IS Paradeの企画チームに聞く!プロモーションを通じたauスマートフォン「ISシリーズ」の人気に迫る【インタビュー】



ISシリーズの人気はここにある!?

KDDIがauスマートフォン「ISシリーズ」のプロモーションとして展開しているWebコンテンツ「IS Parade」が文化庁メディア芸術祭でエンターテイメント部門大賞を受賞したことをすでにお伝えしました。

今回は、ISシリーズのプロモーションを担当しているKDDI宣伝部の吉村桃子氏、IS Paradeを企画および開発した担当者である大賞を受賞した博報堂エンゲージメントプランニング局の林智彦氏にISシリーズの状況やプロモーションについてお話を伺ってきましたので紹介したいと思います。

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IS Paradeを試したところ。


エスマックス――大賞受賞おめでとうございます。今回、受賞された「IS Parade」がどのようにして生まれたのかや「ISシリーズ」として展開した経緯について教えてください。

吉村氏――KDDIとしてはau向けのスマートフォンの展開で他社に比べて出遅れた感がありまして、なんとか追いつき、追い越すために新しく「ISシリーズ」としてスマートフォンを展開することになりました。

その第1弾としてauとしてはじめてプラットフォームにAndroidを採用したシャープ製「IS01」とWindows phoneを採用した東芝製「IS02」を昨年3月30日に発表しました。

ですが、実際にIS01とIS02が発売されるのが6月以降でしたので、約2〜3ヶ月とかなり時間がありました。そこで、何かユーザーにISシリーズの存在を感じていただくプロモーションをやりたいと考えました。

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KDDI 吉村氏。


林氏――「ギーク層を引き付ける」というお題に対し、当時のISシリーズのブランドコンセプト「シェア」に基づいてTwitterのソーシャルを使って何かそこでつながる友人に言いたくなることができないか、という観点で企画をスタートしました。

情報をシェアすることで、一緒に同じ世界を楽しめるのが楽しさにつながればいいなと思っていましたが、ちょうどTwitterの認知度が高まる直前にIS Paradeを展開できたこともあって、開始当初からうまく認知されていき、著名なアカウントの人が投稿する度に爆発的に再生(アクセス)数が増え、やってみたら「みんなやってみて!」ツイートの連鎖がうまく起きて、右肩上がりでどんどん口コミで広まっていったのは大成功でした。

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博報堂 林氏


エスマックス――KDDIではそれ以前にもTwitterを使ったプロモーションがありました。やはりテレビなどに比べるとWebの重要性は上がっているのでしょうか?

吉村氏――Webの重要性は1年前に比べると比較できないほど大きくなっています。もちろん、テレビにはまた違う層に対する力があるので重要なプロモーションのひとつだという点は変わりませんし、テレビをフックにした影響力は大きいのですが、Webでの勝手に広がっていく口コミによる情報拡散は非常に大きい効果がありますね。

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IS Paradeのつぶやきが連鎖してISシリーズのプロモーションとして話題になっていた様子。

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なんだかよくわからないけど面白がって再生してくれることでどんどんつながるのもソーシャルメディアの魅力だとのこと。


ちょうど、IS Paradeを展開するときにもそれまでTwitterというものがどこまで伸びるのかわかりませんでしたので、今後どうなるのか懸念する声ももありました。

しかし、ちょうどTwitterの日本での普及と共にパレードも広がっていき、IS Paradeはピークが過ぎた後も世界各地から今でも1日当たり約3万回、総計1500万回以上の再生が行われており、KDDIのコンテンツの中でもモンスターコンテンツとなっています。本来ならこういったプロモーションサイトは期間限定で長くても半年くらいで停止したりするのですが、アクセスが大きいので今でも通常のコンテンツとして展開を続けています。

これまでは、お客様と直接、インタラクティブにコミュニケーションできるのは、店頭のみだしたので、双方向のプロモーション手段としてWebコンテンツは非常に重要になっています。

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やはり、公開直後の勢いは大きかったという。

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その後もピークを超えても高い再生数を維持しているとのこと。

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今でもモンスターコンテンツとしてサービスを継続しています。


エスマックス――IS Parade以外にもソーシャルメディアを活用したプロモーションは行われているのでしょうか?

林氏――例えば、現在では、ISシリーズの新製品のどんなところが魅力があるのかを投稿できる「クチコミカタログ」というものを展開しています。

クチコミカタログは、商品の各機能の中で魅力的に思う点を選んで「いいね」を投稿し、それに応じて各機能の枠や文字の大きさが変わるWebコンテンツとなっています。当初、IS03だけで展開していましたが、現在は、IS03とIS04、IS05を統合したものとなっています。

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クチコミカタログは機種ごとにどんな商品なのかザックリと知ることが可能なコンテンツです。

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クチコミカタログでIS04について見てみたところ。


吉村氏――サービスを開始した昨年10月4日から1月26日までの段階での再生数が約450万となっていて、IS03のときだけでも数10万いいねがありました。IS03の人気別機能は最終的に以下のようになりました。

この結果は、テレビ番組の「お願いランキング」の注目ランキングとして提供させていただいたほか、新聞などに出向するときのデータとして人気順に機能を表記する並び方の参考にしていたりするなど、マーケティングデータとして利用しています。感想なども書かれているので、今後の方針や改善への参考にするなど非常に役立っていますね。

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クチコミカタログもスマートフォン向けページもきちんと用意されています。


クチコミカタログ投票数 2010年 10月4日〜 2011年1月27日
ハッシュタグ投票数
#IS03design48,237
#IS03display16,005
#IS03android2.138,008
#IS03flash19,854
#IS03movie13,514
#IS03felica25,877
#IS03_1seg22,066
#IS03irda15,697
#IS03camera17,748
#IS03mail74,441
#IS03market3,706
#IS03lismo14,730
#IS03naviwalk9,472
#IS03jibe4,712
#IS03skype30,851

クチコミカタログ投票数 2011年 1月4日〜 2011年2月1日
ハッシュタグ投票数
#Android_au_mail957
#Android_au_felica309
#Android_au_1seg357
#Android_au_irda329
#Android_au_flash232
#Android_au_google697
#Android_au_jibe155
#Android_au_skype549
#Android_au_market164
#IS03design440
#IS04waterproof2,452
#IS04camera505
#IS05incamera398
#IS05design795
#IS05android2.21,989


他にも、Twitterと連動させて(昨年10月に行われた)新製品発表会に一般の方をご招待したり(既終了)、六本木のビルの壁面にTwitterアイコンや写真を色とりどりの花火のように投射する「Millon Play Hanabi」(既終了)、Twitterのフォロワーと一緒にふわふわとまどろむマジカルなビューワー「Timeline Dream」などを展開しています。

※詳しくは、以下のWebページに一覧が掲載されています。
Web Project | Android au - auのスマートフォン(IS series) | au by KDDI


エスマックス――クチコミカタログは面白いですね!最後に今後のISシリーズについてお聞かせください。

吉村氏――ISシリーズをはじめる前のスマートフォンは、ギーク(非常に情報に詳しい人)よりで、いまでこそ一般的にも浸透してきていて、メジャーになってきてますが、当時はちょっと尖った人が持っているというイメージでしたが、auのスマートフォンはそうじゃなくて、老若男女に幅広い人に持ってもらいたいというコンセプトになっています。

こういう言い方はどうかと思っていますが、IS03からはauとして本気を出してスマートフォンに取り組んでおり、IS01やIS02の頃にやっていたシェアを引き継いで土台になって上があることを頭に置いています。

IS03も現在(取材時は1月末)はまだ在庫が枯渇している店舗もありますが、2月に入れば潤沢に揃えられますし、続いてIS04などが発売になります。スマートフォンを使って楽しくなるようにがんばりたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

林氏――プロモーションとしてもIS Paradeのような面白がって話題性を作るコンテンツから、クチコミカタログのような実際に商品を直感的に知ることができるような実用性の高いコンテンツまでさまざまな側面からチャレンジしたいと思っていますので、ご期待していただければと思っています。

エスマックス――本日はどうもありがとうございました。今後も楽しみにしております。

記事執筆:memn0ck


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