【年末企画】2010年のスマートフォンを【バリ5!】な感じで振り返ってみる〜iPhone漬け(ライター・あるかでぃあ編)


今年もiPhone漬けの1年でした♪

皆さんコンニチハ。ニート生活を満喫しているダメライターのあるかでぃあデス。
( ´∀`)ノシ

こちらのS-MAXではそこそこ真面目に記事を書かせて頂いておりますが、そもそもはこんな感じでゆる〜くまったりとした口調で毒舌を吐いていたりしております。まあ、それは個人ブログの「【バリ5!】」に置いておくとして。

さて、今回は年末企画という事らしく、編集長から『何か書いてよあるかでぃあさん!』と懇願されてしまったので(一部誇張アリ)、ニット帽が似合う編集長の頼みとあっては断れないなぁ♪と筆を取ってみました。個人ブログの【バリ5!】的な尖った意見も多少交えつつ、今年1年のスマートフォン市場とその端末群を振り返ってみたいと思います。

今更ながらではありますが、オレは自他共に認めるiPhone信者です(でもApple信者ではありません)。初めてスマートフォンに触れたのはWILLCOMのAdvanced W-ZERO3からでしたが、当時のWindows Mobileマシンの使い勝手の悪さ、そして不安定さとコンテンツのショボさにかなり苦労させられ、自分のブログにマシンをカスタマイズする為のHow Toを書くほどに頑張って使っていた気がします。

そんな中で、iPhone 3Gを触りまして。もう世界が一変するとはこの事でしたね。そもそもスマートフォンにカスタマイズ性や自分だけのオリジナリティなどという面倒な事を求めていなかったオレとしては、「購入したそのままの状態が最も使い易い」という姿に衝撃を受けまして。

以来、iPhone 3GS、iPhone 4と、新しい世代が出る度に買い換え続けております。



今年1年を振り返ってみると、スマートフォン市場全体で見れば前半はiPhone、後半はAndroid端末というブームがあったように思えますが、結果として、Android端末はまだまだiPhoneには程遠いユーザビリティだなぁと痛感して終わった気がします。

アプリケーションデザインやUIにこだわる人間からすると、iPhoneのUIやアクセシビリティは、webOSに並ぶ素晴らしい出来であると感じています。タッチパネルの反応の良さや精度の高さ、画面遷移の素早さ、各種エフェクトの分かり易さと美しさ。どれもが使う人に「ああ、次はこうなるのか」と分からせる直感性があります。

その点において、Android端末はあまりにも酷い出来のものが多く。アプリケーションレベルでは十分に使い易いUIを実現出来ているのに、いざホーム画面に戻ってみると動きはガクガク、画面を触っても反応が鈍い、左右フリックすら人の動きに追従し切れないなど、快適どころかストレスの溜まる端末ばかり。

機能面ではFlash 10.1の実装やワンセグ、おサイフケータイの搭載、更には防水機構などなど、いわゆるフィーチャーフォンに近いレベルへと達しつつありますが、肝心のソフトウェアがあの出来では、触る気になれないというのが実際のところでした。



以前、日本Androidの会の講演を取材した際に、非常に印象的な言葉を聞き、今では自分でも良く使っている言葉があります。それは「携帯電話は属人機になり得るか」というものです。

属人機とは、常に人の傍にあり、人が毎日使う必要不可欠な機械の事です。その講演によれば、これまでの人類史で属人機となり得た機械はたった1つだと言っていました。それは時計(腕時計、懐中時計など)です。人は時計を肌身離さず持つようになり、そこから時間に縛られる生活へと変化していった訳です。つまり、属人機には人の生活習慣を一変させるような大きなインパクトが必要だという事です。そしてまた、人にそれを使っている事を意識させないだけのユーザビリティが必要だという事です。

その点に立ち返り、今のケータイやスマートフォンを見た場合、それらは果たして属人機になっているでしょうか。個人的には、あと一歩のところまで来ているのではないかと思っています。ただしそれは、フィーチャーフォンやiPhoneに限った話であり、Android端末やWindows Mobile端末ではありません。
時計は人間に時間を与えた。ケータイは人間に何を与えるのか。
時計は人間に時間を与えた。ケータイは人間に何を与えるのか。


ケータイやスマートフォンにとって最も重要なのは、ハードウェアではなくソフトウェアであるとオレは常に断言しています。日本は常に技術によって発展してきた国ですが、それはハードウェアの世界での話。ソフトウェアに関しては、世界から2歩も3歩も遅れていると言わざるを得ません。

その結果がフィーチャーフォンの旧態依然としたUIであり、あの複雑怪奇な超多階層型とも言うべきシーケンシャルなソフトウェア構造に繋がっています。ですが、それでもフィーチャーフォンが人々にとって使い易く、そしてここまで普及したのは、単純に慣れの問題と、そしてiモードに代表される垂直統合型のエコシステムのおかげなのです。

iPhoneはその設計の際、iモードの垂直統合型エコシステムを非常によく研究したと言われています。アプリケーションの提供方法を一括管理出来るようにし、尚且つiモードでは実現し得なかった個人によるアプリケーション製作と公開を実現した事は、非常に大きな変革だったでしょう。



その視点で見た場合、Android端末やWindows Mobile端末は、あまりにもソフトウェアの管理・統制が取られていない為に、ユーザーは不便を強いられる事が多いように感じます。またAndroid端末にはAndroidマーケットというエコシステムが存在しますが、非常に管理が緩い事が災いし、アプリケーションも粗製乱造の状況に陥りつつあるのが、個人的に危惧している部分です。

またUIの部分に振り戻ってみると、そもそもAndroid OSを使った端末である事を謳っておきながら、各社でホーム画面が全く違っているとか、操作キー部分の配置がバラバラである事にも違和感を覚えます。各社で使い勝手が違い、それぞれに共通性が希薄であるなら、敢えてAndroid端末というカテゴリーで分ける必要は無いのではないかと。フィーチャーフォンをITRON端末とか、Symbian端末と呼ばないように。

そして何よりもiPhoneが結果的にAndroid端末よりも便利であると感じてしまうのは、そのアプリケーションの豊富さです。こればかりは先行した者の特権とも言えますが、事実上日本語のアプリケーションだけでも10万近い数が登録されているApp Storeと、現在でも日本語のアプリケーションが6000〜7000に留まっているAndroidマーケットでは、その差は歴然としています。
Android端末には魅力的なキラーアプリが無い。それが問題でもある。
Android端末には魅力的なキラーアプリが無い。それが問題でもある。


恐らく、これらの差もあと数年で実用範囲において不満の無いレベルへと昇華され、使い勝手も良くなっていくのだと思いますが、現状でのAndroid端末は単なるブームでしかないと感じています。それはかつてのiPhone 3Gの際にも感じた事です。

iPhone 3Gの頃はマシンパワーも必要最低限であり、マシンパワーの弱さをOSの作り込みの上手さでカバーしている感がありました。しかし現在のiPhone 4では、マシンパワーにも十分な余裕があり、その上で非力なマシンでも動作するように作られたOSのおかげで、実に快適且つスムーズな動作を可能にしています。それはPCの世界での、新OSの登場時と数年後の世界に似たところがあります。

現在のスマートフォン市場を見た場合、その「研究し尽くされ成熟したiOS」と、「これから発展すべきAndroid OS」という、2つの世界が同居しているように感じた1年でした。特にAndroid OSはバージョンが変わる度に使い勝手や快適さが大きく変化し、そのバージョンアップをするかしないかという話だけでも大騒動になるような時期です。エコシステムの不完全さやOSとしての発展性を考えると、まだまだ黎明期と呼ぶべきでしょう。



それらを踏まえた上で、日本国内のメーカーの力量不足を痛感した年でもありました。HTCやサムソンといった海外メーカー製のAndroid端末は非常に快適な動作を実現し始めていますが、国内メーカー製のAndroid端末は押しなべて快適とは言い難い操作性。ここでもソフトウェアに弱い日本というのが裏付けられてしまった感が強く、非常に残念な思いをしました。海外メーカー製のAndroid端末の出来が良い点については、他のS-MAXライター陣も認めるところでしょう。

来年以降は、Androidのみならず、Windows Phone 7やwebOSといった新たなOSを搭載したスマートフォンも台頭して来ます。恐らく日本でもそれらの端末は発売されるでしょう。そうなった時、果たして日本のメーカーはAndroid端末を作り続ける事が出来るでしょうか。そしてそれは国内だけでなく、海外にも通用するものになるでしょうか。せっかくAndroid OSを使っても、やっている事が結局日本向けのローカライズに徹した製品の製造だけでは、これまでのフィーチャーフォンのOSをAndroidに置き換えただけになってしまいます。

iPhoneは、その登場時こそお祭り騒ぎのブームとして始まりましたが、世代と年数を経て、スマートフォンの代表格へと成長しました。フリック操作やマルチタッチ、日本語入力UIなどなど、ありとあらゆるものがAndroid端末でも真似されている事自体が、そもそもiOSが優秀である事の裏付けでもあります。そしてそれは、スマートフォンの未来を想う中で「つまらないなぁ」と感じる部分でもあります。



今年のスマートフォンやスレート(タブレット)端末ブームを振り返っても、結局はAppleの真似事をしていたに過ぎません。新たな市場を開拓しようという意欲的な製品は1つも無かったと感じています。それこそ、PCの世界でのEee PCのような存在は無かったのです。

今後「Android端末」というカテゴリー分けが正しくなくなる時期が来るかもしれませんが、今年1年を振り返ってみれば、皆がスマートフォンという言葉に振り回され、その本質を見ずに扱ってきたように思えます。例えるなら、腕時計であるというだけでこぞって購入し、その価値やオリジナリティ、そして使い勝手などを全く考えていなかったかのように。



かつてPCには「今年の無駄な買い物ランキング」の1位を独占するような時代がありました。それはWindows 98がブームとなり、PCの使い方もよく知らずに購入した人々が付けたランキングです。PCを購入してみたものの、使い方が分からぬままに粗大ゴミ状態となり、結局「よく分からない不便なもの」として分類されたのです。

現状のAndroid端末を見ていると、その再来を予見させます。それはオレ個人としては非常に望んでいない世界ですし、前例としてWindows Mobile端末があるだけに、また同じ事を繰り返してしまうのではないかという怖さもあります。

そうならない事を願いつつ、来年のスマートフォン市場には期待を持って注目していきたいと思います。iOS、Android、BlackBerry、Symbian、webOS、そしてWindows Phone 7。スマートフォン市場はこれからが本当の激戦です。スマートフォンのみならず、タブレットやスレート端末、そして新たな形態の端末の登場もあるかもしれません。

どのような端末が出て来たとしても、オレは「触って気持ちの良い端末」である事を何よりも期待します。そしてまた本当の意味での「属人機」となる為にも、誰もが使い易く分かり易い端末である事を願っています。

記事執筆:あるかでぃあ


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