やっぱり国内版の発売を希望!7.2インチ超大型ディスプレイ搭載スマホ「HUAWEI Mate 20 X」を入手して感じた“ファブレット”への熱情【コラム】



少なくない需要がきっとある?!大判スマホが日本でリリースされないのは悲しい

華為技術日本(以下、ファーウェイ・ジャパン)から昨年11月30日にトリプルカメラを搭載したフラグシップスマートフォン(スマホ)「HUAWEI Mate 20 Pro」やその下位モデルで高コストパフォーマンスのミッドレンジスマホ「HUAWEI Mate 20 lite」(ともにHuawei Technologies製)が発売されました。

現在、日本国内で販売されている「HUAWEI Mate 20」シリーズはこの2機種のみとなっていますが、海外では他の機種も存在しており、中でも「HUAWEI Mate 20 X」は上位モデルのHUAWEI Mate 20 Proとチップセット(SoC)やLeicaトリプルカメラなどの基本仕様はそのままに7.2インチの大画面を誇る大型スマホがラインナップされています。

しかしながら、日本国内でこの手の「ファブレット」に分類されるタイプの超大画面(筆者としては流行りの縦長ディスプレイなら画面サイズが6.5インチを超えるもの)なスマホほとんど出てくることのない現状を残念にも思っております。そのため、筆者はHUAWEI Mate 20 X(香港版モデル)を入手したのですが、やはり正式に国内モデルが出てきて欲しいものです。

そこで今回はそんなHUAWEI Mate 20 Xを取り上げつつ、これまでに「Xperia Z Ultra」や「ZenFone 3 Ultra」などを使ってきた筆者が日本向け製品として選べるくらいに(メーカーに限らず)「すごい大きい画面のスマホ」を販売して欲しいという思いをコラムの形でお送りいたします。

【まずはファブレットとは何かをおさらい】

まず前提としてこのファブレットをいうものを知らずしては話が進まないのでざっくりと説明しておきます。u>ファブレット(Phablet)とは「Phone」(電話)と「Tablet」(タブレット)を組み合わせた造語で、スマホとタブレットの両者の間に位置する画面がとても大きいスマホのことを指します。

画面サイズの明確な決まりや定義はありませんが、以前はアスペクト比9:16で6インチ以上のものを指していることが多かったのですが、最近ではアスペクト比が9:18よりも縦長となっていることもあり、6インチ超えのスマホ自体はそれほど珍しいものでもなくなったため、筆者としては縦長ならディスプレイサイズが6.5インチを超えるものをファブレットとして認識しています。

代表的なものでは「ズルトラ」の愛称でお馴染みのソニーモバイルコミュニケーションズ製「Xperia Z Ultra」(6.4インチディスプレイ)あたりが有名なところでしょうか。まぁ、難しいことは考えずに“飛び抜けて画面のデカいスマホ”という認識でOKだと思います。


名機「Xperia Z Ultra」。すでに筆者のものは完全に起動しなくなっている


【デカいのにProよりちょっと安いX】

それでは続いて、今回購入したHUAWEI Mata X 20を紹介していきます。同機は前述通り、SoCは最新のハイエンド向け「HUAWEI Kirin 980」(HiSilicon製)や6GB内蔵メモリー(RAM)、Leicaのトリプルレンズカメラを搭載しています。

なお、中国で販売されているHUAWEI Mate 20 ProにはさらにRAMと本体ストレージの大きいモデルがありますが、日本で販売されているHUAWEI Mate 20 ProとはSoCおよびRAM、リアカメラは同じとなっています。


購入したHUAWEI Mate 20 X……でかい!

一方で、HUAWEI Mate 20 XはHUAWEI Mate 20 Proと比べて以下のような仕様が劣っています。その他にも小さな違いはありますが、このように一部機能がカットされているものの、約6,090香港ドル(約85,200円)で購入することができました。

1)画面解像度がFHD+(1080×2244ドット)とHUAWEI Mate 20 ProのQHD+(1440×3120ドット)よりも低く
2)3次元デプス感知カメラ非搭載となっているために通常の顔認証のみの対応や3Dライブオブジェクトモデリング機能非対応
3)画面内指紋センサーに対応しておらず背面に指紋センサーを配置
4)非接点ワイヤレス充電Qi非対応となっています。


一部の機能や仕様が削られるもカメラは文句なしのLeicaトリプルカメラを搭載

そのため、もし日本向けにローカライズしてもHUAWEI Mate 20 Proの国内モデルよりは安価もしくは同等な価格で販売できるのではないかと思われ、加えて大画面でゲームや動画などを楽しむことができ、独自機能として専用デジタイザーペン「M-Pen」を使った手書きメモなども利用できるなど、国内向けに登場しないのがもったいないくらいの逸品なのです。


日本で手書きペン対応スマホと言えばサムスン電子の「Galaxy Note」シリーズという人は多いかもしれませんが、HUAWEI Mate 20 Xも専用ペンで手書き機能が利用可能


【なぜ日本ではファブレットが出なくなってしまったのか】

日本でも以前は「HUAWEI P8max」や「ZenFone 3 Ultra」などの一部のSIMフリーモデルなどでファブレットがありましたが、やはり国内でファブレットと言えば、先ほども出てきたXperia Z Ultraがもっとも有名です。特に国内ではauから2014年1月に発売されたXperia Z Ultra SOL24は今でも支持者がおり、程度の良い中古や未使用品は今でも高額で取り引きされているほどです。

日本ではファブレットとは反対に成人男性の手の平にすっぽりと収まるようなコンパクトスマホも少数派ながら根強いファンがいて、ソニーやシャープなどの国内メーカーを中心にリリースされ続けています(コンパクトスマホも徐々に画面サイズが大きくなっているという問題もありますが)。

マーケティングなどでファブレットはコンパクトスマホよりもsらに少数派だと思われているのか、通常のスマホの画面が大型化しているということもあるのだと思いますが、日本ではコンパクトスマホを扱う携帯電話会社もSIMフリースマホを販売するメーカーもどちらにもファブレットがなかなか現れなくなっています。

Xperia Z Ultra以降、国内で大画面ファブレットのスマートフォンが発売されず、後継モデルの登場を心待ちにしている人たちが「ズルトラ難民」と呼ばれていました。そして、Xperia Z Ultraから約2年が経過した2016年12月にASUSTeK Computer(以下、ASUS)から6.8インチディスプレイ搭載のファブレットと呼ぶに相応しい「ZenFone 3 Ultra」が登場しました。


日本では今でもASUS ZenFone 3 Ultraが最新のAndroidファブレット!?

ZenFone 3 Ultraは登場時点での最上位スペックとは呼べないミドルハイクラス級の基本性能でしたが、それでもズルトラ難民の移行先として十分なもので、当ブログメディアでも「エイスースの6.8インチ大画面スマホ「ZenFone 3 Ultra」は「Xperia Z Ultra」の代わりになるか?大きさや各機能を比較してみた【レビュー】 - S-MAX」という記事を公開していました。もちろん、防水・防塵機能や800番台のSnapdragonを搭載していたズルトラに引き続き残る人もいましたが……。

そして、さらに2年が経過しZenFone 3 Ultraに乗り換えた人も次の機種変更先を期待している人は少なくないはずです。そんな中に海外で登場したHUAWEI Mate 20 Xは待望の「フラグシップクラスの性能を持ったファブレット」として日本国内向けに発売して欲しいと熱望する人は多いはずです。

ファーウェイ・ジャパンには是非とも日本でも発売して欲しいと思うのです。もちろん、XperiaやZenFoneの新しい「Ultra」にも期待していますし、他のメーカーでも出してくれるならメーカーにこだわりはないので、出してくれれば買う気でいっぱいなのです。というわけで、是非、お願いします!


日本でも、いろんなメーカーから自由に選べるくらいにファブレットが復活して欲しいものです


記事執筆:河童丸


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