国際自動車通信技術展:トヨタスマートセンターとスマートフォンを使った試み【レポート】


人と車と家をつなぐ試み

2010年12月1日(水)〜2010年12月3日(金)まで幕張メッセで行われていた、国際自動車通信技術展のトヨタブースではスマートフォンを使った面白い試みが行われていた。

スマートフォンと車載のモニターを繋いで情報の確認が出来るというオンデマンド車載ディスプレイと言うものだ。
このオンデマンド車載ディスプレイ自体は、単純なものだが中々奥の深いものとなっている。

国際自動車通信技術展において、トヨタ自動車は、TSC(トヨタスマートセンター)と呼ばれるスマートグリッド技術の展示を行っていた。

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TSCの背景と内容をザックリと説明すると、低炭素化に向けて、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車を使ったとしても、電力供給元の火力発電所が化石燃料を使っている以上根本は変わらない。

そこで、地域全体の各家庭が太陽光発電や家庭内蓄電をし、スマートハウスと呼ばれるHEMS(Home Energy Management System)を装備した各家庭からの情報をTSCが集め、無駄のない電力の共有・需給をコントロールするというものだ。
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実際に青森県の六ヶ所村で「六ヶ所村スマートグリッド実証実験」が行われている。
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「六ヶ所村スマートグリッド実証実験」の様子

TSCの情報は各家庭のHEMSのモニターで見ることが出来る。スマートフォンもこの情報を得ることが出来る。これにより、太陽光発電やエコキュートの使用状況や、家庭内の家電製品の使用状況の確認の他に、遠隔操作も出来るという。
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HEMSのモニターは、SMASUNGのGalaxy Tabが使用されていた。

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そして、このTSC関連で展示されていたのがオンデマンド車載ディスプレイだ。
スマートフォンと、車載のタッチパネルディスプレイを繋ぎカーナビなどに利用できるというものだが、車に乗る・降りると言うきっかけをうまく使った利用方法を提案していた。

例えば、通勤時に車に乗りイグニッションスイッチを押すと、スマートフォンとオンデマンド車載ディスプレイが繋がり、スマートフォンの情報がオンデマンド車載ディスプレイに映し出される。この時、まずはHEMSとの確認画面が表示されエアコンの切り忘れや、施錠忘れなどが確認出来ると言う。
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オンデマンド車載ディスプレイと接続された時に表示される

運転中はカーナビとしてスマートフォンを利用し、車を降りる際には、車の位置をスマートフォンが自動的に記録することにより、初めての場所でも駐車場の場所を簡単にスマートフォンのウォーキングナビで確認出来る仕組みだ。
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降車時に、電池残量に応じて電気自動車の充電を促す画面がスマートフォンに表示される

10バッテリー充電状況はスマートフォンで確認出来る。

勿論、電気自動車の電池残量の確認も確認出来、実際に走行できる範囲も地図に表示出来る。この範囲内のどこかで充電すればいいという目安となる。
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走行可能範囲の参考イメージ図。

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走行可能範囲とナビ機能が連動

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自動車搭載のECUのデータもTSC経由で確認出来、エコドライブのアドバイスをスマートフォンで受けることも出来る。

ちなみに、オンデマンド車載ディスプレイ自体は仕組みが単純なため、安価で提供できる可能性があるという。

その他、android用smart G-BOOKアプリの展示も行われていた。
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smart G-BOOKアプリは、G-BOOKのオペレーターサービスとヘルプネットをトヨタ車以外でも利用可能とするものだ。
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青ボタンをタップするだけでオペレーターサービスを受けられる

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オペレーターからの受信データ一覧

オペレーターに目的地を告げると、smart G-BOOKへ検索結果を投げてくれるという仕組みとなっている。受信データからナビの目的地設定をする。オペレーターとの通話料は別途必要となる。
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ヘルプネットは、衝突事故などの衝撃に端末の加速度センサーが反応し、とっさの時でも間違わすに救急車を呼べるように緊急用のボタンが画面に表示される。

2010年12月1日〜2011年3月31日までにトヨタ車(新車)の購入者もしくは、同じ期間内にau androidスマートフォン購入者限り、smart G-BOOKを180日間無料で使用できるキャンペーンが行われている。

なお、iPhone用のsmart G-BOOK(オペレーターサービス付)は、執筆時2010年12月18日時点ではまだ始まっていない。


記事執筆:mi2_303


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