外資系ITコンサルティング会社 マネージャー「年収を上げるなら、今後伸びるニッチな会社」 - 年収1000万円プレイヤー図鑑 vol.12


新卒で入社した大手ベンダーを皮切りに、国際的なIT企業、外資系ITコンサルティング会社へと転職。28歳のときに年収1000万円を突破した石田幸雄氏(31歳)。20代で着実にステップアップを実現した背景には、IT業界のトレンドを先読みした上での転職、顧客志向の開発・サポート姿勢、そして将来の年収アップへの緻密な戦略がある。そんな石田氏のキャリアを追いながら、IT業界で成功するコツを聞いた――。



Q.新卒で大手ベンダーに入社されていますが、当時はどのようなキャリアプランを描いていたのですか?

当初は金融志望で大手銀行に内定していたのですが、たまたま知り合いを介して某ベンダーを知りまして、ITにはビジネスを変える無限な可能性があると感じたのです。なおかつ金融よりも年収がよかった(笑)。ベンダーに入ったときITコンサルタントになろうと思ったんですが、技術的なバックグラウンドをしっかり付けたいなと、あえてコンサルタントではなく、技術・製品サポート部隊を志願しました。配属に関しては自分の希望が叶う会社だったので。以来、3年間サポートという形でERPを勉強しました。

Q.技術・製品サポートはよい勉強になったのですか?

ええ、クライアントの中に入って様々な支援ができました。ある大手のクライアントさんですが、製品トラブルを迅速に片付けてトラブルの解決策を様々に提示したら高く評価されました。この案件で、コミットメントの高さを会社からも評価され社長賞を受賞しました。私は顧客と話すことが好きで、常に次のアクションを顧客の側になって明確にしていました。その意識の持ち方が良かったんでしょうね。ふつうサポートの人は技術面ばかりにこだわる傾向がありますから。技術よりも、本来の意味の顧客サポートに徹したわけです。

Q.社内で評価されていたのに、4年目で転職したのはなぜでしょうか?

技術面も顧客との話も自信が持ててきたので、そろそろコンサルタントになりたい、と思ったタイミングで運悪くITバブルが崩壊したんです。それで社内的にコンサルタントは減らす流れになり、転職を考えたのです。社内で掛け合ったら「1年待て」と言われたのですが、1年後にコンサルタントになれる補償はないとヘッドハンターに相談しました。実力はついたと思っても、年収が上がらないのでモチベーションも落ちますね。

ちょうど複数のヘッドハンターの方からもアプローチをもらいまして。今度は製品ベンダーではなく、ソリューションありきのファームを探しました。複数のファームを平行して受けたのですが、その中でインドでの開発を行なうグローバルIT企業に興味を持ちました。インドでの開発が今後トレンドになる。一攫千金を狙うにしても、一歩先のことをやるのがいいと入社を決めたんです。

Q.そのグローバルIT企業ではどのような仕事をしたのですか?

この会社はインドでの開発とアメリカ市場では大きな実績のある会社ですが、日本ではまだ立ち上げたばかり。個人的にはインドの開発センターを使って国際的な仕事ができる、語学力がつく、その開発スタイルを学べるのが魅力でした。年収も27歳で900万円弱とよかったですね。最初はインドの開発センターへ行って、開発現場を研修。その後は、日本のグローバル企業をクライアントに、1年のうち半年はヨーロッパに滞在してERPの導入を支援しました。コンサルタントからリーダー、プロマネを経験。年収もかなり上がりました。

私の役割は日本の顧客側の要望をまとめてインドの開発センターに繋ぐこと。インドでの開発はクオリティレベルでは日本よりもずっと上です。インド人技術者は本当に頭がいいと思いました。ただ、そのぶんコスト競争力はほとんどなく、仕様書がすべて英語になってしまうのが日本ではインド開発がイマイチ広まらない理由です。

Q.今年、大手ITファームに転職されますが、これはどのような経緯ですか?

ERPのアップグレード作業ばかりになってしまったのが、転職時期だと思った理由です。手堅く儲けられるビジネスですが、個人的には上流のコンサルティングができません。インド開発という武器を売るときがきたなと。現在のファームを選んだ理由は、自分が配属される部門にまだ人が少なく昇進の機会が多いことと、会社自体として伸びているからです。現在は、ドメスティックな案件で苦労も多いですが(笑)。

Q.ITコンサルタントとして、石田さんのように20代で年収1000万円を超える秘訣とは何でしょうか?

年収を上げるなら、今後伸びる分野のニッチな会社に行くこと。そして、その中に入ったら自分なりにビジネスを広げていくことです。逆に、大きくて成熟した会社だと20代で大きな年収は期待できません。新しいビジネスの手法があって、あとはその手法がどれだけ世の中的に伸びるかどうかだと思います。

今後はいろいろな業界を見てなんでも対応できるコンサルタントを目指し、2年間でマネジメントスキルを身につけたら、次は顧客ではなく自社に貢献するような仕事をしたいという石田氏。休日は、妻と趣味であるワインとインテリアを楽しんでいるという。年収的には20代で1000万円の大台を突破、次は2000万円を超える年収を提示されることが目標だ。
(情報提供元:@type)

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