T-Mobile USとSprintが合併合意!新会社はT-Mobile USで、株式はソフトバンクグループが27.4%、ドイツテレコムが41.7%を保有し、2019年半ばまでに取引完了へ



アメリカにおける携帯電話会社のスプリントとTモバイルがついに合併!

ドイツテレコム傘下のT-Mobile USおよびソフトバンクグループ傘下のSprintは29日(現地時間)、両社のすべての対価を株式とする合併による取引について最終的な合意に至ったと発表しています。取引完了は遅くとも2019年半ばまでに行われると見込んでいるとのこと。

合併比率はSprintの1株当たりT-Mobile USの0.10256株(T-Mobile US株1=Sprint株9.75)で、4月27日の終値を基準とした場合、Sprintの企業価値は約590億ドル(約6.4兆円)と想定されており、統合後の会社の企業価値は約1,460億ドル(約15.9兆円)と見積もられます。

これにより、統合後の会社は社名にT-Mobile USを引き継ぎ、クロージング時において健全な貸借対照表および投資適格を有する負債による力強い基盤に基づく資金の裏付けのあるビジネスプランを有し、統合する両社の契約数は合計1億2600万となり、アメリカの携帯電話市場では1位のVerizon Wireless(1億5000万契約)、2位のAT&T Mobility(1億4000万契約)に続く事業者としてこれら2社を追いかけることになります。

なお、ソフトバンクグループでは取引完了後、統合後の新会社の普通株式を約27.4%%(完全希薄化ベース)を間接的に保有することになるため、同社の持分法適用関連会社となり、Sprintが子会社ではなくなるとしています。なお、ソフトバンクグループおよびその子会社以外のSprintの株主は新会社の普通株式の約5.6%(完全希薄化ベース)を取得するとのこと。


これまで何度かに渡ってT-Mobile USとSprintの合併が模索されていましたが、その度にドイツテレコムとソフトバンクグループの主導権争いなどによってご破産となってきましたが、ついに合併の合意に至りました。この後、まだアメリカ政府や米連邦通信委員会(FCC)、米司法省などによる合併承認などのハードルはありますが、各社では遅くとも2019年半ばまでに取引を完了予定だとしてます。

合併の理由としては次世代ネットワーク「第5世代移動通信システム(以下、5G)」の構築に向けてアメリカ全土を「幅の広さ」と「密度」を兼ね備えつつ迅速に行うために2社が別々に行うよりも合併して行うほうが良いと判断したためだとのこと。T-Mobile USはこれまでにもVerizon Wirelessの2倍、AT&T Mobilityの3倍の迅速性で4G LTEを展開してきましたが、5Gにおいても新会社では今後3年で400億ドル(約4兆3,000億円)を投資してより豊富な周波数帯とネットワーク容量のネットワーク構築を素早く行うということです。

新会社はコストの低減とともに規模の経済性を確保することによってアメリカの消費者や企業により手頃な価格かつ高い品質のネットワークをもたらし、別々で事業を行うよりも多くの従業員を雇用して数千単位の雇用をアメリカに創出することを想定。新会社の本店所在地はワシントン州ベルビューとし、カンザス州オーバーランドパークを従たる本店所在地とする予定。

また新会社のCEOはT-Mobile USの現President and Chief Executive Officerで、同社のUncarrier戦略を導入したJohn Legere氏が務めるほか、新会社のPresident兼COOもT-Mobile USの現COOであるMike Sievert氏が務め、他の新経営陣のメンバーは取引完了までの間にT-Mobile USおよびSprintの両社から選出されます。

さらに新会社のChairman of the BoardはT-Mobile USの現Chairman of the BoardであるTim Hottges氏が務め、ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長である孫正義氏とSprintの現CEOであるMarcelo Claure氏が新会社の取締役会に加わるとのこと。その他、新会社の取締役は14名を予定し、ドイツテレコムが9名、ソフトバンクグループが4名(うち2名は孫正義氏とMarcelo Claure氏)をそれぞれ指名します。

なお、新会社では直近の実績傾向がそのまま続くと仮定した場合で60億ドル(約6,500億円)以上のコストシナジー(430億ドル以上のNPV/正味
現在価値)、純負債は630〜650億ドル(約6兆8,700億〜7兆900億円)、2018年のサービス収入1は530〜570億ドル(約5兆8,000億〜6兆2,000億円)、2018年の調整後EBITDAは220〜230億ドル(約2兆4,000億〜2兆5,000億円)、2018年の調整後EBITDAマージンは40〜42%を見込み、長期的にはEBITDAマージンが54〜57%を見込むとしています。



記事執筆:memn0ck


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・T-MOBILE AND SPRINT TO COMBINE, ACCELERATING 5G INNOVATION & INCREASING COMPETITION | Sprint Newsroom
・当社子会社スプリントのTモバイルとの合併(非子会社化)に関するお知らせ - ソフトバンクグループ(PDF)
・企業・IR | ソフトバンクグループ

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