ポニョ vs 鬼太郎 vs ギララ 夏の映画ガチンコレビュー【カオス通信】
■『崖の上のポニョ』
監督:宮崎駿
●オススメ度:★★★★☆(意外に面白い)
この作品で私が最も魅力的に感じたキャラクターはポニョではありません。ポニョを海で拾う宗介(5歳)の母親・リサであります。リサは宮崎アニメにおける『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)の峰不二子、『風の谷のナウシカ』(1984年)のクシャナなどに通じる強さと美しさを同時に兼ね備えた女性として描かれています。サブキャラ扱いなのでキャラクターデザイン的に凝った部分は特にないのですが、これが動くと凄いんです。これはアニメでしか得られない、まさに魔法とも呼べる感覚であります。
リサは細い身体を目一杯動かして襲いかかるトラブルと立ち向かい、息子の宗介と触れあいながら物語をグイグイ引っ張っていきます。通勤に使うマイカーの運転が『頭文字D』ばりにキレまくっているところなどは、カリオストロの城でルパンが乗っていたフィアットの動きを彷彿とさせてくれて最高すぎ! 宮崎監督の本意ではないでしょうが、少なくとも自分にとってこの映画のMVPはリサ以外に考えられません。鑑賞中は終始リサの一挙手一投足に釘付けでありました。
このポスターもパンフレットも、真のヒロイン・リサさんはスルーしまくり。なんてこったい。共有する関連記事【カオス通信】麻生外相のアニメ文化大使構想を考える去年の11月に麻生外相が打ち出した「アニメ文化大使」構想。これは日本のポップカルチャーを文化外交に活用しようという試みの一つですが、今のところ世間の反応はパッとしない印象があります。漫画好きの麻生外相の妄言と取られている… 【カオス通信】自腹ガチ評価!春のB級映画まつり映画の醍醐味はB級作品にあり! ということで、大作の影に隠れてひっそりと上映されている「面白いかどうか疑わしい」作品を緊急レポート。全部自腹での鑑賞なので、配給会社やスポンサー絡みのしがらみは一切ナシ。劇場のリアルな雰囲… 【カオス通信】神話崩壊″ガンダム″も堕つ!売れなくなったアニメDVDの舞台裏最近、めっきりアニメのDVDを買わなくなりました。どうやらこれは私個人だけのことではなく、アキバ系全体に渡る傾向のようです。私は仕事柄、メーカーの方とお話しすることも多いのですが、みなさん一様に販促には苦労されているようで… 【カオス通信】アキバ系クラブイベント潜入!アニメ&ゲーム音楽でDANCE三昧!アニソン・特撮ソング・ゲーム音楽といったアキバ系が好む音楽を"クラブ"で楽しむというイベントが最近増えてきています。一見"アキバ系"と"クラブ"は水と油みたいな感じですが、主催者・参加者ともにアキバ系となれば話は変わってきま… 【大人の物欲 工作】自分の描いた絵が動く!電脳パラパラ漫画″はこアニメ″子供の頃、教科書や辞書の余白に絵を描いてパラパラ漫画を作った経験をお持ちの人はいないだろうか? パラパラ漫画は、アニメーションの原理と基本的に同じで、高速にページをめくることで、動画の世界を手軽に楽しめる。今回の工作特集… |