GoogleがHuaweiとの取引を停止したと報道!既存製品は引き続いてGoogle PlayやGmailなどの各種サービスを利用可能と公式に案内



アメリカのファーウェイへの制裁問題は早期解決なるか?!早くもGoogleは取引中断に

Reuterは19日(現地時間)、アメリカの商務省・産業安全保障局がHuawei Technologies(華為技術、以下「ファーウェイ」)およびその関連企業68社を輸出規制リスト(Entity List)に追加した問題で、Googleが同社との取引を一時中断したと報じています。

輸出規制リストに追加された企業と許可を得ずに取り引きをした場合、その企業も制裁の対象に追加される場合もあり、米国再輸出規制(EAR)の対象となるGoogle PayやGmailなどのサービスに加え、Androidの技術的サポートなどをGoogleがファーウェイへ提供を停止しているということです。

一方、GoogleではAndroidの公式Twitterアカウント( @Android )にて既存のファーウェイのAndroid搭載製品においてGoogle PlayなどのサービスやGoogle Play Protectionによるセキュリティーの保持などは継続して利用できることを明示し、利用者の不安を解消するよう努めています。


すでに紹介したように輸出規制リストに追加された場合には許可なくアメリカの企業・団体などから部品などの機器やソフトウェアなどの技術を購入できなくなり、実際には許可が降りることがほぼないことからそれらを利用できなくなります。

ほぼ同様の事案として「ZTE問題」があり、同社は2016年3月に輸出規制リストに追加されてから猶予期間が設けられてリストから外すための条件が出されていたものの、その間にもそれらの条件に従わずにEARに違反して虚偽の報告をしたため、2018年3月に輸出権限剥奪者リスト(Denied Persons List)に追加されました。

これにより、米企業などとの取引が禁止され、新たにスマートフォン(スマホ)やケータイなどの製造ができずに工場が生産停止したり、既存製品のソフトウェア更新が提供できなくなったりしていました。恐らく、ファーウェイでも今回の問題が継続すれば、同様の事態となる可能性は高いと予想されます。

実際にGoogleが取引を中断したことによってAndroid自体はAOSP(Android Open Source Project)がオープンソースなので使えるとは思いますが、日本向けを含めてGoogle Playに対応する製品はライセンスの問題でZTE問題のときと同様に既存製品で利用はできるものの、新たな製品の出荷やソフトウェア更新が止まることが懸念されます。

またファーウェイではZTEのようにチップセット(SoC)に米国企業のQualcomm製Snapdragonではなく、自社製のHiSilicon製を用いている点では影響は少ないと見られますが、例えば、最新フラッグシップスマホ「HUAWEI P30 Pro」ではiFixitによる分解でMicron製Flashストレージなど米国企業の部品が多く使われています。

さらにZTE問題のときにはアメリカの動向を合わせて台湾のMediaTekなどもZTEとの取引を中断しており、多くの部品を供給している台湾企業との取引ができないとなると厳しい状況となると思われ、ZTE問題と同様に端末事業にもかなりの影響が出る可能性があり、今後の動向が注目されます。

なお、日本では日本法人の華為技術日本(ファーウェイ・ジャパン)が明日5月21日(火)13:00より新製品発表会を予定しており、すでに2019年夏モデルにおいてもNTTドコモから「HUAWEI P30 Pro HW-02L」が今夏、auから「HUAWEI P30 lite Premium HWV33」が5月下旬、Y!mobileおよびUQ mobileから「HUAWEI P30 lite」が5月24日に発売予定となっています。


手元のHUAWEI P20 Pro HW-01Kでも現状特に使えなくなるといったことはない


記事執筆:memn0ck


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