ユナイテッドアローズに聞く「デキルオトコの新作スーツの着こなし方」【新生活特集】
シリーズ3回目は、ユナイテッドアローズ 原宿本店 メンズ館の永井康夫さん(4月1日からは、東京・丸の内のザ ソブリンハウスに異動)に、話を伺いました。ファストファッション盛隆の中、セレクトショップの雄「ユナイテッドアローズ」は、何を打ち出していくのか。オススメのスーツの紹介とともに、熱く語っていただきました。
定番化しつつあるライラックとトリコロール
――2010年のファッション界のトレンドは?
永井康夫さん:ドレス、カジュアルともに非常に多様化していますが、どちらもソフト感や軽さ、楽しさっていうのがテーマになってくると思います。その一方で、もう一度ベーシックに戻る。僕らはよくオーセンティック(authentic:「真正の」「本物の」)っていう言葉を使いますが、ファストファッションでは物足りなくて、本当にいいもの、昔からの背景をしっかり持っていて時代感があるものを、時代にあわせてコーディネートしていく楽しさにお客様の心は向くと信じています。――流行色を挙げるとするなら?
永井さん:流行色って言うと、色んなパターンがありますが、僕らが考えるのは、ライラック。これは、もう定番化しつつありますね。コーディネーションならば、トリコロールの赤、白、紺が少し気分なのかな、と思います。ネクタイに少し赤が差しているものや、白地に赤とブルーのカットソーなどは、今年のユナイテッドアローズのオススメです。ソフト感とトラッド感の二軸
――オススメするスーツの特徴は?
永井さん:ニ軸ありまして、こちらが、先ほどお話したテーマである、ソフト感や軽さを追求したスーツです。ただ、軽くて柔らかいからといって、ダラッとして見える訳ではなく、優れた保形性がある上で、今の若い方のキーになっている、細身のシルエットを上手く取り入れながら、時代にあった良さを追求するのがユナイテッドアローズのクロージングですね。
――素材などに特徴は?
永井さん:ウール素材で、とても軽く仕上げていますが、生地の張りで立体的に見せているというのが特徴になります。柄ではなく織りで豊かな質感を出しています。また、モヘアは通気性がいいですし、梅雨時期なんかでも、素材の張りがあり保形性に優れるので、おオススメしています。――へー。それは一年中着られるものなんですか?
永井さん:やはり、スーツなので日本の四季だと難しいですね。4シーズンサージと呼ばれるタイプのスーツもあるのですが、寒暖や湿度の差を考えると年間の着用は難しいので、春夏秋、秋冬春の3シーズンという考え方で販売しています。特徴としては、春夏用は、背裏(背中部分の裏地)がないんです。秋冬用には必ず背裏が入ります。――今、着用いただいてるのも、今季のオススメということですが、特徴は?
永井さん:こちらは、大人向けのスーツレーベルで、昔ながらの優れた縫製と素材を用いた一番ベーシックなタイプです。しかし、程よく細身でシャープなシルエットに仕上げており、無駄のないしっかり計算された形です。今の時代の着丈の短さを追求しつつ、先ほどのキーのトラッド感を残しています。カラーに嫌味の無い主張を
――スーツの着こなしで、デキルオトコを見分けるポイントを挙げるとしたら?
永井さん:コーディネーションに、例えば、ジャケットやカラーに嫌味の無い主張があること。もちろん、ファッションとしてスーツを着ている人は別なのですが、ご自身のビジネスオケージョンにあわせて、嫌味じゃないコーディネーションをしながら、自分の似合う色を楽しんでいる人は、素敵だなと思いますね。【後編へ続く】次回は、さらに具体的に、ワンランク上の着こなしをするためのコーディネート術について話を聞きました。プロは、どのようにしてコーディネートを学んでいるのか。その方法を伝授してもらいます。
・新生活特集 2010 SPRING - livedoor HOMME
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