1つのIDで複数のネットサービスを利用!「OpenID」国内活動を本格化
OpenIDは共通のユーザーIDを複数のウェブサービスで利用できるようにするサービス。2005年にシックス・アパートにより開発された。OpenID対応サイトで一度IDを取得すれば、ほかの対応サイト上で新規にユーザー登録をしなくても同じIDでログインしてサービスを利用できるというものだ。
■ID連携社会の推進に貢献したい - 八木氏
OpenIDがない頃には、個人は利用するサイトごとにIDを登録する必要があり、IDを覚えきれない、サイトごとに登録する手間がかかった。サービスを提供する企業側からみれば、ユーザーの個人情報を管理するのに大きなコストがかかったり、個人情報が変更になってもユーザーが更新してくれないなどの問題があった。
このような状況を解決するためOpenIDは誕生した。OpenIDは1人のユーザーが1つのIDでネット利用することを可能にする標準規格だ。ユーザーはサービス毎に複数のIDを使い分ける必要がなくなることからIDの管理が容易になるというメリットがある。またインターネット事業者にとっても、ほかの対応サイトで登録されたIDを自社サービスで利用できるため、より多くのユーザーを獲得できるというメリットがある。
2008年2月28日のキックオフ発表以来、準備事務局を設置し、国内外の関係組織と調整しながら積極的な活動を推進してきた。その結果、OpenIDの認知率は12%から28.1%へ※、利用率は1.2%から15.2%へ※と着実に浸透してきている。今後は、この流れをさらに加速すべく本日より国内活動を本格化させていくという。
※CNET Japanおよびjapan.internet
活動はOpenIDのプロトコルポリシーの精神にのっとり、「中央集約的ではない、オープンな相互連携」によって推進する。
写真1 OpenIDファウンデーション・ジャパン 代表理事 八木晃二氏 |
OpenIDファウンデーション・ジャパン 代表理事 八木晃二氏は、「国内外の多くの方々と連携してID連携社会の推進に貢献していきたいと考えている」と、今後の展開を述べた。
■より便利で安心・安全なサービスを享受したい - 崎村氏
対外活動の第一弾としては2008年12月12日にOpenIDのビジネスを探索するビジネスセミナー「OpenID BizDay#1」を開催する。OpenIDの活用事例を学び、多くのビジネスアイデアを醸成することを目的としており、会員と協議のもとにキャラバン形式で実施の予定。詳細はホームページにて近日中に発表される。もちろんこれまでの技術セミナー「OpenID TechNight」も内容をさらに充実させて実施する。
写真2 OpenIDファウンデーション・ジャパン発起人代表の株式会社野村総合研究所 崎村夏彦氏 |
OpenIDファウンデーション・ジャパン発起人代表で株式会社野村総合研究所 崎村夏彦氏は、OpenID会員企業の代表として国内における今後のOpenID普及活動について報告し、「OpenIDと皆様のアイデアを組み合わせることで、より便利で安心・安全なサービスを享受できたらよいと思っている」と語った。
OpenIDファウンデーション・ジャパンは今後、弟1期会員の国内企業計32社とともにOpenIDのさらなる普及を目指し、より幅広く企業・団体に参加を働きかけていくとしている。
・OpenIDファウンデーション・ジャパンの発足について
・OpenIDファウンデーション・ジャパン