Interop Tokyo 2018:手のひらサイズのLPWA対応「BLEルーター」や42インチ電子ペーパーサイネージ、「走るスマホ」がコンセプトのソニー自動運転車などをまとめて紹介(前編)【レポート】



インターロップ東京 2018で見つけた魅力的なガジェットやアイテムたちを前後編でまとめて紹介!

千葉・幕張メッセにて2018年6月13日(水)〜15日(金)の3日間に渡ってインターネットやクラウド、データセンター、仮想化、セキュリティ、ワイヤレスなどのネットワークコンピューティングに関連した製品やサービスなどを扱う企業が出展している展示会「Interop Tokyo 2018」(主催:Interop Tokyo 実行委員会)が開催されました。

Interop Tokyoは今回で25回目(初開催から24年目)を迎える長い歴史を持つネットワーク関連イベントで、大小さまざまな企業や団体がIoT機器にモバイル関連の製品やサービスなどを展示しています。

なお、今回は「Connected Media Tokyo 2018」および「デジタルサイネージジャパン 2018」、「ロケーションビジネスジャパン 2018」、「APPS JAPAN 2018」が同時開催となっていました。

筆者は今回もInterop Tokyo 2018に取材に行ってきましたので、会場内で見つけた主にモバイル関連を中心に興味深いアイテムや展示などを前後編の2回に分けてまとめて紹介していきたいと思います。

【ファーウェイブース「BLEルーター」】


ファーウェイブースにあった「BLEルーター」(NB-IoTに対応したモデル)

会場内最大の大きさのブースを展開していたHuawei Technologies(以下、ファーウェイ)のブースでは大型のサーバー機器などがメインとなっていましたが、その中に5月23日に発表されたばかりのBraveridge製の省電力広域無線通信技術に対応したルーター「BLEルーター」が展示されていました。

BLEルーターはBLE(Bluetooth Low Energy)に対応したIoT機器などを本機を介して元回線となる3G・4G(LTE)や無線LAN(Wi-Fi)、CAT-M1、NB-IoT、LoRaWAN、GNSS、Sigfoxに接続できるようにする製品で、Braveridgeから年内に販売開始する予定となっています。


microUSB端子を備えているが、このモデルはバッテリー非搭載であくまでも給電用

今回展示されていたBLEルーターは外部とのネットワーク接続にNB-IoT(省電力とコストに優れるLTEと同じ周波数を使うネットワーク回線)を搭載したモデルとなっています。

説明員によると現在、ファーウェイが開発した通信モジュールを採用したIoT機器向けのルーターを準備中で、今秋を目途に展開していく予定だということでした。


SIM内蔵で使いきりの回線契約込みのものやバッテリー内蔵のものなど、多くのものを提供予定

あくまでも法人向けのIoT機器用という製品ではありますが、LTEなどのモバイル回線でネットワークへ接続し、Wi-FiやBluetoothで機器と接続することができるため、誰でも使おうと思えば利用できるので、個人向けのIoT機器利用などにもできるように個人あるいは小規模な団体にも購入ができると面白そうです。

なお、販売は加賀デバイスが窓口となってるので、興味のある方は問い合わせてみてはいかがでしょうか。また、この他にもファーウェイのブースには同社の通信モジュールを搭載した水道やガスの検針機に地面に埋め込んで使うパーキング設備用のデバイスなどが展示されていました。

すでにソフトバンクから日本では初となるNB-IoTの商用サービスがすでに開始されており、これらの機器が活用されるのではないかと思われます。


通信機能を持つインフラ向けのデバイスが多数展示


【CREAブース「電子ペーパータブレット EPT-C05」】


電子ペーパーディスプレイの文教向けAndroidタブレット「EPT-C05」

続いて、電子機器の開発やローカライズを行っている企業のCREA(クレア)のブースではOSにAndroidを搭載した13.3インチのタブレット「EPT-C05」が展示されていました。

機能をテキスト(PDFデータ)の表示に絞っており、比較的安価に導入することができるということです。また自然な手書き感が可能な専用ペン(充電不要)で文字や図形を画面内に記入することも可能。

画面はモノクロ(グレースケール16階調)のE-INK製電子ペーパーディスプレイで、付属のデジタイザペンとタッチ操作に対応しており、搭載OSはAndroid 6.0(開発コード名:Marshmallow)を採用しています。

対応する無線機能はWi-FiとBluetoothのみで、外部インターフェースはmicroUSB端子(データ通信、充電兼用)、microSDカードスロット(最大32GBまで対応)、3.5mmステレオイヤフォンジャックとなっています。


PDFにしか対応していない割り切った設計なのが惜しい

展示機を触らせてもらったところ、非常に軽量(本体重量は非公開)で、付属のペンの感触も悪くありませんでした。現在のところ一般向けへの販売は未定ということですが、今後の機能拡充も含めて期待したいところです。

もう1つ、CREAのブースでは国内では初となる42インチの電子ペーパーディスプレイのデジタルサイネージ「EPS」(Electronic Paper Sinage)が展示されていました。


42インチディスプレイの巨大な電子ペーパー端末「EPS」

特徴としては42インチもの巨大な電子ペーパーディスプレイですが、外部映像端子としてHDMI端子を採用しているのも大きな特徴です。

電子ペーパーの特性で都合、表示に多少の時間はかかりますが、通常の映像機器などを接続して静止画を表示することが可能で、接続・電源が切れても表示した画面はそのまま残るため、モノクロながら手軽に省電力に自由に表示内容を変更することができます。

オプションで外部バッテリーにも対応しているので、様々な用途に利用することが出来そうです。ちなみに気になるお値段は約42万円強ということで、ややお高め。とはいえ、他の電子ペーパー端末にはない大きな画面とHDMI端子を搭載したことによる、デジタルサイネージとしても魅力のあるユニークなディスプレイではないでしょうか。

【ソニーブース「New Concept Cart SC-1」】


NTTドコモが技術実験に協力している「SC-1」

ソニーブースでは自社で開発し、NTTドコモと共同で技術実証実験を行っている遠隔操縦で動作するカート「SC-1」の実車を展示していました。

SC-1は車内外に4Kカメラやディスプレイを搭載したデジタルサイネージ機能をもった「外部からの操縦による運転」に対応したカート車となります。


4Kカメラを車内外に複数配置し、車内ディスプレイに4K解像度のBRAVIAを搭載

5GのネットワークやLTEに対応し、搭載している4Kカメラやセンサーで走行状況や位置などを解析して適切なデジタルサイネージを外部から受け取って車内外のディスプレイに送り、流すことができます。

コンセプトは「走るスマホ」で、5Gのネットワークを使い、遅延のない外部との連絡やコンテンツの受信・運転状況の解析結果などの送信が可能となっています。


ブース内に展示されていたSC-1の概要

現在、NTTドコモと共同で実証実験およびテスト運用を行っており、沖縄のゴルフコースの夜間ドライブツアーなどで実際に利用客を乗せてのテストを行っているそうです。


ブース内で上映されていた動画では実際のテスト風景や試験的に行っているゴルフ場のナイトツアーで活用している様子を確認

まだまだ動作試験や実証試験などが続いているSC-1のプロダクトですが、説明員の話では「将来、街中を走ることができることをめざしている最中」であるとのことでした。

SC-1は今後も展示会やモバイル関連のイベントで実車を持ってくる予定とのことでした。もし、イベントなどでSC-1を見つけることが出来ましたら、是非中に入って座席へ座ってみてください。ちょっぴり未来が感じられますよ!

というわけで、駆け足気味ではありますが、前半線の3ブースの展示物を紹介しました!後編へ続きます!!

記事執筆:河童丸


■関連リンク
・エスマックス(S-MAX)
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・Interop Tokyo 2018 (インターロップ東京 2018)
・ネット環境不要で広域通信可能な『BLE ルーター』発表 &「真の IoT」実現を加速すべく、ジャフコから 5 億円調達 | IoTデバイスの開発から量産まで - 株式会社Braveridge
・自然な手書き感! 13.3インチ電子ペーパータブレット EPT-C05を発表! | 株式会社クレア | プレスリリース配信代行サービス『ドリームニュース』
・EPT Project | 株式会社クレア CREA co.,ltd.
・株式会社クレア CREA co.,ltd. |
・Sony Japan | ニュースリリース | New Concept Cart(ニューコンセプトカート)SC-1を開発

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