座ったままでも快適に調理可能! LIXILが車いす対応キッチン「ウエルライフ」をアジア最大規模の国際福祉機器展に出展




株式会社LIXIL(リクシル)は、2018年10月10〜12日に東京ビッグサイトで開催された「第45回 国際福祉機器展(H.C.R.2018)」に出展。10月1日に発売された車いす対応キッチン「ウエルライフ」をメインに、障がい者や高齢者に向けた住まいと暮らしの提案を行った。

今回はメイン商材である「ウエルライフ」を中心に、LIXILが優先取り組み分野のひとつに位置づけている「多様性の尊重」に関して、障がい者や高齢者に向けた商品の展示から戦略を探っていこう。

■LIXILが目指す「ユニバーサル社会の実現」


東京ビッグサイトで開催された「第45回 国際福祉機器展」は、世界の福祉機器を一同に集めたアジア最大規模の国際展示会。14か国1地域560社を超える企業や団体が出展し、12万人以上の来場者を集めた。

毎年いろいろな課題やテーマが注目されるが今年注目を集めたのはのは「バリアフリー」。2020年の東京オリンピックを控え、より障がいを持つ方や高齢者に向けたバリアフリーが注目され、さまざまな業界が福祉機器の開発に注力している。

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「住まいと暮らしの総合住生活企業」であるリクシルも今回、国際福祉機器展に出展した。同社ではCR(コーポレート・レスポンシビリティ)戦略として「ユニバーサル社会の実現」を優先取り組み分野のひとつに掲げている。

今回の出展の目玉として展示したのは、10月1日から販売開始している車いす対応キッチン「ウエルライフ」(780,000円から)。「座ったままでも使いやすいキッチン」を目指して、今回30年ぶりにフルモデルチェンジされた商品で、大きな特徴は実際に障がいを抱えているスタッフからの声を開発に取り入れた点が挙げられる。

■車いす利用者のリアルな声を生かして「ウエルライフ」を開発
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車いすを利用している人にとって、キッチンの使いやすさを左右するのは足元が遮られずにシンクの下に入ることができるということ。フルモデルチェンジにあたり、まずは足元を遮ることなく正面からアクセス可能なオープン設計を心がけたという。
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また、車いす利用者の声から“気づき”を得たのは、シンクの深さだという。浅くても深くても車いす利用者にとっては使いにくい。ベストの高さにするために、何度も試作を重ねて実際に使ってもらって商品化にこぎつけたそうだ。

さらにワークトップは、奥まで手が届きやすい奥行き60cmに設計。高さも利用者に合わせて73cmから85cmまで1cm刻みで選ぶことができるというきめ細やかさだ。これによって、無理のない姿勢で水栓の吐水・止水が可能となっている。
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キッチン上部には電動式の吊戸棚「オートダウンウォール」が設置可能。リモコン操作によって昇降でき、ふだん使いの収納スペースとしても便利に活用できる。
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開発にあたってヒアリングを行ったのは、車いす利用者の同社・野村絵梨さん(右)。キッチン事業部の小島淳二さん(左)によると「車いすを利用している野村さんだからこそ気づく、キッチンの問題点を改良できました。弊社が公共施設に納品しているトイレなどのユニバーサルデザインのノウハウが、この『ウエルライフ』開発にも生きています」とのこと。まさに同社が重視している「多様性の尊重」が詰まった福祉機器と言えるだろう。

■「Life Assist(ライフアシスト)」で障がいを抱える人や高齢者にも安心できる暮らしを
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国際福祉機器展のリクシルブースでは、「ウエルライフ」の利便性をアピールするためにメインステージで寸劇が行われた。「ウエルライフ」のある生活風景を、車いす利用者の女性が帰宅する夫の誕生日をサプライズでお祝いするため、友人女性と「ウエルライフ」で料理をするといった内容。

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LIXILでは「ウエルライフ」だけでなく、住まいを構成するさまざまな建材がIoTによってつながり、健常者だけでなく障がいを持っている人や高齢者でも便利で安心して快適に暮らせる暮らしを実現するためのIoTホームLink「Life Assist(ライフアシスト)」を提案。玄関ドアから窓シャッター、エアコンや家電機器などの設備まで、トータルで快適な住環境のアシストを行うというものだ。

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「ライフアシスト」では、センサー感知やスマートスピーカーをトリガーとして、リクシルが提供する建材や設備、機器などが動作するシステムを採用。自由に組み合わせることで、家庭ごとにアシストルールを決めることができ、1つのトリガーで複数の動作を行うことも可能となっている。

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リクシルのマーケティングストラテジー統括部長・星野亨さんは今回の出展について「当社のユニバーサルデザインにおける考え方を理解していただくことを、開発を担当した社員が商品説明を行うことで、より来場者の方に理解を深めていただき、開発担当者はユーザーの生の声を聞いて次の商品開発にいかすことが狙いです」と説明した。

なお、「ウエルライフ」をはじめとする「ライフアシスト」などの福祉機器は、東京・名古屋・大阪のリクシルショールームに展示されているので、興味のある人は、ぜひ訪れてみてはどうだろうか。

リクシルショールーム ホームページ

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