秋吉 健のArcaic Singularity:モバイル端末が「軽薄短小」の先に見つけたもの。ケータイやスマホの進化から「ちょどいいサイズ」の探求について考える【コラム】



かつて日本が得意とした「軽薄短小」の世界の変化とこれからを考えてみた!

みなさんは「軽薄短小」なんて言葉を聞いたことがあるでしょうか。別に男性蔑視の用語だとかという物騒なものではありません。「軽い、薄い、短い、小さい」の漢字を抜き出したもので、かつて日本が「電子立国」などと呼ばれていた時代、日本製品の特徴を指して言われた言葉です。

日本人は道具や機械のコピーと改良が得意で、海外から手に入れた技術や製品を精査しては自分たち独自の技術をプラスして次々にコンパクトで使いやすい道具を生み出していったことから生まれた言葉ですが、この言葉が代名詞的に使われたメーカーの筆頭と言えばソニー以外にありません。文字通り世界を変えたウォークマンに始まり、携帯ラジオやノートパソコンなど、全てを軽く、薄く、そして小さくしていったのです。

ソニー以外のメーカーもこぞって軽薄短小を目指しました。家電製品からクルマまで、ありとあらゆるものが多機能をコンパクトに凝縮し、狭い日本の家や街に合わせて製品化されたのです。今の日本で軽自動車が大流行しているのも単に安いからだけではないでしょう。駐車場や道路など、ありとあらゆる場所が狭いからこそコンパクトで小回りの利く軽自動車が好まれたのです。

しかし時代は変わりました。何もかもを軽薄短小に収めれば良いという風潮は終焉を迎えます。感性の原点からテクノロジーの特異点を俯瞰する「Arcaic Singularity」。今回はそんな「軽薄短小」の世界に収まらなくなったモバイルガジェットの現在と未来についてお話します。


物理的なサイズには「ちょうどいい」が必ずある


■小さくすれば良いというものではない

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