応援の大人が大歓声!日本代表を決めるロボットイベント「WRO Japan2009」レポート
「ものづくり日本」を支える未来の科学者・技術者の育成と、子供達の創造性・問題解決力の向上を目的としたイベント「ワールドオリンピアード(WRO)2009」国内決勝大会が2009年8月23日、都内の科学技術館において開催された。
全国23の地区予選、700チーム(1,800)から選抜された60チームが、11月に行われる世界大会 日本代表の座をかけて決勝大会にのぞんだ。
■世界に大きく羽ばたくことを期待 - WRO Japan 広瀬理事長
決勝大会の開催に先立ち、NPO法人WRO Japan 理事長 広瀬勇二氏より開会の挨拶があった。
NPO法人WRO Japan 理事長 広瀬勇二氏 |
WROは世界中の子どもたちが各々ロボットを製作しプログラムにより自動制御する技術を競うコンテストで、今年で6回目を迎える。市販ロボットキットを利用することで参加がしやすく、科学技術を身近に体験できる場を提供するとともに、国際交流も行われるのだ。
WRO Japan 広瀬理事長は、「ぜひ、皆さん。日頃の練習の結果を存分に発揮していただきたいと思います。未来を担う選手の皆様が互いの知識と技術への関心を深め、世界に大きく羽ばたかれることを期待しております。」と語った。
■観客も熱くさせた決勝大会
決勝大会の競技は、「レギュラーカテゴリー」と「オープンカテゴリー」のふたつのカテゴリーが用意されている。。
●レギュラーカテゴリー
小学生と中学生、高校生の各カテゴリーに分かれて行われた。
市販の自立型ロボットキットとソフトウェアにより、規定課題を競技する。参加者はその場でロボットを組み立て、プログラミングをしなければならない。
・鉄人ロボットトライアスロン - 小学生競技
競技内容:ロボットはピンポン玉ひとつを持ってスタートエリアをスタートし、障害物コースを通り抜ける。ベースキャンプに到着後、ロボットはピンポン玉をゴールにシュートする。
鉄人ロボットトライアスロン - 小学生競技 |
・ロボット借り物競走 - 中学生競技
競技内容:ロボットは借り物ゾーンまで障害物のある道を進み、ベースキャンプにできるだけ多くのピンポン玉を運ぶ。
ロボット借り物競走 - 中学生競技 |
・ロボットビリヤード - 高校生競技
競技内容:ロボットはピンポン玉の丘を通過し、指定された色のボールを運び、同じ色の穴にボールを入れる。
ロボットビリヤード - 高校生競技 |
各カテゴリーごとに難易度の違いはあるが、規定時間内にロボットを組み立て、車検を通してから競技を行うかたちだ。いかにロボットを早く組み立ててプログラムを作成し、競技前にロボットの微調整を行えるかが勝敗の大きな分かれ目となる。
いずれのチームも地方の予選大会を勝ち抜いた強者揃いだが、制限時間内にロボットを完成できないチームや、本番で実力を出せないチームが続出。競技の応援に駆けつけた学校の先生や親たちは、教え子や我が子の競技に熱い応援を送る。ロボットがコースから落ちたり動かなくなると、「ああああ!」という落胆の声が聞こえ、さながら自分が出場しているのかのようであった。
●オープンカテゴリー
その年ごとに与えられたテーマについて科学的アプローチを持って各自研究し、その結果を反映したロボットを作成してプレゼンテーションを行う。
今年のテーマは「アーティストロボット」。お茶を点てる「茶道マシーン利休」や、スイカを割る「スイカ割りロボット」などのデモンストレーションが行われ、来場者の注目を浴びていた。
レギュラーカテゴリーの競技は受付から終了まで6時間を超える長丁場におよんだ。その後の厳選なる審査の結果、「WRO Japan2009決勝大会入賞者」は下記のとおり決定した。★(星印)が付いた8チームは、韓国で開催される世界大会へ出場することになる。
表2.WRO Japan2009決勝大会入賞者(オープンカテゴリー)
「茶道マシーン利休」さいたま市立日進北小学校/さいたま市立高砂小学校
「スイカ割りロボット」さいたま市立春野小学校/さいたま市立芝原小学校
「緑園西小リキューズ3777」横浜市緑園西小学校
「生産システム研究部」栃木県立宇都宮工業高等学校
「お祭りロボット」さいたま市立大谷場小学校/さいたま市立常盤小学校
「サンダーバード65号」富山市立速星中学校/射水市立大門中学校
※全チームが韓国で開催される世界大会へ出場>
WRO Japan2009決勝大会は、世界大会への出場権を勝ち取るためのイベントということもあり、競技は厳しいルールの中で行われたが、競技を終えた子供たちにはどの顔にも笑顔があふれていた。
■WRO2009公式サイト
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