シャープの最新フラッグシップスマホ「AQUOS R3」を写真と動画で紹介(前編):写真用と動画用のツインカメラがさらに進化!AIライブストーリーなどが追加【レポート】



フラグシップスマホ「SHARP AQUOS R3」が発表!3年連続Androidスマホシェア国内No.1をめざす

既報通り、シャープは5月8日、都内にて「Smartphone AQUOS 2019夏 新製品発表会」を開催し、新しいフラッグシップスマートフォン(スマホ)「AQUOS R3」を「2019年夏モデル」として初夏に発売すると発表した。

同社では販路は明らかにしていないが、各携帯電話会社から販売されると見られ、すでにソフトバンクは10日、携帯電話サービス「SoftBank」向けにAQUOS R3を5月下旬以降より販売すると発表している。

同社は2016年3月に台湾の鴻海精密工業(Foxconn Technologie Group)に買収され、その年の夏モデルより“渾身のフラッグシップ”として「AQUOS R」シリーズを展開しており、AQUOS R3で3世代目となる。同時に2017年より2年連続でAndroidスマホで国内シェアNo.1となっており、AQUOS R3で3年連続をめざすという。

そんなAQUOS R3だが、昨夏に発売した前機種「AQUOS R2」で採用した背面に静止画用と動画用の「ツインカメラ」を引き続き搭載し、新たに昨冬に発表したプレミアムコンパクトスマホ「AQUOS R2 compact」と同じく画面の上部と下部の中央に切り欠き(ノッチ)を搭載したダブルノッチとなった。

またディスプレイは新開発の10bit表示に対応したアスペクト比9:19.5の縦長な約6.2インチQuad HD+(1440×3120ドット)Pro IGZO液晶となり、より滑らかなグラデーションによる美しい表示が可能となっており、倍速120HzのハイスピードIGZOも継承してタッチ操作も快適に行える。

さらにQualcomm製チップセット(SoC)「Snapdragon 855」や6GB内蔵メモリー(RAM)、128GB内蔵ストレージ、microSDXCカードスロット、3200mAhバッテリー、ステレオスピーカー、11Wの急速充電に対応したワイヤレス充電(Qi)、Android 9(開発コード名:Pie)などによってAQUOS史上最高スペックとなった。

そこで今回は、同社が開催した発表会レポート前編としてAQUOS R3のセンサーやレンズなどを全面刷新したカメラ機能を中心に写真と動画で紹介していく。


独自のツインカメラを搭載するAQUOS R3の背面

AQUOS R3は昨年発売したAQUOS R2が世界初として採用した写真用と動画用に最適化したツインカメラのコンセプトをさらにブラッシュアップしたモデルである。

ツインカメラの構成は写真用に約1220万画素裏面照射積層型CMOSおよび広角レンズ(F1.7・画角78°・35mm換算で26mm相当)、動画用に約2010万画素CMOSおよび超広角レンズ(F2.4・画角125°・35mm換算で22mm相当)だ。


シャープ独自のデュアルカメラは最大解像度4K(3840×2160ドット)に対応した動画撮影時にAI(人工知能)を活用した画像処理エンジンが構図や人物などからシーンを判定し、写真用の静止画カメラで自動的に写真を撮影する「AI Live shutter(AIライブシャッター)」に対応するなど、他のスマホと差別化を図っている。




この機能によってこれまで主に写真だけを撮ってきたという人もAQUOS R2によって動画を撮影する機会が増えたという。シャープではAQUOS R2の発表の際にSNSやチャットアプリなどは静止画だけではなく動画を使ったビジュアルコミュニケーションの需要が高まるとしていた。

実際にAQUOS R2を購入した人はこうしたSNSなどに動画を利用する機会が増えているとのことで、動画には静止画にはないエモーショナルな要素が多く、シャープではAQUOS R3のツインカメラによってその用途をアシストしていくとともに、次の課題に取り組む。


それが撮った動画を観る機会を増やすことだという。動画を撮影している時は、行動と撮影が同時進行するため体感時間が短く充実したものとなるが、いざそれを観ると思ったよりも長く間延びしてしまうため、1回観たらもうおなかいっぱいという状態になる。そうなると、動画を撮ってもあまり観なくなってしまうという傾向があるようだ。



そこで新たにAQUOS R3では動画撮影時にAIが全自動で約15秒のダイジェストムービーを作る「AI Live Story(AIライブストーリー)」を世界初搭載する。


この機能の肝となるのはAIによるシーンの抽出と順位付けだ。例えば、子どもの動画撮影では動きが活発で良いシーンが多く記録されるだろう。逆に動きが少ない風景撮影などの場合の良いシーンの判断も2つのカメラを用いてAIが行う。そこには表情であったり、構図であったりとシャープが培った様々な機械学習の成果があるのだろう。

こうしてまとめられたダイジェストムービーはイメージを明確にできる「Standard」や「Fun」、「Relax」の3つのフィルターで保存可能である。AI Live Storyのダイジェストムービーを観て、もう一度本編を参照するも良し、ショートムービーなのでSNSやチャットアプリとの相性も良く、この取り組みで動画を観る機会を増やすだけではなく、ビジュアルコミュニケーションが加速することにもつながるのではないだろうか。

なお、AI Live Storyは撮影中の動画にのみ適用され、AQUOS R3の本体内の動画から抽出することには対応していない。というのも、今回使用しているAIはクラウドで処理するものではなく、あくまでも撮影時のデータからリアルタイムで動作する要素に絞ったものであるため、膨大な撮影データから抽出することには不向きであるとのことだ。


このようにAQUOS R3は写真用と動画用のツインカメラの要素をソフトウェア面でブラッシュアップしたことが1つ。


そしてハードウェア面ではデバイス(センサーやレンズといった部品)とエンジンを刷新している。


まずはイメージセンサーが動画撮影用には「Quad Bayer(クアッド ベイヤー)」構造のものを採用。このイメージセンサーは4K(3840×2160ドット)撮影時には独自の信号処理で画素配列を変換し、高精細な動画撮影を可能とするとともにFHD(1920×1080ドット)以下の場合は、4画素で1画素分の処理が行えるため、ノイズが少ない高感度撮影を可能としている。

また、HDR撮影にも対応すると発表しており、イメージセンサーの機能である画素ごとに高輝度・低輝度の異なる明るさを取得して、HDR合成するものと思われる。


写真用のメインカメラには画素数を抑えてセンサーサイズを大型化して1画素1.4μmとなったイメージセンサーを採用している。またF1.7のレンズと併せて暗い場所でも明るく撮れる高感度に対応した。さらに全面位相差センサー「Dual PD高速AFセンサー」を搭載し、AF速度・精度を向上させて撮影時のレスポンスを良くしているという。


これまでの5点オート測距から全面位相差センサーになったことで被写体を面で捉えることが可能となった



画像処理のエンジンの部分だが、こちらは「ProPix 2」としてオートフォーカスや露出、ホワイトバランスそして画質調整をフルリニューアルしたとしている。

その中で発表会では特にブレ補正の強化について説明していた。静止画の撮影時のブレの1つが撮影時の手ブレだが、これは光学式手ブレ補正で吸収可能だ。

もう1つのブレは、いわゆる被写体ブレというもので、露光に必要な時間「シャッタースピード」よりも速く被写体が動いた場合に発生する。

例えば、野球選手がバットを振った瞬間の写真を撮りたいと思った場合は、シャッタースピードを速くして、バットが止まっているように設定を行う必要がある。

その瞬間を撮るためには、試行錯誤と経験が必要となり、スマートフォンで行う撮影には不向きである。


そこでシャープは被写体の動きを検出する「被写体ブレ検出エンジン」を開発し、オート撮影時に被写体の動きに合わせて自動的にシャッタースピードが変化するようにしたとのこと。一方でシャッタースピードが変化しても露出(明るさ)が変化しないようにISO感度も調整する必要がある。


屋内撮影ではシャッタースピードを上げるとISO感度が上がり、ノイズが増えて画質が悪くなってしまう。そこで、撮影した動きが止まった瞬間の前後の映像からノイズ成分を判別して、ノイズ除去を行うことで高画質を維持する。


光学式手ブレ補正と被写体ブレ検出エンジンで静止画撮影時のブレをなくすことがAQUOS R3の機能強化された部分だ。


なお、動画撮影時のブレは撮影者の身体の揺れであったり、周期が長い手の揺れであったりするため、補正量が少ない光学式手ブレ補正ではなく電子手ブレ補正が咲いて消えあり、それを強化している。

動画用と写真用でカメラを分けたことで、こうした作り込みができるようになったのもAQUOS R3の強みであると言える。なお、フロントカメラは約1630万画素CMOSよび広角レンズ(F2.0・画角80°・35mm換算で25mm相当)となっており、顔認証にも対応する。

その他、発表会のプレゼンテーションの模様や実際にAQUOS R3をタッチ&トライした様子は以下のムービーでも紹介しておく。続く後編ではAQUOS R3のディスプレイとハイパフォーマンスを引き出す取り組みについて紹介する。

【AQUOS R3プレゼンテーション】

動画リンク:https://youtu.be/F7vKq9OO84s

【AQUOS R3の実機紹介】

動画リンク:https://youtu.be/haaiw7VVF2A

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記事執筆:mi2_303


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