【気になるトレンド用語】消える1円ケータイ!?奨励金モデルのからくりと転機を迎える料金体系


6月21日、総務省がケータイ業界に一石を投じる方針を決めたことが業界を激震させるほど話題となりました。それは、ケータイ端末の料金を値引きするため、携帯電話会社が販売店に支払う"販売奨励金"の回収のしくみを改めるよう、各キャリアに要請するというものです。

ちょっとわかりづらいですが、要するに、この改正が行われると、店頭で見かける"1円ケータイ"や"格安な携帯電話"の販売ができなくなってしまうといえば、気になりませんか?

あまり聞きなれない"販売奨励金"という言葉ですが、実は私たちがケータイを買うときの"値段"と切っても切れない関係をもっています。とくに、1円ケータイなどの格安ケータイが存在するのも、実はこの販売奨励金があるからなのです。

今回は、そんな"販売奨励金"の謎と、総務省の方針によってどんな影響が生じるのか見ていきましょう。

■ケータイが値引きされる"秘密"

通話にメール、ゲームやカメラ機能、携帯オーディオに、ワンセグでテレビも楽しめ、PDAと比べても遜色ない機能をもつ高機能なケータイが、なぜ数万円という安い値段で購入できるのでしょう?

また、新規契約の場合、かなり値引きされた値段で買えることを不思議に思ったことはありませんか?

実はこれらは、「販売奨励金」というしくみの上に成り立っています。

開発メーカーが製造したケータイは、各携帯電話の事業者(以下、キャリア)から販売店や代理店に納められます。そして、各キャリアは、ケータイが1台売れるたびに、販売店に「販売奨励金(インセンティブ)」と呼ばれる一定の手数料を支払っています。

そのため、販売店側ではこの販売奨励金を見越して、最初からケータイを値引きして販売できるのです。国内で売られているケータイのほとんどは、こうした"からくり"により、本来より安価な値段で販売されています。

■販売奨励金の値段はいくらぐらい?

現在では、端末1台あたりにつき、4万円前後の販売奨励金が支払われているといわれています。端末の原価が7万円程度の最新機種なら、値引きされた後の販売価格は2〜3万円になるわけです。

また、奨励金には種類もさまざまあり、「新規契約ならいくら」といったように端末契約によるもののほか、年間契約や家族割引などの付加サービスの契約、シーズン商戦のための補助金などのように、追加で支払われるものもあります。

店頭でよく見かける破格の「1円ケータイ」が存在できるのは、こういった販売奨励金や補助金のおかげなのです。

■販売奨励金の"出どころ"はどこ?

さて、この奨励金の"出どころ"はいったいどこでしょうか?

奨励金は、そのケータイを買った人が今後、通話や通信を使ってくれることを見込んで、各キャリアが販売促進のために支払っています。そのため、各キャリアは、利用者が毎月支払う通信料金から、奨励金分を回収しているのです。

■奨励金のメリットとデメリット

頻繁に端末を買い換える人は、奨励金のおかげで値引きの恩恵を受けることができます。しかし、その一方、一つの端末を長く使い続ける人にとっては、奨励金による端末の値引きよりも、値引きされない通信料金によるデメリットも高く、その不公平さが問題視されています。

■料金体系を見直すことによる影響は?

今回決められた総務省の方針は、2008年からの導入が目指されています。これが実施されれば、値引きされなかった通信料金が下がる一方で、1円ケータイを含む安価なケータイが店頭から姿を消し、端末価格が値上がりして、今まで活気づいていたケータイ市場を停滞させる恐れもあります。

■新しい販売モデル"割賦方式"も登場

そんななか、最近では販売奨励金モデルにかわる、新しい販売方式が登場しています。それが「割賦方式」です。

割賦方式は、(割賦方式専用の)端末を分割で購入するかわり、毎月の通信料金の割引、契約解除料の免除などを提供するサービスで、長く同じ端末を使うほど通信料の負担が少なくなるしくみです。

昨年にソフトバンクモバイルが打ち出したのを皮切りに、今年7月からはウィルコムも導入。NTTドコモも割賦方式を検討中だといいます。ケータイの料金体系は、今後、販売奨励金モデルから割賦方式へ移行していくのかもしれません。


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