【カオス通信】自腹ガチ評価!春のB級映画まつり


映画の醍醐味はB級作品にあり! ということで、大作の影に隠れてひっそりと上映されている「面白いかどうか疑わしい」作品を緊急レポート。全部自腹での鑑賞なので、配給会社やスポンサー絡みのしがらみは一切ナシ。劇場のリアルな雰囲気と作品の真価がここに!

■『バブルへGO!!』(監督:馬場康夫)

同作品のポスター。阿部寛が持ってる巨大な携帯電話にバブルを感じる。イラストは馬場監督の映画『メッセンジャー』の時と同じ谷本ヨーコ。パンフの広告。日立の堂々たるタイアップぶりは実に男らしい。

タイトルのただならぬB級ノリに若干不安を抱えながら映画館へGO!! 観はじめると前半は広末涼子扮する主人公・田中真弓の不幸話が中心で、なかなかタイムマシンが登場せずに客席で悶絶。一番の見どころであるはずのバブル話は、物語の導入部に時間をかけ過ぎたせいか、案外少な目でした(もしかしてCGやセットにかかる予算の都合?)。

バブル時のシーンでは、ディスコで踊りまくる飯島愛の違和感のなさがテラヤバ! スレンダーなスタイル、ほぼ劣化が見られないバブルメイクの顔に一瞬「これって本人なの?」と我が目を疑ってしまうこと必死です。思わず客席もカイジっぽく「ざわ…ざわ…」してました(実話)。ブレイク前の飯島直子も出ていましたが、彼女はちょっと厳しかったですね(時は残酷)。あと、吹石一恵のボディコン&太眉が似合い過ぎでワロタwww

この作品は映画というよりは、まるでバラエティの特番ドラマといった印象。映画館のスクリーンで観ていたはずが、いつのまにか液晶TVで観ているような錯覚に陥りました。脚本を練れば、もっと面白くできたはずと思えるだけに惜しい! まあ、これはTVで観るくらいが丁度いいのではないかと思われます。

とりあえず俳優・阿部寛の存在感はあったので、彼のファンならアリかも知れません。広末涼子は笑わせるシーンで頑張れば頑張るほど、所作が痛々しくなる悲壮感が厳しかったです(水着姿が見られたのは眼福、眼福)。彼女に罪はありませんが、 もう4〜5歳若い女優さんが演じた方が良かったような気がします(正直、ミスキャスト)。

総合評価:40点(100点満点)
コメント:期待したほどではなし。TVドラマにしか見えません。

■『DOA(デッド・オア・アライブ)』(監督:コーリー・ユン)

映画館の告知スペース。「そのルックスで殺す」そうです……。自宅にあったDOA(初代)のサントラ。最初はみんなカクカクだった。どう見てもケイン・コスギが浮いている。全員女性で良かったのでは?

格闘ゲームの実写化というと『ストリートファイター2(※1)』のトンデモ配役を思い出してしまいますが、この『DOA』も例外ではありません。赤ら顔&そばかすが目立ちまくりのかすみ、小柳ルミ子に激似のあやね、低予算コスプレを連想させるザックなどツッコミどころは満載。ゲーム版と比較しだすと悲しくなるだけなので、鑑賞前に記憶はリセットしておきましょう。

見た目の違和感に目をつぶれば、出演者の動きはまずまず及第点。モデル出身のデヴォン青木(かすみ役)ですら、それなりに動けていたのには感心しました(キャストは撮影開始の3ヵ月前からトレーニングを積んでいた模様)。ルックス面ではムエタイが趣味のホリー・ヴァランス(クリスティー役)が特に光ってたかと。

監督はアクションが得意なだけあって、一連の格闘シーンは迫力満点。特にキックボクシングの経験を持つという、ティナ役のジェイミー・プレスリーのムーブは説得力バツグン。ルックスは大味ですが、その見事なキックだけでも観る価値があると思いました(ゲームのティナが持つ「投げキャラ」設定は完全に無視されてますが)。

本作はとにかく格闘シーンが最優先の映画なので、特に深いテーマなどはありません。アクションの洪水を全身の毛穴で感じ、バカバカしい演出に「なんやそれ!」とツッコむのが正解でしょう。個人的にはビーチバレーのシーンがもう少し長くても良かった気がします。続編はエクストリームなビーチバレーでスポ魂展開を希望!(妄想)

総合評価:60点(100点満点)
コメント:B級映画としては上出来。チャリエンよりこっちが好み。

(※1)実写版『ストリートファイター2』:ジャン=クロード・ヴァン・ダム(ガイル役)主演のアメリカ映画版、リュウが2chの管理人っぽい韓国TVドラマ版が有名。ちなみに2008年「ストリートファイター2」20周年を記念して、春麗が主役の新作映画がアメリカで作られるらしい。今から本当に心配です。

■『エクステ』(監督:園 子温)

鑑賞当日はレディースデイ。左右をカップルに挟まれて大変だった。美容院の案内状のような凝ったパンフ。髪の毛が1本印刷されている。ポスターだけ見ると実に怖そう。宣伝担当は相当なスゴ腕と見た。

公式サイトに宮藤官九郎が「うわ怖えぇ!怖えぇって!怖えぇよぉ!怖えぇてばあ!」という絶賛コメントをよせてますが、全然怖くありませんでした。最初はホラー映画を劇場で観るのは久しぶりだったので、若干緊張しながら観はじめたのですが、なんという肩すかし。むしろ笑いどころの方が多かった気がします。

そもそも脚本がホラーなのかコメディなのかホームドラマなのかハッキリしないので、ストーリーの焦点がボケまくり。特に冒頭の膨大な説明セリフは、製作者側からすればテクニックかもしれませんが、観る側としては手抜きににしか思えませんでした。また、観客を驚かせるシーンはいくつかあったものの、真の意味で恐怖を体験させるような場面はほぼ皆無。オチも観客が「えええ?」と思わず声に出してしまう驚きのぶつ切りエンドで、あちこちから失笑が漏れていました(これはウケたとも取れますが)。

最大の原因は「史上最大の怪演!」と宣伝されていた大杉漣の演技であることは明白。本来は狂気と幼児性を併せ持つ「サイコなキャラ」が狙いだったのでしょう。ところが実際は、大杉漣の内面からにじみ出る人柄の良さによって、始終ほのぼのムードが充満。本作がコメディだったなら、あのキャラは非常に良かった気がしますが、ホラー映画としては問題ありでしょう。

美容師のタマゴを演じる栗山千明(主人公)の「きれいな髪の可哀想な女の子」という、普通すぎる役どころも納得がいきません。栗山千明×ホラーともなれば、クライマックスで『キル・ビル』ばりのGOGO夕張的展開(※2)を期待するのが映画ファンの心理というもの。クライマックスでハサミやカミソリを武器に、事件の元凶と究極のHYPERバトルを繰り広げるはず!と信じて疑わなかった漏れのピュアなハートをかえしてください(妄言ですが、本音なんです……)。

総合評価:20点(100点満点)
コメント:気になる人はレンタル(旧作料金)でお試しください。

(※2)GOGO夕張:タランティーノ監督の代表作『キル・ビル Vol.1』に登場する女子高生用心棒。鎖付き鉄球(GOGOボール)を扱い、ターゲットを血祭りに上げる。

■アキバ系カオス通信バックナンバー
第14回「4コマ漫画雑誌のムーブメントを探る」
第13回「テクノ音楽でピコピコしよう」
第12回「アイドル雑誌で萌えあがれ!」
第11回「腐女子コミックの乙女心」
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レッド中尉(れっど・ちゅうい)
プロフィール:東京都在住。アニメ・漫画・アイドル等のアキバ系ネタが大好物な特殊ライター。企画編集の仕事もしている。秋葉原・神保町・新宿・池袋あたりに出没してグッズを買い漁るのが趣味。

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