外資IT企業 セールス統括「30代半ばで年収1900万円突破」 - 年収1000万円プレイヤー図鑑 vol.14


IT業界の開発職からコンサルタントを経てセールス部門の責任者となり、30代半ばにして年収が1900万円を超えた中嶋誠一氏。かなりの成功事例だが、中嶋氏自身は「自分の興味や回りの環境に身を流してきただけ」とサラリと語る。だが、転職のたびに職種や仕事の中身を変え大きな成果をモノにしてきたことも事実。IT業界で成果と高収入を実現する秘訣を聞いた。



Q.新卒で大手コンピュータメーカーに入社した経緯は?

小学校高学年からコンピュータプログラミングに興味を持ち、その流れで大学院卒業まで一貫してコンピュータオタクだったんです(笑)。大学では数学専攻でしたが、趣味でプログラミングばかりしていました。就職先もコンピュータメーカー。就職活動で訪問した会社で、研究所の冷蔵庫のような大型コンピュータを見せられ、「これみんな自由に使っていいよ」と言われて入社してしまいました。

入社後、研究開発職になったのですが、私よりもっとコンピュータオタクな先輩がいて、上には上がいるなと思ったのを覚えています。私が1カ月かかるプログラムを先輩は2時間で書いてしまったり。そんな先輩の下、プログラミング職人として鍛えられました。会社は楽しかったですね。夜中に開発を終えて明け方まで飲んでいたりと。開発自体は順調で、私は“下働き”に徹していました。

Q.入社4年後の27歳のときに転職されていますが。

単純に開発ばかりやっていることに飽きてしまったんです。開発よりも、お客様はどのようにしてこのシステムの導入を決めたのか、ということの方に興味が移りました。日々徹夜で開発をしていて、「自分は何のために働いているのか」「そもそもこんなシステムを誰が買うのか」と、哲学的な迷宮に陥ってしまったんです。

当時は、ERPの全盛期。ベンダーで導入コンサルタントになった友人が「ウチの会社にはコミッションで億単位の年収を稼ぐ人がたくさんいる」という話も聞きました。開発に飽きてしまったので、私もコンサルタントになろうと思ったんです。社内でコンサル職へ異動する道もありましたが、知人に誘っていただいた外資系コンサルティングファームへ転職しました。

Q.開発職からコンサルタントになられてどんな苦労がありましたか?

仕事内容は、当時ブームだったeビジネスの戦略立案でした。戦略コンサルティングということで、ずいぶん仕事の中身は変わりましたね。自分の“売り”はテクノロジーに強いコンサルタント。「大手企業のeコマースサイトを一切合切面倒見ます」というプロジェクトを何件かやりました。面白いところでは、官公庁の依頼で、eコマースのレポートを作るという案件もありました。

コンサルタントになった当初、苦労したことと言えば「プレゼン」ですね。私が話していると、必ず数人は寝ている(笑)。どうしたら聞き手が眠くならないかを常に考えていましたね。両手で机をバン!と叩くとか(笑)。プレゼンの中身は、本国のデータベースから引っ張ってくるので苦労はないんですよ。それをさも自分で考えました、みたいに見せるところの方が実は難しい。まぁ、当時はプレゼンには“落ち”が必要という原則を学びましたね。キレイに言うと、ビジネスの基礎を学んだのですが、数年でコンサルタントの仕事がイヤになってしまいました。

Q.コンサルタントの仕事は向いていなかったのですか?

あくまでお客様のお手伝いだけの仕事と思ってしまったんです。当時は自分たちでリスクを取って会社を興した人はみんな大金持ちになっていましたから。それを傍目で見ながら虚しいなぁ、と。そんなふうに思い始めたころ、海外本社が買収されてしまい、自分も転職をすることにしました。当時は、海外のITベンチャーの日本法人が日本市場で上場し、日本人が大金持ちになれる時代だったので、私もその路線で一発当てようと、新たに日本に進出するアメリカのソフトベンダーの立ち上げスタッフになりました。

Q.立ち上げスタッフとしてどんな仕事をされたのですか?

営業とマーケティングとプリセールスをしました。簡単に言ってしまうと売上げに関する責任者。営業は大変でしたね。ひたすらお客様に頭を下げまくる毎日。競合大手がいるなかで、這いつくばるような営業をやっていました。でもしっかり成果は出し、報酬は会社業績連動でだいたい1700万円くらいでした。

Q.セールス職で成果を出した秘訣とは?

大手のソフトウェアパッケージは機能が多すぎて複雑です。でも、我々のパッケージは小さくて、無駄がない。「必要な機能だけ提供し、金額的にも無駄が一切ありません」という方針で、売上げを立てていました。

また、営業は地頭の良さが肝心です。頭が良ければ咄嗟の判断で何とかなりますから。お客様との商談時には、ある程度屁理屈でも機転の利いた提案ができないと何も始まりません。

例えば、私の場合だと、お客様に「こういう機能はありますか」と言われて、無くても「あります」と言い、その晩に自分で作ってしまったり。もちろん、普通の会社ではやってはいけないことですが(笑)。

年収レベルも役職的にも順調だったんですが、会社の将来性に限界を感じて転職することにしました。外資はワールドワイドの売上が落ちると、開発力も落ちてしまいますから注意が必要です。

Q.現在はどのような仕事をされているのですか?

同業他社に転職し、やはり営業をやっています。もう開発職より営業職のほうが長くなりましたね。現在は自分で営業するというより、マネジメントというかプレーヤーの人のお手伝いや働きやすい環境を作ることなどが多くなっています。具体的には、揉め事の火消しなど。大岡越前じゃないですが、お客様、メーカー、当社みんなが八方丸く収まる解決策を考える。けっこう頭を使います。

Q.今後のキャリア目標というと?

5年後、10年後のことは実はあまり考えていないんです。それよりも、流れに逆らわないことが大事だと思います。悪いことが起きなければ定年までいるかもしれないし、何か良いきっかけがあれば転身する。私は学生時代からずっとそうです。

Q.年収を2000万円クラスにするためのアドバイスとは?

やはりキャリアでも仕事でもリスクを取らないと大きなリターンはありません。仕事なら、危なそうな案件、競合がガチガチに強い案件などを敢えて狙うとか。キャリアなら、多少不安でも可能性を感じるスタートアップ企業へ飛び込むとか。ただ、私は山師ではないので、常に大物狙いをしていた訳ではありませんが(笑)。

中嶋氏は、以前の会社の上司や現在の仕事とはまったく関係ない知り合いなど、昔仕事で絡んだ人と今もちょくちょく飲みに行くことが多いという。それも転機、転機で転職を誘ってくれる人が現われる理由のようだ。飲みに行く機会が毎晩のようにあるため、高収入の割には手元には残らない。しかし、残らないからこそ、食べていくために今年も全力投球という気になるのだと言う。
(情報提供元:@type)

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