iPadをライブで使う?!Groove Box系アプリ「ELECTRIFY」【iPadアプリ】


ELECTRIFYでリアルタイムREMIX

ライブパフォーマンスと楽曲制作の為に作られたオールインワン楽器のGroove Box。
つまみを回して音に変化を付けたり、パターンを次々に切り替えてその場のノリで曲を変幻自在に操れる専用ハードです。

今回はiPadを、そんなGroove BoxにしてしまうアプリELECTRIFYを紹介します。

ELECTRIFYとは?

ELECTRIFYは、サンプルベースの8トラックシーケンサーから成る、リアルタイムプレイに特化したアプリです。
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有名パソコン用ソフトの様なマトリクスビューでは、横に8トラック分のパターンと縦に8つのパターンが並んでいます。パターン横の緑の再生ボタンをタップすると、次のパターンの頭(パターンか小節単位のどちらかに設定出来ます)で切り替わります。
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基本的に横一列でパターンをループ再生しますが、直接別のパターンをタップしてパターンを差し替えることも出来ます。

その他に2系統のライブプレイに特化したエフェクターが用意されています。
用意されているエフェクターには、ディレイやリバーブの空間系とローパス、ハイパスなどのフィルター系の他にフランジャー、フェイザー、ディストーションなど。
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エフェクターはトラック全体もしくは、トラック毎にBUS1、BUS2のセンドから送ることが出来る他、FX1からFX2へ直列につなぐ事も可能です。
コントロールは、縦方向と横方向にパラメーターが割り振られたXYパッド風のインターフェイスとなっていてかなり遊べます!


トラック設定

マトリクスビューで、アクセスしたいトラックのパターンをタップしてトラックの設定・編集を行います。
1つのトラックにはサンプルは1つしか設定出来ません。

トラックのサンプルは、iTunes経由でオーディオファイル(WAV・AIFF)を取り込む事も出来ますが、オーディオのクリップボードペースト機能を利用すればiTunesを経由せずに、他のアプリからのオーディオファイルから簡単にELECTRIFYへ取り込めます。
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前回紹介したXENONもクリップボードへのエクスポート機能がありますので、パターンをエクスポートしてELECTRIFYに取り込むことが出来ます。

取り込んだサンプルは、トランケートやノーマライズ、タイムストレッチをする事が可能です。
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トランケートは、サンプルのスタートポイントとエンドポイントを指定して、余計な部分をカットします。ループ素材などは、気持ちよくループ(カッチリばかりではなく、少しもたつく違和感もアリです)するようにトランケートを設定します。
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サンプルの音量が小さい場合はノーマライズを掛けます。他のアプリからの連携や自分で録音したサンプルなど、音量が小さい事がありますので、「とりあえずノーマライズ」的な感覚で使いましょう。最終的な各トラック間の音の調整は、トラック設定のボリュームで設定します。
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タイムストレッチは、ループ素材のテンポ(BPM)を合わせる為に使います。
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こうして取り込んだサンプルをシーケンサーでトリガーします。画面上部の赤い録音ボタンを押して、ステップシーケンサーにパターンを打ち込んでいきます。パターンは1小節が16ステップ(16分音符)となっており、最大8小節の長さまで打ち込めます。
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ドラム系ならワンショット物をステップシーケンサーで細かく、シーケンスフレーズやパッド系、歌物などは発生のタイミングを打ち込みます。

さらにサンプルは、トリガーのタイミングに合わせてボリューム、ピッチ、パン、フィルターのパラメーターを細かく設定出来ます。
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1〜16ステップのボタンの上の水色のバーで、細かく調整出来ます。

プレイREMIX

こうしてパターンを作ったパターンは、再生ボタンでループ再生されます。
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画面中ほどの1〜8の数字が描かれた水色のボタンがトラックのオンオフボタンとなっており、リアルタイムにトラックの抜き差しが出来ます。このボタンはそれぞれのモードへ画面が切り替わっても常に表示されていますので、常にコントロールすることが可能です。また、このボタンはMUTEの他にSOLOに切り替えることも出来ます。

トラックの抜き差し、パターンの変更、エフェクターの設定がある程度形になったら、実際に長時間のプレイをしてみましょう。
まずは、曲の頭はどの音から入るかをトラックミュートを使って設定します。たとえば、ベースから始めるのであればベース以外をミュートしておきます。

パターンを再生し、タイミングにあわせてトラックの抜き差しつつ、パターン切り替えて曲を展開させていきます。
さらに、エフェクトを駆使して曲の盛り上げをつくりましょう。
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録音ボタンの左にあるCUEボタンは、タップしたタイミングでパターンを頭から再生出来ますので、ループを細かく刻むことが出来ます。

ELECTRIFYにはプレイデータは保存されませんので、別途録音機材が必要となります。


iPadとELECTRIFY

ELECTRIFYは音ネタや打ち込みは外部に任せて、サンプリングフレーズを鳴らす事だけに特化しています。操作はシンプル、あとはとにかくプレイに集中するだけです
また、音ネタはiPadで作れる点も強みです。例えば、XENON等、オーディオのエクスポートが対応しているアプリをシンセサイザーのレイヤー機能に見立てて、複数のトラックを重ねた分厚いパターンをクリップボードへ出力し、ELECTRIFYでまとめると言うリッチな使い方も出来ます。
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また、ELECTRIFYもオーディオのクリップボードへオーディオのエクスポートが出来るので、複数トラックを1つにまとめることも出来ます。
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ELECTRIFYのオフィシャルサイトでは、機能追加や改善要望、不具合報告などを受け付けており、次期バージョンにどの機能を組み込むかをサイトでアナウンスしています。
サイトの方も要チェックです。

将来的にAKAIのAbleton LiveコントローラーAPC-40で、ELECTRIFYをコントロール出来る様にとの事なので、こちらも期待しましょう。YouTubeの動画を観ると、APC-40のボタンはパターンチェンジだけではなく、直接パターンシーケンサーとしても使える様です。

「ノートパソコンは、画面が大きく編集が簡単だけど、MIDIコントローラーが無いとライブパフォーマンス向きではない。
Groove Boxはライブパフォーマンス向きだけど、簡易表示の為編集作業に向いていない・・・。」
ELECTRIFYなら、これらの問題解決!
iPadなら搬入する荷物も減るし、電源要らず、即起動!まさに、いいとこどり!!

記事執筆:mi2_303



アプリ名:ELECTRIFY
価格:¥1,700
カテゴリ:ミュージック
開発者:Ingolf Koch
バージョン:2.0.0
App Store:http://itunes.apple.com/jp/app/electrify/id368419081?mt=8

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