世界最高水準!東証、次世代株式売買システムを稼働


株式会社東京証券取引所は2010年1月4日、富士通株式会社の協力のもと、次世代株式売買システム「arrowhead(アローヘッド)」を同日より稼働させたと発表した。

■市場競争力を強化
「arrowhead」は、注文応答時間や情報配信スピードの高速化を実現し、注文、約定、注文板などの取引情報を異なるサーバ上で三重化して処理するなど、高速性と信頼性を兼ね備えた世界最高水準の取引所システム。

ここ数年の金融テクノロジーの高度化等を背景に、個人投資家のオンライン取引の普及や証券会社・機関投資家によるアルゴリズム取引等の新たな取引が拡がりをみせている。こうした市場環境や取引形態の変化の中で、注文レスポンスや市場情報の配信の高速化のニーズが高まっていた。

これらのニーズに対応し、東京市場の国際的な市場競争力を強化するため、富士通の全面的な協力を得て、東京証券取引所は、証券会社や情報ベンダー、一般投資家や機関投資家の皆様のご意見を参考にさせて頂き、海外市場の動向も睨みながら、「高速性」、「信頼性」、「拡張性」、「透明性」をコンセプトとする次世代の株式売買システム「arrowhead」の開発に取り組んできた。そして、2010年1月4日、「arrowhead」を無事に稼働させることができた。

■次世代株式売買システム「arrowhead」
1.高速性 〜 ミリ秒レベルでのマーケット・アクセスが可能に
「arrowhead」では、5ミリ秒(1ミリ秒は1秒の1000分の1)の注文応答時間、3ミリ秒の情報配信スピードを実現する。売買・市場情報の両面でミリ秒レベルのスピードを実現することで、素早くマーケット動向をキャッチして取引を行うことが可能となり、流動性の向上とともに、新たな取引スタイルやビジネスモデルを生み出すものと考えられている。

2.信頼性 〜 最新技術を駆使し東京市場の高信頼性を確保
「arrowhead」では注文・約定・注文板などの取引情報を三重化したサーバ上で処理する。これにより、世界最高水準の高速性のみならず、高い信頼性によって、グローバルな市場利用者が取引を行う東京市場を磐石に支える。

さらに、セカンダリサイト(バックアップセンタ)の構築により、広域災害等においても24時間以内の復旧を可能とし、社会インフラとしての機能を充実させた。

3.拡張性 〜 十分なキャパシティで安定した取引サービスを提供
「arrowhead」では十分なキャパシティを確保し、安定した取引サービスを提供できるよう、常にピーク値の2倍のキャパシティを確保することとし、必要に応じて1週間程度で拡張を実現する。

なお、稼働時点では、既に過去のピーク値の約4倍のキャパシティを確保しスタートしている。

4.透明性 〜 市場情報の大幅拡充によるマーケットの透明性向上
「arrowhead」では、FLEX Standardで複数気配情報を上下5本から8本に拡大することに加え、新サービスFLEX Fullでは全銘柄のすべての注文情報をリアルタイムで配信する。これにより、 一般投資家を含めてすべての市場利用者の方々はリアルタイムで全ての注文・気配情報等を入手し、取引を行うことが可能になる。

また、arrowheadの稼働に合わせて、呼値の刻みや制限値幅及び特別気配の更新値幅等の一部見直し、板寄せ時等の合致要件の一部見直し、連続約定気配制度の導入なども実施し、売買制度面でも円滑な取引の促進や流動性向上を図っていく。

5.先進性 〜 「arrowhead」を支える先進技術への取り組み
「arrowhead」では、世界最高水準の取引所システムに要求されるミリ秒レベルでのマーケット・アクセスなど、大規模なサーバシステム上で高性能・高信頼なミッションクリティカルシステムを実現する必要があった。

富士通は、基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」と「Linux」をベースとし、新たな先進技術や機能強化を組み入れたミドルウェアなど、富士通の総合力を結集し、対応している。

東京証券取引所は、
「本システムの稼働により、幅広い市場利用者の方々の利便性向上を実現するとともに、新たな取引スタイルやビジネスモデルを生み出すことで、東京市場の活性化につなげたいと考えております。」と、コメントしている。

世界最高水準!次世代株式売買システム「arrowhead」を稼働
株式会社東京証券取引所

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