進化する最新ブラウザがインターネットライフを変える


Yahoo!やGoogleが提供するフリーメールやアプリケーション、SaaSやクラウドコンピューティングといわれるインターネットを中心とした新しいサービスが、ビジネスやプライベートともに急速に普及してきた。

特に、インターネット利用を前提としたネットブック人気により、プライベートのパソコン利用は、ブラウザとメーラーの重要度が更に上がっている。
メール利用でも、これまでプロバイダのメールから、GoogleのGmailなどのフリーメールをメインに利用するスタイルへの移行も進んでおり、今やブラウザのみで完結する時代になりつつある。

ここ数年でブラウザへの依存度は飛躍的に増大し、それにともないブラウザの機能強化への期待も世界的に大きくなっている。当然、各ブラウザの速度・操作性、セキュリティ向上は急速な進化を見せている。

更に昨今では、昨年からのJavaScriptの速度争いは、激烈を極めている。
JavaScriptは、今後のネット活用の主流となるといわれているSaaSなどのWeb上で使えるアプリケーションを動作させる上で重要な技術だ。JavaScriptの処理速度が速いほど、Webアプリケーションを快適に使うことができるというわけだ。

そこで、高速なブラウザのニーズは一気に高まり、FirefoxChromeSafariといったブラウザが速度を向上させた最新版を続々とリリースしているというわけだ。
これらの海外製ブラウザにLunascape5という国産ブラウザが加わり、昨年の暮れあたりからJavaScriptの処理速度の速度争いが激化している。
SunSpider JavaScript Benchmark 2009/3/24 単位:msバーが短いほど高速


現在、前述のブラウザのJavaScriptの処理速度は、拮抗し一進一退である。計測数値で見ればどこが高速かという議論は容易いが、体感速度的には差異が無いほど、これらのブラウザは高速になっている。

ただ、ブラウザを取り巻く問題は速度だけではなく、Webサイトの標準化がなされていないという問題もSaaSやクラウドコンピューティングの時代には重要な点である。W3Cという団体が提唱し進めているのだが、現状は放任状態になっている標準化問題。簡単に言うとWebサイト(HTML)の記述の標準化が曖昧であり、HTMLを解釈し「見える化」させるブラウザのレンダリングエンジンによっては、同じWebサイトでも異なって見えることがある。読者の中にも経験はないだろうか?たとえば、ブラウザによってサイトの表示が崩れる、Blogなどのエントリー機能が使えない、ログインできないサイトがある・・・それらの問題には、Webサイトの標準化と関連するレンダリングエンジンの問題が関与しているのだ。この問題が改善されなければ、速度の魅力も半減するといえる。

この問題を回避するには、Webサイトの設計を修正すればよいのだが、ユーザー側(閲覧者側)からすれば手が出せない問題であり、最も平易な方法は複数のブラウザを準備しサイトによって使い分けることだ。ただ、その方法は複数のブラウザを使うことによるブックマークの散逸など不便な問題が付きまとう、ところが前述したLunascape5は、IE、Firefox、ChromeやSafariに採用されているレンダリングエンジンを全て搭載するという独自の機能によって、複数のブラウザを準備することなく、Webサイトの標準化に起因する問題を回避することができる。現時点(2009年6月現在)、この独自性はLunascape5のみの機能であり、特筆に価する。
今回は独自性という点でLunascape5を少し紹介したが、Firefoxにはアドオンという高い拡張性、Chromeにはシンプルな機能故の軽快な動作、そしてLunascape5の高速なブラウジング速度と機能、独自性のトータルバランスと、それぞれが個性的な魅力を持っている。

IE8がリリースされて、高速になったと思う人や、ネットブックを使っている人は、ぜひ前述のブラウザのどれかを試して欲しい。そうすれば当たり前だと思い使っていたり、選択肢が無いと思っていたりしたブラウザには種類があり、優れたブラウザが多いことに気がつき、より高速で快適なブラウザと出会えるはずだ。

一番使うことの多いブラウザを見直すことで、きっとインターネットライフは、より良いものとなるだろう。そして、来るべきSaaS、クラウドコンピューティングの時代を快適に迎えることができるだろう。

■関連リンク
IE8
Firefox
Lunascape5
Safari
Chrome

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