紀伊国屋書店、Android向け電子書籍サービスを開始


急速に利用が広がりつつあるスマートフォンおよびタブレット型多機能端末に向けて、伊國屋書店が新たな展開を明らかにした。紀伊國屋書店はスマートフォンおよびタブレット端末向けに、電子書籍の配信・販売サービスを5月20日より開始することを明らかにした。

その第一弾として、Android OS搭載のスマートフォンおよびタブレット向けのストア・アプリ「紀伊國屋書店Kinoppy」(キノッピー)をAndroidマーケットから無料で配布を始め、同時にこれらのデバイス向けに電子書籍の配信・販売をスタートする。

■約5,000タイトルの提供を予定
紀伊國屋書店では、昨年12月に電子書籍の配信・販売サービス「紀伊國屋書店BookWebPlus」(以下BookWebPlus)を開始し、パソコン向けに約1,100タイトルの配信を行なってきている。

今回BookWebPlusからの配信対象デバイスをスマートフォンおよびタブレットへ拡大し、これに合わせて配信タイトルも順次拡大してゆく構えだ。サービス開始時点では約5,000タイトルの提供を予定している。

コンテンツは、講談社、光文社、角川書店、角川学芸出版、岩波書店、河出書房新社、扶桑社、ジョルダン、金の星社、アスキー・メディアワークス、エンターブレイン、角川マーケティング、中経出版、新人物往来社、集英社、小学館、学研HD、幻冬舎、PHP研究所、徳間書店を始めとする多くの有力出版社から提供される。

特に光文社古典新訳文庫「カラマーゾフの兄弟(1)〜(5)」(分冊版・合冊版)(亀山郁夫訳)および「ウィキリークス以後の日本〜自由報道協会(仮)とメディア革命〜」(上杉隆著)を始めとする光文社新書18点、角川書店「天地明察」(冲方丁著、2010年第7回本屋大賞受賞作)、金の星社「ハッピーバースデー」(青木和雄・吉富多美共著)は他のサイトに先駆けてBookWebPlusから配信する。

スタート時点では文字もの主体での品揃えとなるが、今後、実用書、洋書、コミックへと品揃えの充実にむけた準備が進行中だ。

■Kinoppyって、なに?
Androidマーケットから配布を開始するストア・アプリ「紀伊國屋書店Kinoppy」(以下、Kinoppy)は、BookWebPlusでの書籍の検索・購入決済・ダウンロードを行う「ストア」、電子書籍を読む「ビューア」、購入した書籍を整理する「ライブラリ」の3つの機能を備えた統合アプリケーションだ。

従来から紀伊國屋書店の実店舗・ネット書店を通じて紙書籍を購入しているユーザーへのサービスも視野に入れ、電子書籍だけにこだわらず、Kinoppyを使って紙書籍を検索・注文できるようになる。

Kinoppyを通じて注文した紙書籍は、ネット書店「紀伊國屋書店BookWeb」のサービスによってユーザーの手元に届けられる。

従来から「紀伊國屋書店BookWeb」(以下、BookWeb)を利用しているユーザーは既存のBookWeb会員IDでBookWebPlusサービスも利用することができる。

さらに、店舗、BookWeb、 BookWebPlusのいずれの利用でも紀伊國屋ポイントが付与されるので、リアルかネットか、紙か電子かを問わず、紀伊國屋ポイントを使うことができる。

BookWebPlusでは、会員IDごとに注文履歴や電子書籍の読書記録をクラウド上で一元管理する。会員は自身のパソコンおよびAndroid OS搭載のスマートフォンやタブレットなどのデバイスを会員IDと紐づけることにより、購入済みの電子書籍を同一の会員IDで紐づけられた別のデバイスに再ダウンロードすることが可能だ。

また電子書籍の読書記録(しおり、メモ、どこまで読んだか)をAndroid OS搭載スマートフォンやタブレットの間で同期させることができる。

Android版Kinoppyの推奨環境は、スマートフォンではAndroid2.2以降、タブレットではAndroid3.0以降となり、6月初旬にはそれぞれの環境に最適化したスマートフォン版、タブレット版の2種類のKinoppyを提供する予定。5月20日時点では、スマートフォン版のみリリースする。


出版社に対しては、従来から提供しているデータサービス「PubLine」への電子書籍販売データの提供などにより、出版社の新規企画・プロモーション展開などへの支援や提案を行う予定だ。

また店頭での紙書籍と電子書籍を連動させた各種プロモーション、電子書籍デバイスの展示・販売などについても積極的な対応・提案を予定していくとしている。

「BookWebPlus」

ITライフハック
ITライフハック Twitter

共有する

関連記事

【世界のモバイル】モバイルブロードバンド天国へ!海外で進む高速サービスにみる日本との格差

日本の携帯電話は世界でも最も進んだサービスを提供しているといわれている。ところが海外に目を向けてみれば、日本にはない便利なサービスが多く存在している。特に2006年から各国で開始されている「モバイルブロードバンド」は日本に…

【ケータイラボ】このサイズでスマートフォン、ノキア「705NK」

昨年中に発売されそうだと予想されていたものの、結局年を越して発売になったのがノキア「705NK」である。Vodafone時代……ひとつ前に出た「804NK」が折りたたみモデルだったのに対して、今回のモデルはストレートモデルである。ウリはな…

【気になるPC】お洒落なタブレットPCが超低価格で手に入る「HP Pavilion tx1000」

日本HPより、タブレット機能を搭載した低価格PC「HP Pavilion Notebook PC tx1000/CT」が発売された。販売は、直販サイト「HP Directplusオンラインストア」、電話窓口「HP Directplusコールセンター」、または販売パートナー「HP Direc…

【気になるPC】ワンセグも楽しめるWindows Vista搭載のコンパクトなタブレットPC「LOOX P70U/V」レビュー

■コンパクトなタブレットPC富士通が発売するLOOX P70U/Vは、A5ファイルサイズで重量約1KgのコンパクトなモバイルPC。コンパクトながらタブレット機能を搭載し、ワンセグ受信もできる。富士通ショッピングサイト「WEB MART」での価格は、…

【気になるPC】モバイルノートPCでもVistaが動作!富士通のタブレットPC「LOOX P70U/V」フォトレポート

富士通の「LOOX P70U/V」は、Windows Vistaを搭載し、ワンセグ放送も受信できるタブレットPC。本体サイズは232×167×34.5mm※のA5ファイルサイズで、重さは約997g※と、携帯性に優れたマシンに仕上がっている。価格は、富士通ショッピング…