新生フリーテルが新製品を発表!デュアルカメラ搭載「REI 2 Dual」と低価格な「Priori 5」を写真と動画で紹介――引き継いだMAYA SYSTEMが今後の取り組みを説明【レポート】



新生フリーテルが新製品を発表!デュアルカメラ搭載スマホ「REI 2 Dual」と低価格スマホ「Priori 5」をチェック

既報通り、MAYA SYSTEMは9日、都内にて「MAYA SYSTEM PRESS CONFERENCE」を開催し、プラスワン・マーケティング(POM)から事業譲受したSIMフリーブランド「FREETEL(フリーテル)」の新製品として新たにSIMフリースマートフォン(スマホ)「FREETEL REI 2 Dual(型番:FTJ17A00)」(以下、REI 2 Dual)および「FREETEL Priori 5(型番:FTJ17C00)」(以下、Priori 5)を発表した。

カンファレンスの冒頭、元FREETELの社員であり現在はMAYA SYSTEMのEコマース&マーケティング部 部長を務める山崎正志氏は同社が譲受したFREETELブランドと、譲受するに至ったPOMとの背景について説明を行った。同氏は「プラスワン(POM)という会社の中にFREETELがありましたが、プラスワン(POM)という会社はまだ存在しており、以前の経営者の中で一部が引き続き数名で民事再生を行っている」と話した。

続けて「その上で携帯電話開発・販売事業であるFREETELブランドについてはMAYA SYSTEMという新しいスポンサーに事業譲渡した形」と話し、さらに一部で誤解を招いてるとするPOMとの関係について「MAYA SYSTEMはプラスワン(POM)という会社を買収したというわけではない」と説明した。

今回はそんなFREETELブランドを譲受したMAYA SYSTEMの今後の方針と、新生FREELTEとして初製品となるREI 2 DualおよびPriori 5について写真と動画で紹介していく。


プレゼンテーションに登壇したのはMAYA SYTEM 代表取締役の吉田利一氏。吉田氏は2月からホールディング体制を取ったというMAYA GROUPについての説明を行った。その中でMAYA SYSTEMは「ITソリューション事業」であると説明し、主な事業として「海外Wi-Fi、今回の端末事業、海外eSIM、そして通信コンサルティングもしている」と話す。


MAYA SYSTEMが取り扱うeSIMを使った海外Wi-Fiルーター「jetfi」は、世界100カ国以上でSIMカードなしで利用できるというもの。レンタルは1日680円から、単体での販売も行っており、販売価格は24,800円(ともに税抜)。

買切りの端末の特徴は、通信容量を使い切っても追加で購入できるため海外でも容量を気にせず利用可能であるという。レンタル版の方にも容量追加を検討しているとのこと。

吉田氏は、言葉が通じない国でプリペイドSIMの容量チャージに苦労した経験があり、jetfiなら容量チャージも気軽に行えると話す。さらに3月予定として、追加有償オプションで「翻訳機」の機能を搭載予定ということだ。


FREETELのブランド譲渡について「『FREELTE電話』など通信サービスについては(POMが展開していたMVNOによる携帯電話サービス「FREETEL SIM」を買収した)楽天モバイルさん、端末のことについては我々がしっかりサポートしていく」と話した。

またFREETELの携帯端末製造事業を引き継いだ経緯については、FREETELがeSIM対応端末の開発に着手し、2018年春頃に販売を開始するという報道があった後に、吉田氏が当時のPOMにコンタクトを取って共闘開発や投資を検討していたとのこと。これにはeSIMを取り扱うMAYA SYSTEMとして、端末を開発することができていなかったことがあるのだという。

ところが、その後にPOMの経営がうまく行かなくなったこともあり、FREELTEの携帯端末開発やサポートの社員も引き受ける形で現在に至るのだという。吉田氏は「突然、MAYA SYSTEMがPOMの再建スポンサーに名乗りを上げたわけではない」とこれまでの経緯を説明した。

こういったことからMAYA SYSTEMでは「今年はeSIMスマートフォン元年」とした上で、今年の夏頃に「国境を感じさせないeSIMスマートフォン」の販売を行うことを明らかにした。詳細は後日別途発表する予定だ。


続いて、それとは別に今回、新生FREETELとして第1弾製品となるREI 2 DualやPriori 5といった機種の紹介を再び山崎氏が登壇して行った。


まずAndroid 7.1.1(開発コード名:Nugget)搭載のREI 2 Dualは、FREETEL初のデュアルカメラを背面に搭載し、約1300万画素のRGB(カラー)センサーとモノクロセンサーを組み合わせて写真を撮る技術を取り入れている。

デュアルカメラにはレンズやセンサーなどの組み合わせによってさまざまな仕組みがあるが、カラーセンサーとモノクロセンサーを合わせるのはHuawei Technologies(以下、ファーウェイ)が多く採用しているものだ。


その2つの約1300万画素センサーはソニー製「IMX258」を採用し、山崎氏は「2つのカメラは焦点距離が同じレンズを搭載し、ピント位置の距離を把握できるため、被写体以外をぼかすなど一眼レフカメラのような効果が得られる」と説明した。


REI 2 Dualのメーカーサンプル

デュアルカメラの設計に加えて、新たにカメラアプリも独自に開発しているということで、山崎氏は「本当はもう少し早く昨夏〜冬頃に出したかった商品であったが、FREETELにとって初めてのチャレンジであり、少し開発期間が掛かった」と明かした。


夜景モードではRGBセンサーが色情報を、モノクロセンサーはディテールを捉える役目として機能する。これによって通常のカメラよりも綺麗に見えるような写真が撮影できるとしている。


夜景モードのメーカーサンプル



夜景モードの開発にあたって「ナチュラル」に撮れることをめざしたのだという。スマホで夜景に撮影すると明るく写ってしまうが、REI 2 Dualは肉眼で見ているナチュラルな明るさを実現したとのこと。


フロントカメラは約1600万画素センサーを搭載し、こちらもカメラアプリは独自となっており、新たに自撮り(セルフィー)時に使える「ナチュラル美顔モード」を搭載した。

その特徴は中国などで人気のあるすっぴんやそれに近いナチュラルメイクの上にメイクをするような美顔モードだと、日本のようにきっちりメイクした場合にメイクした上からさらにメイクをするような補正となってしまうとし、REI 2 Dualではすでにメイクされている状態をより良くしたり、肌の質感なども含めて日本人に合わせたチューニングを施しているという。さらに髪の毛がつぶれてしまわないよう、その効果を調整しているとのことだった。


セルフィー撮影のメーカーサンプル



基本性能はチップセットにQualcomm製2.0GHzオクタコアCPU「Snapdragon 625」を採用し、ゲームなどの互換性も安心だとしている。約5.5インチフルHD(1080×1920ドット)や3300mAhバッテリー、4GB内蔵メモリー(RAM)、64GB内蔵ストレージを搭載し、microSDXCカードスロット(最大256GBまで)にも対応する。

その他の仕様では、Bluetooth 4.2やUSB Type-C端子(USB 2.0・OTG対応)、3.5mmイヤホンマイク端子、位置情報取得(A-GPS・GLONASS、BeiDou)、加速度センサー、近接センサー、光センサー、重力センサー、ジャイロセンサー、電子コンパス、通知LED(緑色)となる。


通信面では携帯電話ネットワークではLTE UE Category 6をサポートして下り最大300Mbpsおよび上り最大50Mbpsで利用でき、高音質通話サービス「VoLTE」(NTTドコモおよびau、ソフトバンク)に対応する。SIMカードはnanoSIMカード(4FF)サイズで、デュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)にも対応する。ただし、片方のSIMカードスロットはmicroSDカードスロットと共有。

緊急速報メール(緊急地震速報、津波警報、Jアラート)に対応し、無線LAN(Wi-Fi)はIEEE802.11a/b/g/n/ac準拠。連続通話時間および連続待受時間は4G(VoLTE)で約1690分および約600時間(約25日)、3Gで約1770分および約640時間(約26.6日)。


対応バンドは、国内の移動通信体事業者(MNO)の各社のほか、海外主要バンドに対応する(4GのFDD-LTE方式でBand 1および2、3、4、5、7、8、12、17、18、19、20、26、28B、TD-LTE方式でBand 41、3GのW-CDMA方式でBand 1および2、4、5、6、8、19、2GのGSM方式で850および900、1800、1900MHz)。CAの組み合わせはB1+B19やB3+B19、B2+B17、B4+B17。


REI 2Dualの予約はすでに2月9日から開始しており、発売は2月16日。価格はオープンながら希望小売価格は36,800円(税別)で、販路は家電量販店やECサイトとなっている。以下にREI 2 DualやPriori 5、そしてプレゼンテーションの模様を動画でも紹介しておく。


動画リンク:https://youtu.be/RjrMXB6PFHQ


REI 2 Dualは左右狭額縁で横幅約75mm。シンプルなデザインである。縦は約152mm、厚みは約7.9mm、質量は約158g。


今回のREI 2 DualとPriori 5についてはFREETELでは初の設計から行い、製造は海外で行っているという。ゆえにこれまでのFREETEL製品のようにODM製品をカスタマイズした場合に発生する同じ製品は存在しないとのこと。デザインでは2.5D強化ガラスを採用し、フレームの角の曲面は大きくゆったりとしたものとしている。


下部にはロゴなど入らずシンプルなものとなっている。


背面にはデュアルカメラと指紋センサーがある。カラーは「Black」および「White」、「blue」の3色展開。


カメラは“ツライチ”に収まっており、主張しすぎないシンプルな見た目だ。


背面は見る角度によって複雑に反射する光沢仕上げ。


外観は、右側面に電源キーと音量上下キー(写真=上)、左側面にはSIMトレー(写真=下)がある。アンテナの樹脂パーツが上部の側面に見える。


上面には特に何もない(写真=上)。下面にはイヤホンマイク端子、通話用マイク、USB Type-C端子、外部スピーカー、そしてアンテナ用の樹脂パーツが並ぶ(写真=下)。形状は背面が大きくカーブを描く持ちやすいものとなっていた。


カメラの撮影モードは左右に切り替えて行うタイプとなった。


「ボカシ撮影」モードには絞り値を変更できる機能が搭載されている。テスト撮影としてはあまり条件が良くなかったこともあってか、若干ピント位置とボケ具合がうまくハマっていないケースが見受けられた。これはファーウェイ初のダブルレンズカメラ「honor 6 Plus」のような印象だった。さらに調整が進むことを期待したい。


一方のPriori 5はエントリー向けのAndroid 7.1.2(開発コード名:Nugget)搭載スマホだ。こちらもすでに2月9日より予約がスタートしており、発売は2月23日だ。希望小売価格は16,800円(税抜)。前機種の「Priori 4」と同様に着せ替えが楽しめる7色のリアカバーが付属する。


画面は約5.0インチHD(720×1280ドット)液晶、SoCは「Snapdragon 210」、2GB RAM、16GB内蔵ストレージ、microSDXCカードスロット(最大256GBまで)を搭載する。

その他の仕様では2300mAhバッテリー、LTE UE Category 4をサポートした下り最大150Mbpsおよび上り最大50Mps、VoLTE(NTTドコモおよびソフトバンク)、IEEE 802.11b/g/g準拠のWi-Fi(2.4GHzのみ)、Bluetooth 4.1、microUSB端子(USB 2.0)、3.5mmイヤホンマイク端子、DSDS対応など。


要望が大きかった電池交換にも対応し、交換用のバッテリーはアクセサリーとして店頭でも購入可能であるとのこと。

Priori 5は、FREETELらしい1万円台のカジュアルなスマホだ。一方、REI 2 Dualは3万円台のミドルクラスのスマホとしては、質感も高く、デュアルカメラや1600万画素セルフィーカメラを搭載するなど、売れ筋の“ツボ”を押さえた機種と言えるだろう。

発表会では、昨年からの騒動もあってFREETELブランドの印象が落ちていることを認めており、今後イメージアップを図っていきたいとしている。また、手広くラインナップを広げるようなことはしないとも明言していた。今後のFREETELの地に足の着いた展開に期待したいところだ。

FREETEL REI 2 Dual (BLUE) [エレクトロニクス]
MAYA SYSTEM



FREETEL Priori 5 [エレクトロニクス]
MAYA SYSTEM



記事執筆:mi2_303


■関連リンク
・エスマックス(S-MAX)
・エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
・S-MAX - Facebookページ
・FREETEL 関連記事一覧 - S-MAX

共有する

関連記事

【ケータイラボ】3Gハイスピード対応!超薄型ケータイ「709SC」

最近のSoftbank端末は薄型ケータイが多い。鞄に入れずポケットなどに入れて持ち運ぶユーザーとしては、薄くて軽い端末はかなりありがたい。今回発売された「709SC」も12.9mmといちばん薄いというわけではないが、かなり薄い端末である。…

【気になるPC】ワイド液晶搭載の高級モデルTシリーズ「ThinkPad T60p」レビュー

レノボの「ThinkPad T60p」は、ThinkPadシリーズならではの高い剛性と質感を持つ、同シリーズ最高級モデルだ。黒色でスクエアなデザインも同シリーズならではの特徴。レビューしたワイド液晶モデルの価格はメーカー直販サイトで397,950…

【ケータイラボ】au初のテレビ電話対応機種「W47T」

持ち歩いてさっと使う携帯電話にテレビ電話なんて必要なのかなぁと最初は思ったものだ。カップルや親子同士などではアリなんかなぁなどと思ったりもしていた。しかし、知り合いの聴覚障害者がテレビ電話機能を利用して手話で会話してい…

【ケータイラボ】最大800kbpsまで対応!W-OAM typeG対応通信端末「AX530IN」

「WX530IN」は、PHS高度化通信規格であるW-OAMをさらに高速化した「W-OAM typeG」に初めて対応したカード端末。2007年春より発売の予定。「AX530IN」は、PHS端末としては初めてQAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)に…

【ケータイラボ】指紋センサーと1.3メガカメラを搭載!セキュリティに強い「WX321J」

「WX321J」は、ウィルコムの高度化通信規格「W-OAM」対応し、指紋センサーと1.3メガカメラを搭載した日本無線製の音声端末。価格はオープンプライスで、ウィルコムストアでの販売価格は、1万6,000円前後の見込み。発売時期は2月中旬予…