶が突然、故郷に帰ってきた。東京でどう稼いだのか、彼女は莫大な財を築いている。高校卒業以来何も変わっていない街で、久々に高校の同級生たちと再会する摩耶。
そして彼らの「夢」や「希望」の実現の為に、次々に 「わたし出すわ」 と、自分のお金を差し出すのだった。惜しげもなく大金を差し出す摩耶の申し出に、友人たちは戸惑いながらも、ついそのお金を受け取ってしまうのだが…。果たして摩耶の資金の出所は? 彼女の目的とはいったい? そして大金を受け取った友人たちの夢の行く末は?――「わたし出すわ」のその先にそれぞれの未来が見えてくる。
人それぞれの「夢」や「希望」の価値
北海道・函館を舞台に、小雪演じる摩耶が再会する高校の同級生たちは、世界の路面電車めぐりを夢見る市電の運転手・道上保(井坂俊哉)、怪我で故障したマラソンランナー・川上孝(山中崇)、専業主婦・平場さくら(小池栄子)、国の漁業水域をも無にするような研究を行う養魚試験所の研究員・保利満(小澤征悦)、地元の有力企業社長の夫を亡くしたクラブのホステス・魚住サキ(黒谷友香)の5人。一口に“大金”と言っても、人それぞれの「夢」や「希望」の実現に必要な金額は同じではありません。「お金で買えない価値がある」と語るクレジットカードのCMもあれば、「お金で買えないものはない」と語るIT社長もいましたが、お金を得ることと、人生の幸福は同義ではないかも知れません。13年ぶりのオリジナル企画となる本作を監督するにあたって、森田芳光氏は「今の世の中、お金を使う、その目的を考える時期なのかと思う。」と述べています。
素敵なものばかりが心をさらうけど まどわされないで
エンドロールに流れる主題歌「ほしいもの」を歌うのは、現在21歳のシンガー・ソングライター、辻詩音。映画から発想して書き下ろされた同曲について、森田監督は「観客の皆さんがこうやって観てくれたらどんなに嬉しいだろう」と、主題歌へ抜擢した理由を語っています。摩耶のお金の出所や、その意図など、映画を観る前に疑問に感じることはありますが、『わたし出すわ』を観終えた時、本作から何を感じ取るかは人それぞれ異なるでしょう。お金や幸福の価値観が異なるように、観た人の数だけのエンディングがある作品です。
「箱庭協会の会長の権利を金で買いたい」と語る、平場さくらの夫まさる役・ピエール瀧が観客の笑いを誘う他、“場をわきまえない記者”として、北川景子が見逃してしまうくらいワンシーンだけ出演しています。その北川景子は自身のブログで、同作について「ただ一言、最高の映画でした。」と書いた上で、「DVDになったらもう一度ゆっくり見たいと思いました。皆さんにもぜひ見ていただきたい映画です。」とオススメしているので、彼女が感じた解釈も参考にしてみて下さい。
あなたが大金を手にしたら、何に使いますか?
■関連リンク
・『わたし出すわ』特集 - MOVIE ENTER
・KEIKO'S BLOG 「わたし出すわ」- 北川 景子 オフィシャルブログ
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