iOS端末での使い心地にとことんこだわったBluetoothモバイルキーボードを徹底レビュー!


iPhoneでも超高速で文章が打てる!

皆さ〜ん、モバイルキーボード、使ってますか〜?

今やiPhoneやAndroid端末などのスマートフォンは隆盛の一途を辿り、タブレット端末も様々な種類が発売されるようになりましたが、それらの端末を使い込めば使い込むほど不満が募ってくるのが…文字入力だったりします。

今やフリック入力も当たり前となり、かなりの速さでミス無く入力出来る人も増えてきましたが、その打ち易さや快適性はやはり物理キーボードには敵わないようで。かくいう筆者も古参のiPhoneユーザーなのでフリック入力の速さには自信がありますが、それでもPC用キーボードの入力スピードには到底追いつきません。

そこで思いつくのは外部のモバイルキーボードの利用ですが、スマートフォンでモバイルキーボードを使うにはいくつもの障害があり、なかなか思うようには使いこなせずに終わってしまう人が多いようです。例えばキーピッチが狭くて打ちづらかったり、打鍵感が悪くてミスタイプを連発したり、キー配列が特殊でなかなか慣れなかったり、そもそも持ち歩くのが面倒だったり。

そんな悩みを“iOS端末に限定する”事で解決してくれたキーボードが、今日ご紹介するエレコム製のBluetoothモバイルキーボード「TK-FBP017EBK」です。

 
 
通常モバイルキーボードというと汎用性を重視して作られている事が多いのですが、このTK-FBP017EBKはiPhone、iPad、iPod touchなど、iOS端末に特化して作られた特殊なモバイルキーボードなのです。

他の類似品ではBluetoothのプロファイルとしてHIDとSPPをサポートしている場合が多いのですが、このキーボードではHIDのみのサポートに絞る事で、デバイスを限定すると共に価格的なメリットを出しています。このキーボードの姉妹品である、SPPもサポートしているタイプが定価で2万円以上もするのに対し、このキーボードは1万3千円台と大きく価格を抑えています。(2011年5月現在、市場価格では5千円台にまで落ちている。)

そして最大のメリットはキー配置です。日本人だと普通なら日本語配列(JIS配列)のキーボードを選択しがちですが、実はiOSでサポートしているキー配列はUS配列のみ。しかも基本がMacと同じ仕様になっている為、Windows用のキーボードではキートップに印字された文字と実際に打てる文字が違ってしまう事があるのです。

その点、このTK-FBP017EBKはUS配列である上にMac仕様のキー印字になっている為、iOS端末で使えばキーに印字された文字そのままが打てるのです。これは汎用モバイルキーボードには無い大きなメリットです。



それでは、実際にキーボードの仕様やそのキー配置などを見ていきましょう。

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パッケージ。大きく「for iPad/iPhone/iPod touch」と書かれている。

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パッケージには、キーボード本体、専用ケース、テスト用電池が入っている。

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Macユーザーなら見慣れたキー配置。Commandキーなどが特徴的だ。

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キーボードを開いて左上のロックボタンを右にスライドさせる事でキーボードを固定する。

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右上には電池を入れる。単4乾電池2本を使う。

キーボードのサイズは折り畳み時で幅146.2mm×高さ99.3mm×厚さ21.9mm、使用時は幅285.6mm×高さ99.3mm×厚さ21.9mm。重さは165g(※電池含まず)と比較的コンパクトで軽量です。

キーは比較的オーソドックスな配置の65キーのUS配列で、ファンクションキーが独立していない点以外は大きく迷う事はありません。ただし、US配列の場合エンターキー(リターンキー)が横長且つ縦方向に短い為、JIS配列に慣れていると上部の\(バックスラッシュ)キーと押し間違え易いので慣れが必要です。

キーピッチは18mmと十分なサイズを確保している為、通常のデスクトップ用キーボードの感覚でブラインドタッチが可能です。スマートフォンやタブレット端末で敢えて外部キーボードを用いるのなら、ブラインドタッチが出来るという事は大きな購入理由になるでしょう。

キートップにはあまり目立たないシャープなフォントの英数字が刻印されており、スタイリッシュなイメージを演出しています。キーはパンタグラフ式で打鍵感が非常に良く、キーストロークも2.3mmと十分に確保しているので、ノートPCユーザーならほぼ同じ感覚で打つ事が出来ます。強いて難点を探すなら、パンタグラフ式ゆえに打鍵音が多少大きめである事でしょうか。



対応する端末はiPad、iPhone 4、iPhone 3GS、第4世代iPod touch、第3世代iPod touch(32GB及び64GB)、その他HIDプロファイルに対応した機器です。OSではiOS 4.0以上(iPhone 3GS及び第3世代iPod touchではiOS 4.2以上)、iPadはiPhone OS 3.2以上、Mac OS X(10.5〜10.5.8、10.6〜10.6.5)となります。

駆動には単4乾電池2本を使用し、公称ではアルカリ乾電池なら3ヶ月ほどの動作時間を確保しています。敢えてリチウムバッテリーなどではなく、コンビニなどで手軽に買える乾電池を使用している点も大きなメリットです。長期間使用した場合の電池代が気になる方は、エネループなどの充電池を利用すると良いでしょう。



そしてこのキーボードの大きな特徴が、スマートフォン用のスタンドが内蔵されている点です。

スタンドはキーボード左上に格納されており、引き出すとバネで自動的に立ち上がるギミックになっています。スタンドの角度は3段階に調節が可能で、更に背もたれの部分を引き伸ばす事でスマートフォンを縦置きした際にもグラついたり転倒したりしないようになっているのもポイントです。

スタンドは更に引き抜く事でキーボード本体から外す事が可能で、自分の好きな位置にスマートフォン本体を置いて作業をする事が出来ます。残念ながら、スタンドのサイズの問題からiPadや大きめのタブレット端末には対応していません。

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スタンドが自動的に立ち上がるギミックは秀逸。

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スタンドを引き抜くには多少力が要るので怪我などに注意。

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支えとなるシャフトを台の溝にはめる事で角度の調節を行う。

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足場と背もたれの部分に滑り止めのゴムが貼ってある為、iPhoneなどを縦置きしても全くグラつかない。

それでは、実際にiPhone 4で使ってみましょう。

まずはBluetoothのペアリング作業を行います。ペアリング操作は非常に簡単で、iPhone側の「設定」⇒「一般」から「Bluetooth」を選択し、オンにしてデバイスの検索状態にします。その後キーボード側の電源を入れると自動的にiPhone側でキーボードを見つけてくれるので、あとは画面の指示に従ってタップするだけ。

他のBluetooth機器ではペアリング用のキーナンバーを打ち込むものもありますが、このキーボードではその操作が不要なので、これだけで接続が完了します。2回目の接続からは、iPhone側でBluetooth機能をオンにしていればキーボード側の電源を入れるだけで自動的に接続されます。

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iPhone側でキーボードを認識したら、「登録されていません」をタップ。

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するとこれだけで登録が完了し、接続される。非常に簡単。

あとは、メモ帳やメーラーなどで好きなだけ文字を打てます。通常ならば画面の下半分にソフトウェアキーボードが表示されますが、Bluetoothキーボードを接続するとソフトウェアキーボードの表示が消え、画面全てを文字入力領域として使用出来ます。より多くの情報を読みながら文章が打てる為、作業効率も格段に上がります。

日本語での文字入力の際、Windowsユーザーが注意すべきポイントは英語と日本語入力の切り替え方法です。Macユーザーならば基本中の基本ですが、「Commandキー+スペースキー」で切り替えが可能です。最初は慣れが必要ですが、スペースキーの左右にCommandキーが配置されている為、すぐに慣れると思います。

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全画面で文字入力が出来るだけでも相当に使い勝手が良い。

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Command+スペースを押すと、画面に日本語入力と英字入力の切り替えダイアログが表示されるのは非常に親切。

また、Bluetooth接続では複数のデバイスを同時に扱える為、例えばBluetoothキーボードと音楽用Bluetoothレシーバを同時に使う事も可能です。

iPhoneなどの世代によってはパフォーマンス不足で音楽が途切れたり文字入力がもたつく事があるかもしれませんが、iPhone 4の場合は全く問題なく同時利用が出来ました。

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キーボードとヘッドホンレシーバを接続したところ。

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全てのデバイスをBluetoothでワイヤレスに。快適の一言。

筆者はこれまでiPhoneでモバイルキーボードを使う事に対して、キーボードを持ち歩くほどのメリットがあるのだろうかと少なからず疑問を抱いていましたが、このTK-FBP017EBKはその多くの不安を払拭してくれました。

数少ない難点を探すならば、折り畳み式であるがゆえに膝の上などでは操作が殆ど出来ない点が挙げられますが(ロック機構はあるものの、非常に細い金属棒で固定しているだけなので少しの力で曲がってしまう恐れあり)、机やビジネスバッグの上で利用する分には全く支障はありません。

また原因は不明ですが、稀に接続が途切れる場合があります。そのような時はいずれかのキーを押す事ですぐに復帰するので、これも大きなデメリットにはなりません。



iPhoneを代表とするiOS端末の高性能化と高機能化により、簡単なネットサーフィンやメール処理、その他スケジュールやTODO管理などではノートPCを使う必要すら無くなって来ています。またカジュアルシーンでノートPCを持ち歩く人は少なく、ノートPCが入らないような小さめのバッグを携行する人も多い為、僅か文庫本程度のサイズになるこのキーボードを利用する価値は非常に大きいと感じました。

その他にも、これだけのモビリティとユーザビリティがあればiPhoneだけで会議の議事録をメモしたり、Skypeなどでのチャットをスピーディに行う事も非常に容易になるでしょう。

市場での実勢価格が5千円台と非常にリーズナブルであるにもかかわらず、この使い勝手の良さと携行性の高さは特筆に値します。このキーボードと最も相性が良いのはやはりiPhoneであり、場所を問わずいつでもどこでも使える安心感があります。iPhoneでの文字入力に不便さを感じていたり、更にiPhoneを活用したいと考えているなら、購入を検討してみてはいかがでしょうか。

記事執筆:あるかでぃあ


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