ソニー・エクスプローラサイエンスのインクルージョン・ワークショップ「ペットボトルと牛乳パックでつくるヘッドホン」今年も開催!


ソニー・エクスプローラサイエンスの「ペットボトルと牛乳パックでつくるヘッドホン」
ソニーの体験型科学館「ソニー・エクスプローラサイエンス」では、未就学児〜中学生を対象に、様々なワークショップを行っており、ITライフハックでも、各ワークショップの告知やその様子をお伝えしてきた。

2017年8月9日に『ソニー・エクスプローラサイエンスで「ペットボトルと牛乳パックでつくるヘッドホン」を開催』で告知したインクルージョン・ワークショップが、およそ1年ぶりとなる9月9日に今年も開催された。ワークショップの中心となっているのは、昨年同様ソニー・太陽株式会社だ。

同社は障がいを持つ社員が全社員の約70%を占める特例子会社である。これまで同社は障がい者の自律を目指し、積極的な雇用を進めてきている。同社は、ソニーのエレクトロニクス製品の生産や修理サービスなどをソニーの製造事業所のひとつとして担っている。

今回のワークショップは、障がいのあるなしに関係なく、ものづくりの楽しさや興味を深め、ダイバーシティ&インクルージョンを体験することにより、相互理解を深めてもらうという、ソニー・太陽の特色を生かしたプログラムだ。実際にそのワークショップを見学することができたので紹介しよう。当日は障がいのあるスタッフも子供たちの指導にあたった。

■世界でひとつだけのヘッドホンを作ろう!
イベント開催概要の説明で、今回のワークショップでは、
1)世界でひとつ、自分だけのヘッドホンを作る
2)音が出るしくみ、音が伝わるしくみを学ぶ
3)出会いを大切にしよう!
という3つの目的があることが示された。

参加した小中学生は3〜4名ずつの班に分けられ、それぞれにスタッフが付いた。まず始めに各自が自己紹介を行うのだが、お互いが初めて会うためか、やや緊張ぎみの子供達。

そこでスタッフが「食べることが大好きな○○です!」といったような自己紹介挨拶のお手本を見せると、「そんな感じでいいんだ」といった具合に緊張していた子供達の顔に笑顔がこぼれる。

まずはスタッフが自己紹介のお手本「食べることが大好きな○○です!」

■ヘッドホンの材料を確認
それぞれの挨拶の後に注意事項の説明が終わると、ヘッドホンの材料を確認する作業になった。部品の多さに戸惑う子もいたが、スタッフの丁寧なサポートにより、何とかチェックを終えることができたようだ。

いよいよヘッドホン作り開始だ。まずはペットボトルの曲がっている所から1cmくらい下のくぼみに輪ゴムを巻き付け、そこにペンで線を引く。その線に合わせてハサミでカットすると、ヘッドホンのボディが完成だ。


引いた線に合わせてペットボトルをハサミでカット

■耳を当てるドライバー部分を作成
型紙シールの一番外側の円をハサミでカットして、ペットボトルの底に貼り付け、その周りにペンで線を引く。シールを剥がして円に沿ってハサミでカットした後、ネオジム磁石を貼り付けると、振動板が完成だ。

振動板をヘッドホンのボディに取り付け、クッションテープを貼った後、ペットボトルの口にホルマル線を巻き付ける。ホルマル線とオーディオケーブルの線を繋げばドライバー部分は完成だ。テスターで導通の有無をチェックし、うまく電気が通っていなかった場合は、スタッフがしっかりサポートしていた。


ひとりの脱落者も出さないようスタッフがしっかりサポート

■ヘッドバンド部分を作る
型紙用のシールを牛乳パックに貼り付け、シールに沿ってハサミでカットして両面テープで張り合わせると、ヘッドバンドが出来上がった。このヘッドバンドに先ほど作成したドライバー部分を固定すれば、見事、ヘッドホンの完成だ。

子供達は完成したヘッドホンをウォークマンに繋いで、音楽を聴いてみる。「凄い!」「ちゃんと音が聴こえる」と、思わず声を漏らす子供たち。自分で作ったこともあり、皆うれしそうだ。


完成したヘッドホン。ちゃんと音が出た!

その後、講師役のスタッフによって音の伝わるしくみの説明があった。「ものが振動すると、振動が空気に伝わって、空気から耳に伝わる」「一般的なヘッドホンは、磁石の性質を利用して音を出している」などといった音が伝わる仕組みやヘッドホンから音が出る理由などだ。

今回、自分達が作ったヘッドホンの構造が基本的に市販されている製品と変わらないものであることに驚いた様子の子供もいた。

■音の高さを体験する実験
一連の説明が終わると、面白い実験が始まった。それは音の高低を体験するというものだ。音は空気の振動の波として伝わっていくが、振動する波の長さ(波長)によって聴こえる音の高低が変化する。1秒間に振動する波の数のことを音の周波数(Hz)と言うが、人が聴き取れる音の周波数には限界がある。一定の周波数より上は聴くことができないのだ。

聴き取れる音の周波数は、子供と大人で異なっており、具体的には大人になると、高い周波数が聴き取りづらくなるという。蚊が飛び回っている「プーン」といった音のことをモスキート音と言うがあの音は、年を取ると聴こえなくなる周波数に該当する。

筆者も挑戦してみたが、14kHz以上は耳鳴りのような感じがして、聴こえているのかどうか、わからないレベルだった。うーん、こんなところで齢を感じてしまうとは・・・。


大人じゃ聴き取れない音の周波数も子供たちには余裕で聴こえている

こうした音に関する様々な知識がレクチャーされ、子供たちは夢中になって話に聴き入っていた。講義の後、ヘッドバンドに毛糸でデコレーションを行い、世界にただひとつのヘッドホンが完成。

どの子供も笑みがこぼれていた。今回の修了証が授与され、全員集合の記念写真を撮って、ワークショップが終了した。


各自に修了証が授与される

わずか2時間だったが、非常に濃い内容で子供達はものづくりの楽しさを学ぶことができたと思う。それと同時に障がいのある方とも触れ合う絶好の機会となった。今年に続き、来年、再来年と長く続けて欲しいワークショップであった。

来年も、同じような時期に開催されると思うので、この記事を読んで子供にものづくり体験をさせたいと考えている親御さんがいたら、是非とも参加することをおススメしたい。
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