IIJが日本初のフルMVNOによる携帯電話サービスを提供開始!NTTドコモ網で加入者管理機能(HLR/HSS)を保有・運用し、まずは法人向けと訪日向け「Japan Travel SIM」で提供



IIJが日本初のフルMVNOを提供開始!

インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は15日、新たに日本初の「フルMVNO」による携帯電話サービスを2018年3月15日(木)に提供開始すると発表しています。

まずは同日より法人向けモバイルデータ通信サービス「IIJモバイルサービス/タイプI」を提供し、利用形態に応じた多彩なプランを用意するとともに、IoTを始めとする特定用途に対して回線の効率化を実現するとのこと。

また2018年4月2日(月)より訪日外国人や一時帰国者向けのモバイルデータ通信サービス「Japan Travel SIM」をフルMVNOとして独自のSIMカードを発行し、新たに1.5GBと3GBのデータ通信量の入ったパッケージを提供します。

さらに一般的な個人向けサービス「IIJmio」においても今夏にフルMVNOによるサービスを提供予定だとしています。なお、同社ではこれまでにNTTドコモにフルMVNOを実現すべく加入者管理機能(HLR/HSS)連携に関する申し込みをしており、2017年度中に商用サービス開始をめざしていました。


IIJではフルMVNOは、移動体通信事業者(MNO)から基地局などの無線アクセス設備の提供を受けて運営する仮想移動体通信事業者(MVNO)の中で、MNOのコアネットワーク設備の一部である加入者管理機能(HLR/HSS)を自社で保有・運用する事業者だとしています。

これにより、わかりやすいところではスマートフォン(スマホ)などに表示される事業者名も「NTT DOCOMO」ではなく「IIJ」となります。またSIMカードもNTTドコモが発行・貸与したものではなく、IIJが独自に発行します。

そのため、従来までNTTドコモ網を利用したサービスでは、NTTドコモのスマホなどをSIMロック解除しなくても使えていましたが、フルMVNOによるサービスではSIMロック解除した製品またはSIMフリー製品、IIJが独自で販売した製品)での利用となります。

なお、IIJでは仮想移動体サービス提供者(MVNE)も行なっており、他社が独自のサービスを提供していますが、これらについてもそれぞれの事業者名にすることも可能となるということです。IIJがMVNEのMVNOは、DMM mobileなどがあるため、これらのサービスでも今後独自の事業者名になる可能性はありそうです。

一方、IIJでは今回、フルMVNOを提供するに当たり、フルMVNOのメリットとして利用形態に合わせた多彩なプランの提供やWebサポートの管理画面の拡張などができるほか、SIMの状態を開通と中断に設定できる「SIMライフサイクル管理」を提供できるため、利用料も開通前は無料、中断時は安くするなど、より柔軟に対応できるとしています。


新たに提供されるJapan Travel SIMの1.5GBと3GBはマルチサイズSIM(標準、micro、nanoに対応)で提供され、30日間は有効で高速通信のデータ容量追加ができるようになっています。一方、法人向けIIJモバイルサービス/タイプIについては公式Webサイトをご確認ください。

価格はオープンとのことですが、従来のMVNOにおけるプリペイドSIMはパッケージにした時点から開通済みの維持費用をMNOに支払う必要がありましたが、フルMVNOになったことで開通をアクセスポイント(APN)を設定して再起動し、通信が開始された時にすることでより店舗などに在庫を置きやすくなっているということです。



記事執筆:memn0ck


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