2980円でFOMA回線使い放題は損?最安値に隠された通信速度の違い


昨今のインターネット市場において、携帯電話がPCの出荷台数を追い越し、スマートフォンやタブレット端末、ゲーム機器などといった非PCを利用した高速無線通信が次のメインストリームとなる可能性が広がっている。

そうした中、フリービットは2011年3月1日、MVNO(仮想移動体サービス事業者)事業への参入を公表し、自社展開のほか、同様のサービスへの参入を検討するISPや家電・通信機器メーカー等の事業者様向けを対象としたMVNO支援サービス「YourNet MOBILE」の提供を開始した。

そのフリービットの「YourNet MOBILE」サービスを利用し、ユーザーに、日本全国、ご自宅でも外出先でもあらゆる端末から「いつでもどこでもつながる」高速無線通信サービスを提供しようというのが、ドリーム・トレイン・インターネットが昨日発表した3Gと公衆無線LANのハイブリッド型高速無線サービス「DTI ハイブリッドモバイルプラン」だ。

「DTI ハイブリッドモバイルプラン」は、お得なのか、損なのか。モバイルユーザーの視点から見てみよう。

■「DTI ハイブリッドモバイルプラン」を支える3つの特徴
「DTI ハイブリッドモバイルプラン」には、3つの特徴がある。

1.FOMA 3G回線と公衆無線LANが利用可能
まずデータ通信の回線だが、「DTI ハイブリッドモバイルプラン」はNTTドコモのFOMA 3G回線と、NTTコミュニケーションズの公衆無線LANサービス(ホットスポットのスタンダードエリアの一部を除く)を同時に提供する「ハイブリット型」サービスとなっている。「ホットスポット」では、駅・空港・ホテル・カフェなどでの高速通信が可能だ。

2.月額2,980円!業界最安値価格帯のコストパフォーマンス
プランは初期費用0円、月額費用は定額の2,980円のひとつだけだ。3G接続なら最大7.2Mbps、公衆無線LAN 接続なら最大54Mbpsのデータ通信を利用できる。他社の同額サービスと比較した場合、約24倍の回線速度を同じ金額で利用できる。

3.選べる2タイプの接続端末
端末が選択できる点も大きな特徴のひとつだ。ユーザーの利用用途に応じて、「モバイルルータタイプ」と「USBタイプ」2つの接続端末が用意されている。

「モバイルルータタイプ」は、外出先や自宅でノートパソコン以外にゲーム機器やiPhone/iPadなどといった複数の端末を利用するユーザーに、また、持ち運びが便利な「USBタイプ」は、主に外出先でノートパソコンを利用するユーザーに向けた端末となっている。両端末ともに630円/月額と、手頃な価格で利用することができる。


■どこにお得感を見出すのか?
2980円でFOMA回線使い放題というのは、果たしてお得なのだろうか。モバイルユーザーの視点から見ると、使い方によっては損な場合もあるだろう。

「他社の同額サービスと比較した場合、約24倍の回線速度を同じ金額で利用できる」という宣伝文句に偽りはない。

●通信速度でコストを考えてみる
ここで価格を基準にするのではなく、通信速度を基準に考えてみよう。現在、月額定額制のデータ通信でもっとも高速で安価と思われるのは、「UQ WiMAX・UQ Flat」の月々4,480円だろう。通信速度は、下り最大40Mbps/上り最大10Mbpsだ。

FOMA回線の場合、通信速度は、下り最大7.2Mbps/上り最大5.7Mbps(端末・利用エリアによる)なので、下りの通信速度はUQ WiMAXの1/5以下だ。

あくまで単純計算だが、UQ WiMAXは月々806円で下り7.2Mbpsぶんのデータ通信を提供していることになる。転送速度にこだわる人であれば、月々4,480円の「UQ WiMAX・UQ Flat」のほうが断然お得なのだ。

●サービス内容でコストを考えてみる
「DTI ハイブリッドモバイルプラン」の大きな魅力は、日本最大のサービス提供カバー率を持つNTTドコモのFOMA 3G回線を転送量無制限で利用できる点だ。さらに全国約4,000アクセスポイントの公衆無線LANもサポートする。

他社のデータ通信でも、通信エリアを広げつつあるが、UQ WiMAXはエリアが大都市に限られているので、圧倒的な差がある。

単純比較はできないが、通信できるエリアを重視するのであれば、「DTI ハイブリッドモバイルプラン」のほうがお得感があるわけだ。


通信速度で選ぶか、サービス内容で選ぶか。モバイルユーザーは、それぞれの利用目的に合った賢い選択が問われている。

DTI ハイブリッドモバイルプラン

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