【気になるトレンド用語】ネットから存在が消える!?みんなが恐れる″グーグル八分″とは?


グーグルは、いまや知らない人はいない検索サイトです。独自にプログラムを開発し、精度の高い検索エンジンにより、インターネットの検索市場でトップに立つ大企業となっています。ビジネス面でも検索と広告を連動させることで、大きな収益をあげています。

また、検索だけでなく、Gmail、Googleマップ、Google Earthなど、数多くの便利なインターネットサービスを無料で提供し、多くのユーザーが恩恵を受けています。

そんなインターネットになくてはならないグーグルで、"グーグル八分"という言葉を聞いたことはないでしょうか?

ちょっと古めかしいイメージのこの言葉、インターネット時代には違和感をもつ方もいるかもしれませんね。
では、どうしてこんな言葉が生まれたのでしょうか?

"グーグル八分"がネットの世界でどんなことを意味するのか、なぜこの言葉が生まれたのかをみてみましょう。

■グーグル八分とは?

検索エンジンのグーグルで、本来なら上位に表示されるはずのサイトが、何らかの理由によって検索結果として表示されない状態を指します。

原因は、検索エンジンスパムなどの妨害行為がある場合や、各国の法律に照らし合わせて違法と判断された場合など、理由はさまざまですが、意図的にグーグルの検索結果から排除されます。したがって、ユーザーは該当するサイトを検索できないようになってしまうのです。また、問題がないと思われるサイトも意図的に検索結果から除外されることがあり、検索結果が収益に大きく影響する企業などでは死活問題となります。

このグーグルによる行為を"村八分"になぞらえて"グーグル八分"と呼ぶようになりました。

■グーグル八分が生まれるきっかけとなった事件

発端は、匿名掲示板で、企業への「悪徳商法ではないか」という非難が書き込まれたことから始まったといわれています。書き込みをされた企業は、その掲示板の管理人が運営する「悪徳商法?マニアックス」という、悪徳商法の知識や事例を集めたサイトに書き込みの削除を要請しましたが、話し合いは決着がつかず、訴訟にまで発展することになります。

そして、その企業は「悪徳商法?マニアックス」の書き込みを検索結果から削除することをグーグルに依頼します。それを受けたグーグルは、「悪徳商法?マニアックス」を名誉毀損や営業妨害を行っているサイトと判断し、検索結果から除外し、今もなおグーグル八分が続いています。

■他サイトにまで及ぶ、グーグルのマイナス評価

グーグルがあるサイトをマイナスと判断することは、そのサイトにリンクしているほかのサイトにもマイナス評価の影響がおよぶことになります。そのため、影響を恐れるサイトは、マイナス評価されたサイトとのリンクを切るといった対応が生まれ、サイトの検索結果は、ますます表示されなくなっていくことになります。

グーグル八分が行われると、特定のサイトからの社会的発言を一切封じこめたり、サイトが存在してもそこにアクセスするリンクが途絶えてしまうなどの影響があるため、ユーザーからみると"インターネット上に存在しないも同然"といった結果となることまであります。

■リアル世界でも影響をおよぼす制限

2006年には、グーグルは中国政府の要請に応じて、禁止ワードを指定し、アクセス制限をかけた特別な検索エンジンを中国政府に提供しました。この検索エンジンをアメリカに本拠地をおく、中国の人権擁護団体「HRIC」が調べたところ、天安門事件や法輪功についてのサイトが表示されないようになっていたそうです。

■計り知れない影響力をもつ"グーグル八分"

"グーグル八分"に代表される検閲行為は、社会的な影響力が大きく、疑問や懸念を警鐘する人も少なくありません。

また、検索結果からの排除する際のグーグルの基準も公開はされていないことから、社会的影響力に応じた責任を果たしていないのでは? というユーザーからの声も多く上がっています。実際に、検索結果から除外された企業が名誉毀損で訴えるケースもあり、今後の裁判の行方にも関心が集まっています。

■類義語

グーグル八分の類義語に、「Yahoo八分」や「Amazon八分」などの言葉もありますが、これらは客観的に確認されていない上、メカニズムもグーグル八分とは異なり、グーグル八分ほど有名な言葉ではありません。

また「mixi八分」という言葉もあり、こちらはSNS「mixi」で参加したくても招待状が得られない状態や、mixiでのトラブルから退会するなど、mixiに参加する権利が得られない状態を指します。


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