NTTドコモ、下り1Gbpsの次世代通信規格「LTE-Advanced」の実証実験を開始
次世代通信方式「LTE-Advanced」の実験用無線局 |
NTTドコモは7日、下り最大1Gbps、上り最大200Mbpsの高速通信に対応する次世代通信規格「LTE-Advanced」の実験用予備免許を取得していたことを明らかにした。同社によると先月の1/27に関東総合通信局より神奈川県横須賀市および相模原市において、第4世代移動通信方式LTE-Advancedの実験用無線局の予備免許を取得しており、免許の付与を受け次第、同地区での実証実験を開始する予定。
LTE-Advancedは、昨年12月にサービスインした「Xi(クロッシィ)」の通信規格「LTE(Long Term Evolution)」を高度化した通信規格で、国内では第4世代(4G)の移動通信方式となる。LTEとの互換性があるため、LTEからLTE-Advancedへの移行も円滑にできるとのこと。
LTE-Advancedの実証実験用システムは2010年に開発されており、有線接続による模擬環境下での室内信号伝送実験にて、下り約1Gbps、上り約200Mbpsの信号伝送に成功している。
なお、同社では、今回の免許付与後に実験装置で検証を行うLTE-Advancedの主要技術の特徴も明らかにしており、「周波数広帯域化(キャリア・アグリゲーション)」「上りリンクMIMO伝送」「下りリンクマルチユーザMIMO伝送」「下りリンクマルチセル協調(Coordinated Multi-Point(CoMP))送信」の4つを挙げている。
■周波数広帯域化(キャリア・アグリゲーション)
【周波数広帯域化の例(下りリンクの場合)】
各コンポーネント・キャリアにおいて、電波環境に応じた「適応変調・チャネル符号化」や「ハイブリッド自動再送要求」を行うことで、高効率で伝送速度の向上を図る。
■上りリンクMIMO伝送
電波環境が良好な場所では「MIMO多重伝送」により伝送速度の最大化や周波数の利用効率を向上および基地局から離れた移動局の伝送速度を向上させる。電波環境が不安定な場所では「閉ループ送信ダイバーシティ」による通信の信頼性の向上を行う。
■下りリンクマルチユーザMIMO伝送
■下りリンクマルチセル協調(Coordinated Multi-Point(CoMP))送信
同一の基地局が複数のセルを集中制御することで、セル間の電波干渉を抑制し伝送速度の向上が図れる。実験では2つのセル(RRE)を用いて伝送を行う。
いずれも現行のLTE技術を用いて、基地局側および移動局側での周波数効率の向上を行い、高速伝送や安定した伝送を保つための技術で、免許付与後にフィールド実験が行われる。
スマートフォン需要の拡大やクラウドサービスの多様化・大容量化に伴い、今後更に高トラフィック化していくなかで、モバイル通信の高速化は必須だ。フィールド実験後に商品化されるまでにはまだ時間を要するが、近い将来実現されるであろう4Gの通信に期待したいところだ。
記事執筆:2106bpm
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