【気になるトレンド用語】WindowsでJavaはもう使えない? -JavaとJavaスクリプト-


来年からWindowsでJavaが動かなくなる?
Microsoftが、今年限りで、Javaランタイム・エンジンの標準搭載をやめると発表したことから、Javaが標準で利用できなくなるという話題が流れています、

これまでMicrosoftは、独自のJavaランタイム・エンジンとしてMicrosoft Java Virtual Machine(MSJVM)を開発して、自社のWindows OSに標準添付してきました。この恩恵により、ユーザーはJavaを特に意識することなく利用できてきたのした。
ところが、Microsoftは、MSJVMのサポートを2007年12月31日で完全に終了させるというのです。

その後はWindowsではJavaは使用できなくなるのでしょうか?

■そもそもJava(ジャバ)って何?
Javaは、1995年頃にSun Microsystemsが開発したプログラミング言語で、C++と同様のオブジェクト指向言語の代表格です。Java の語源はコーヒーのJava(ジャワ)ですが、明確な理由は不明です。プログラミング言語の名称として呼ぶときには「ジャバ」と発音します。

Javaで作成したアプリケーションは、Java仮想マシン(JVM)上で動作します。JVMでは、Javaの実行環境に含まれるソフトウェアが読み込み、CPUに対応した機械語に変換しながら実行されます。
例えば、JVMがインストールされているコンピューターであれば、WindowsでもMacintoshでも同じソフトウェアを使用することができるというわけです。MSJVMは、そのJVMのひとつです。

Javaプログラムは実行形態により、次のような種類があります。
・ローカルのコンピューターで実行される"Javaアプリケーション"
・ネットワーク上に置かれブラウザブラウザ上で実行できる"Javaアプレット"
・Webページを動的に作りWebサービスを行う"Javaサーブレット"
・HTML内に記述するJavaプログラムをサーバー側で解釈して動的にWebページを作り出す"JavaServer Pages(JSP)"

●Javaの歴史
1991. ジェームズ・ゴスリン(James Gosling)氏、オブジェクト指向言語 Oak 開発。
1994. Java ベースのブラウザブラウザ WebRunner 開発。
1995. Oak、Java に改称。 WebRunner、HotJava に改称。
1995. Netscape 社、 SunMicrosystems 社とライセンス契約。NetscapeNavigator2.0、 Java をサポート。
1995. Microsoft 社、 SunMicrosystems 社とライセンス契約。
1996. JDK 1.0 公開
1997. JDK 1.1 公開
1998. Java2 (JDK 1.2) 公開
2000. Java2 SDK 1.3 リリース
2001. Java2 SDK 1.4 リリース
2004. Java2 SDK 1.5 Beta がリリース。言語仕様に大きく拡張が加えられた。

■Javaを使うためには?
Microsoft社はJavaテクノロジに関するSun Microsystemsとの特許係争などにより、MSJVMのサポート終了を宣言し、その後は自社製品からMSJVMを除外しています。つまり、Windows では何らかのJVMをユーザーがインストールしない限りJavaは動作できなくなりました。
また、2007年12月31日のMSJVMのサポート終了以後は、MSJVMに脆弱性が発見されても修正版は公開されないため、Microsoft社では他社製Java VM(Sun Microsystems製など)へ移行することを推奨しています。
Sun Microsystems社製JVMを入手してインストールする場合は、既にインストールされたMSJVMを正しくアンインストールしてからでないと、両者が競合を起こす場合があります。必要であれば、手作業ですがMSJVMをアンインストールすることもできます。

Microsoft Java VMを手動で削除する方法

■JavaとJavaスクリプト
Javaというと、よく聞くのがJavaスクリプトですね。このJavaとJavaスクリプト。名前はよく似ていますが、中身はまったくの別のものです。
Javaスクリプトは、Netscape Communications社のブレンダン・アイク(Brendan Eich)氏によって開発されたスクリプト言語で、Javaによく似た記述法のスクリプト言語であることが名前の由来です。スクリプトとは機械語への変換作業を省略して簡単に解釈実行できるようにした簡易プログラムのことです。Webページ上で、HTMLだけではできない様々な機能を利用するための簡易的なプログラムをスクリプトということもできます。

JavaとJavaスクリプトには、プログラムのソースコード自体には互換性はありません。基本的にはWeb上のHTML文書の中に直接プログラムを記述し、Javaスクリプト対応のブラウザブラウザ上でHTML文書を開くと自動的に動作します。このJavaスクリプトの登場によって静的なWebページに動きとインタラクティブ性を加えることができるようになったのです。
このようにブラウザブラウザ上で動作するため、MSJVMがなくなってもブラウザブラウザが対応している限り、Javaスクリプトは動作します。

■Javaスクリプトに潜む危険
先に述べたように、JavaスクリプトはWebページを開くと自動的に実行されます。そのため、悪意のあるコードが記述されているページを開いた場合に被害をうけるケースがあります。
例えば、ブラウザブラウザーのセキュリティーホールを利用して特定のURLをクリックした際に自動的にJavaスクリプトが実行され、レジストリを自動更新されたことでコンピューターが正常に起動できなくなるという報告もあります。

このような悪意のあるJavaスクリプトは、ブラウザブラウザの設定でJavaスクリプトを無効にすることで回避できますが、いまやJavaスクリプトはほとんどのWebサイトで利用されているため、完全に無効にすると利便性が大きく低下してしまいます。そのため、信頼できるサイトのJavaスクリプトのみを有効にする設定を行うとよいでしょう。

Microsoft社がMSJVMから撤退してもJavaの重要度は変わりません。また、JavaスクリプトもWebサイトを閲覧する上で欠かせません。正しいインストールと設定で、これからも安全に利用したいものです。

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