日本発売の期待もある?BlackBerry Bold 9700が発売【世界のモバイル】


 ビジネスユーザーに人気のBlackBerryに待望の新機種が登場した。3G/HSDPAに対応したBold 9700だ。BlackBerryの3G対応機種は実は少なく、QWERTYキーボードを備えた端末としては8707、Bold 9000、Tourに続き4機種目である。
Bold 9700の対応通信方式はGSM 4バンド+W-CDMA 850/1900/2100MHz。同じ方式に対応したBold 9000の後継機といえそうである。Bold 9000と比較すると本体サイズは109x60x14mm、122gと一回り小さくなっている。外見は若干カジュアル感が増したが、これは同社のカジュアル路線端末「Curve 8520」と類似のボディーデザインだからだろう。ディスプレイやキーボードサイズもCurve 8520とBold 9700は共通する部分が多い。だがBold 9700は背面を革調仕上げにしているなど、ビジネスユーザーにもアピールする製品となっている。

機能面ではディスプレイサイズがBold 9000の2.6インチに対し2.46インチと若干小型化されたものの、解像度は480x360ピクセルと高くなっている。またポインティングデバイスがここ数年採用されていたトラックボールからトラックパッドに変更された。埃などの進入による動作不良が起きず、指先で細かい操作ができるなど操作性が高まっている。またカメラは3.15メガ、オートフォーカスとマクロに対応するなどコンシューマーユースも考えたものになっている。

このようにBold 9700は細かい機能が向上しており、現行のBold 9000ユーザーにとっても乗り換えるに値する端末と言えるだろう。だが本体小型化にあわせキーボードサイズも小型化されたため、キーの押し具合は若干異なったものになったようだ。Bold 9000のキーボードは長文を楽に打ててしまうほど打ちやすいものだが、Bold 9700のキーボードはやや固めといった印象。長文を打つならBold 9000、小型化を取るならBold 9700、といった選択になるだろう。

実際、BlackBerry端末はこれまでも新機種が発売された後も従来モデルも併売されることが一般的だ。このためBold 9700発売後も、しばらくはBold 9000も併売されていくだろう。欧米人など手のサイズの大きい人にとってもBold 9000のほうが手に持ちやすいというメリットもあるだろう。一方アジアではBold 9700への乗換えが急速に進みそうである。

ちなみにBlackBerryを開発・販売するRIMの業績は絶好調だ。2009年度第3四半期の決算報告によると利益は昨年同期比159%増加、販売台数は1000万台で、BlackBerry端末の累計販売台数も7500万台に達している。特に伸びが著しいのがコンシューマー層で、新規利用者の80%に達しているとのことだ。BlackBerryといえばビジネスユーザー向けというイメージが強く、企業に一括大量導入されることで販売台数を伸ばしてきたが、ここ数年は個人のビジネス層だけではなく、SMSやメール、SNSサービスを利用する一般コンシューマー層にも広く受け入れられているということである。
コンシューマー層を意識したBlackBerryの広告

さて3G対応ということで、Bold 9700の日本発売が気になるところだ。NTTドコモはこの冬BlackBerryの限定モデルとしてBold 9000のホワイトバージョンを発売した。冬のイメージの「白」をまとったボディーでユーザー層拡大を狙ったものだが、Bold 9000の発売からそろそろ1年、新機種が登場してもおかしくない時期だろう。すでにBold 9700のアジア向けバージョンは日本語入力にも対応しているなど、日本での発売には問題ない状態だ。なおさら日本での発売に期待がかかる。
海外では他の機種にもホワイトバージョンが登場

NTTドコモは年明けにもSony EricssonのAndroid端末「Xperia X10」を発売する予定など、スマートフォン戦略を着々と強化している。料金プランもスマートフォンに適合したプランが出てきており、あとは日本語の使える端末であれば日本でいつでも販売できる状況だ。日本のユーザーは端末そのものの機能も重視する上に、海外ユーザーよりも端末を使いこなす傾向にある。ビジネス向けのメール端末から一歩脱却したBold 9700は日本市場にこそ向いている端末と言えるかもしれない。
山根康宏
著者サイト「山根康宏WEBサイト」

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