【世界のモバイル】海外で手軽にパケット定額術 便利なプリペイドSIMカード活用


日本でパケット定額を利用していても、海外に出れて国際ローミングを利用した場合は従量料金のため割高なデータ通信費がかかってしまう。NTTドコモがようやく準定額的な国際ローミングパケット料金を発表したが、ノートPCなどから大量のパケット通信をするには物足りない。海外でパケット定額を利用することはできないのだろうか?今回は一例としてパケット定額が利用できる香港のプリペイドSIMカードを紹介しよう。

■海外でパケット定額を利用する方法はあるのか
パケット定額を売りにしてきたイーモバイルもいよいよ音声通話サービスを開始する。2月24日の発表によれば音声端末2機種のうちの1つはHTC製の"EMONSTER"ことS11HTで、日本の通信事業者としては異例の"SIMロックフリー"で提供されるという。現在イーモバイルは国際ローミングサービスを提供していないが、たとえばS11HTを海外に持ち出した際は現地のプリペイドSIMカードに入れ替えれば、現地の電話番号を持った端末として利用することが可能になりそうだ。電話番号は変わってしまうものの、日本の携帯電話番号をそのまま利用する国際ローミング料金よりも割安な現地料金で携帯電話を利用できるメリットは大きい。

日本の通信事業者もNTTドコモが3月1日から1日12万パケットまで2000円という、これまでよりもリーズナブルな国際ローミング時のパケット料金を提供することを発表している。海外で携帯電話を利用する人にはメリットが大きいが、パケット通信利用頻度の高い人ならば、やはり海外現地のSIMカードを入手したほうが通信コストはさらに割安になる。

ただし出張者や旅行者などが海外で入手しやすいプリペイドSIMカードの中にはパケット通信サービスに対応していないものもある。また対応していても料金が不明瞭だったり従量制であるものも多い。たとえばイーモバイルの利用者ならば、日本国内同様に海外でもパケット定額で料金を気にせずデータ通信を行いたいと思う人も多いだろう。海外でもパケット定額は多くの国で提供されているが、旅行者などが手軽に利用できるプリペイドタイプのサービスを提供している国もあるのだ。今回は香港で販売されているパケット定額プリペイドSIMカードを紹介しよう。

■香港のパケット定額対応プリペイドSIMカード
香港の通信事業者、CSLが発売している「Power Prepaid SIM Card」は身分証明書不要で出張者や旅行者などでも手軽に購入できるプリペイドSIMカードである。香港内ならばCSLの店舗や携帯電話ショップで販売されているが、確実に購入したいのならば香港国際空港に到着後、到着ロビーに出てから一旦出発ロビーに上がり、ショッピングセンターエリアにあるCSLの店舗で購入するとよいだろう。音声通話やSMS、国際ローミングサービスなどに加え、定額でパケット通信を利用することが可能だ。パッケージには「Mobile Broadband」と明記されており、最速で下り3.6MbpsのHSDPAに対応している。プリペイドSIMカードの売価はHK$88(約1200円)とHK$180(約2500円)の2種類がある。

SIMカードの利用開始には開通作業が必要だが、どこかに音声通話またはSMSを送ることで開通される。スマートフォンならば音声通話を、PCカードやUSBタイプのモデムカードに入れてPCに接続している場合はモデム管理アプリからどこかにSMSを送ると良いだろう。開通後は電話番号、有効期限(開通日から180日)、残高がSMSで送られてくる。
CSLのPower Prepaid SIMカード

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