秋吉 健のArcaic Singularity:嗚呼、PHSよ栄光なれ。新規契約および機種変更の受付を停止したPHSの歴史を紐解きこれからのモバイルデータ通信の未来を考える【コラム】



PHSの歴史を紐解きつつ未来のモバイルデータ通信を考えてみた!

既報通り、ソフトバンクおよびウィルコム沖縄は1日、携帯電話サービス「Y!mobile(ワイモバイル)」におけるPHSサービスの新規契約および機種変更の受付を停止しました。なお、現在のところ停波の予定はなく、すでにPHSを利用中のユーザーは継続して利用できるほか、法人向けテレメタリングなども引き続き契約手続きを受け付けています。

過去のものとしてしまっては失礼かもしれませんが、20代以上、特に30代以上の世代にとっては「PHS」という響きは懐かしくもあり、人によっては「まだあったんだ」という驚きのある方もいらっしゃるかと思います。

かくいう筆者も1999年に三洋製「PHS-J80」を購入したのがPHSデビューであり、はじめてのケータイ製品でもありました。その後、10年以上にわたりPHSを愛用し続けてきましたが、残念ながら現在は解約しています。新規受付ができるうちに1回線契約しておけば良かったかな?と、少しだけ後悔しているところです。

PHSの歴史を紐解いていくと、日本におけるモバイルデータ通信の歴史が見えてきます。日本の携帯電話市場においてPHSとはどのような存在だったのでしょうか。感性の原点からテクノロジーの特異点を俯瞰する「Arcaic Singularity」。今回はPHSの昔話を交えながら、これからのモバイルデータ通信について考えます。


あなたの知っているPHS端末はありますか?


■若者とともに成長したPHS

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