auの禁断アプリなんて目じゃない 新生ウィルコムの発逆転の秘策とは
宮内氏は、「だれとでも定額」の投入と、取り扱い店舗を現在の2754店舗から4000店舗に増やすことで、「3カ月以内に純増を目指します」と宣言した。「だれとでも定額」の計画は、ソフトバンクの支援前からスタートしていた。4月から沖縄で実証実験を先行し、北海道、広島、仙台と場所を変えて実験を積み重ねていった。このときに、設定金額、利用時間制限、利用回数制限の検証を行ない、全国展開するときの制限を決めたとのことだ。
さらに、ウィルコムにはソフトバンクモバイルが4年間で培ってきたノウハウを投入していく。特に重要視していることは「ネットワークの拡充、魅力的な端末を投入、料金プランの改善、営業を強化する」とし、「常にテストマーケティングを行なって、成功したら脱兎の如く展開していく」とした。その一端を担うのが、今回の「だれとでも定額」で、安心して安く使えることと、収益を確保することの両立を目指しているのだ。
実際に沖縄では、実証実験開始とほぼ同時に、それまで純減傾向だったところが純増に転じている。このことが全国展開への試金石になったのだ。
通話料が無料にできたのは、ネットワークを改善したことが要因のひとつ。どのくらいコストが下げられたのかはハッキリとはさせなかったが、将来的には約半分程度までになることを示唆していた。特に、重要なエリアについてはソフトバンクモバイルの基地局を流用し、ウィルコムとのデュアルアンテナを投入する。さらに、IP化したウィルコムのバックボーンを、ソフトバンクモバイルに統合していく。
さらに、ユーザーが多いエリアではマイクロセルを、純減によりユーザーが少なくなったエリアではマクロセル化をすすめ、基地局とネットワークの効率を高めていくのだ。
他キャリアの追随については、「全部のキャリアがただにすることはないと思う」としながらも、auがSkypeを導入したことにもふれ、「音声ARPUは下がっていく」との見解を示した。
また、「だれとでも定額」はW-SIMは対象外だが、技術的な問題があるためで、検討は進めるとした。
また、データ通信については近々何か発表を行なうとし、今回は明らかにされなかった。XGP事業はウィルコムとは分離して展開されるが、ソフトバンクにとっても高速データ通信には力を入れているため、ウィルコム以上に重要な事業となるはず。今後の発表に期待したい。
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