コメントが世界を広げる!ブログのコメントを変えるイケメン【注目クリエイター列伝】
話題のクリエイターを紹介する「注目クリエイター列伝」。第 9回は、 5月29日の WordCampWordCamp Yokohama 2010(http://yokohama2010.wordcamp.jp/)の講演で来日したコメントシステムの会社「IntenseDebate」の共同創始者であり、チーフデザイナーでもある Isaac Keyet(イーサック・ケーイェット)氏だ。
WordPress (ワードプレス )は、オープンソースのブログ/ CMSプラットフォーム。セマンティック Web、コードやデザインの美しさ、 Web標準、ユーザビリティなどを意識して開発されており、無料でダウンロードして使うことができる。
「IntenseDebate」は、 WordPressをはじめとするブログ/ CMSツールのコメント機能をより便利にするサービスとして、今、注目を集めている。
■創設1年未満で認められた「IntenseDebate」
イーサック氏は、 2007年にスタートアッププログラム TechStarsに参加するためスウェーデンを離れてコロラドへ滞在し、もう一人の創始者ジョン・フォックスに出会った。こうして二人は、「IntenseDebate」を開発して会社を設立した。それから、 1年もたたない内に「WordPress」をもとに、 WordPress.comというレンタルブログサービスを運営しているAutomattic社に買収された。しかし、それは彼らが、一番望んでいた結果であったという。彼らは、いずれは WordPressと仕事をしようと思っていたが、それはもっと自分たちの会社が大きくなった後と考えていた。しかし、 ITの世界は、優秀な彼らを放ってはおかなかった。エンジニアとの情報共有から「 IntenseDebate」は、 Automatic社の知られるところとなり、買収の話が舞い込んだという。
「 IntenseDebate」のブランドを残し、開発環境も維持されるという好条件だったことから、彼らはこの買収を受け入れた。
■自由で豊かな環境を活かして
仕事環境は、基本的には以前と同じだが、以前より良いことも多いとイーサック氏はいう。
開発方式は以前の 3か月に 1回メジャーリリースを行うスタイルから、小さなリリースを多く行う Automatticスタイルに変更された。必要なときに Automattic社内のエンジニアを派遣し協力してくれたり、強力なサーバを利用できるなど、開発環境は充実した。また、今回のように、希望すれば WordCampにも参加できるので、いろいろな経験と知識を得ることができるという。現在の「 IntenseDebate」に携わるチームは、 3〜4人だそうで、これぐらいの人数のほうが、スピードのある開発ができるのだそうだ。
■「IntenseDebate」でコメントがもっと楽しくなる
イーサック氏は、「 IntenseDebate」サービスの UIからサイトまで、全般に至るデザインを担当している。「IntenseDebate」は、 WordPressなどのコメント機能を多彩で使いやすくするサービスだ。簡単にインストールができるだけでなく、複数ブログのコメントを一括管理できたり、 SNSのアカウントでコメントができたりするようになる。また、もし「 IntenseDebate」のサーバがエラーになったとしても WordPressネイティブのコメント機能が使え、後からサービスと同期できるなど、大事なコメントを逃さず安全に保管するという意味でも優れている。
「IntenseDebate」はコメントの可能性を広げると語るイーサック氏 |
最近では、絵文字やスペルチェッカー、 TwitterやFacebookコメントにリツイート、投票システムなどの機能もプラグインとして増えているそうだ。これらは、コミュニティから生まれてきたものも多く、精査しながら搭載していっているという。
「コメントは大事なコンテンツ。コメントから本文に広がる手助けをしたい。」とイーサック氏は語る。
イーサック氏は、「 IntenseDebate」サービスによって、今よりコメントがコミュニケーションのツールとなっていって欲しいそうだ。また、コメントが多くなることで、ブログも今よりも、もっとリッチになるという。「ワードプレスにはない機能を増やして、ユーザーに楽しんで欲しい。」と、夢を語ってくれた。
■日本人にもっと使いやすい「 IntenseDebate」を
WordCampで講演 |
今回の来日目的の一つが、 5月29日(土)に開催された WordCamp Yokohamaでの講演だ。 WordCampは、その国や地域のコミュニティが開催する WordPressイベントだ。そこに Automattic社から、ゲストが来てくれるという、なんとも素敵な関係で運営されている。
WordCamp初体験、そして日本初体験のイーサック氏は、どのような感想をもったのだろうか。「講演の目的は、『 IntenseDebate』サービスの紹介です。日本のユーザーの反応もよく、興味を持ってもらえたのがよかった。」と、好感触を得たようだ。
今回の参加を通して感じたのが、日本語化だという。基本のプラグイン部分は完全に日本語化されているが、も
っと利用してもらうには、細かいところの日本語化が必要だと感じたそうだ。
■イーサック氏にとっての日本は?
今回の来日は、なんと 11日間だという。 WordCampのためだけに 11日間はさすがに多過ぎる。日本に来てしたことや日本の印象、滞在期間の謎も聞いてみた。
日本で印象に残った場所は、カラオケだという。また、夜中も開いているお店にも驚いたそうだ。「映画やテレビで何度も目にしたことがある渋谷の交差点に自分が立っているなんて不思議な感じだった」と、待ち焦がれていた来日が叶ったことを喜んでいた。
食事は、日本食やアジア系が好きなのだそうだ。海外にはない、ライスがのったステーキハウスなど、日本独特の食事にも驚いたという。ちなみに好きな日本食は寿司だという。この取材の後、イーサック氏は、沖縄料理を初めて食べて、気に入ったようだった。
■11日間も滞在する秘密は、うふ
ところで、 11日間も日本に滞在するイーサック氏の秘密だが、イーサック氏は、まだ 23歳。実は、恋人が日本に留学中なのだという。そこで、 WordCamp参加も目的だが、恋人に会うことも大事な目的だったのだ。
さらに、驚くことにイーサック氏も、近々日本に移り住むのだそうだ。
今後、「 IntenseDebate」は、もっと日本のユーザーに使いやすいツールになっていくそうである。
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