第4回ウェアラブルEXPO:腕に付けるとど〜んとデカイ!TRANZAS、3インチ液晶搭載の法人向けAndroidウェアラブル端末「Cygnus」を展示【レポート】



ただデカいだけじゃない!?あらゆる業務に対応できる大型ウェアラブルデバイスを紹介

東京・お台場にある東京ビッグサイトにて2018年1月17(水)〜19日(金)の3日間に渡ってウェアラブル関連の技術・サービスなどの展示会「第4回ウェアラブルEXPO」(主催:リード エグジビション ジャパン)が開催されました(併催イベントとして、第47回ネプコンジャパン・第10回オートモーティブワールド・第2回スマート工場EXPO・第2回ロボデックスも同時開催)。

今回はデジタルサイネージやIoT(Internet of Things:モノのインターネット)、ウェアラブル製品の製造やシステムを提供しているTRANZAS(トランザス)のブースにてウェアラブル端末としては非常に大型の3インチディスプレイを搭載した法人向けAndroid搭載端末「Cygnus(シグナス)」が展示されていたので紹介します。

【業務用ハンディターミナルを腕に装着するイメージ】


Android搭載の大画面ウェアラブル製品「Cygnus」

CygnusはTRANZASが開発したAndroid搭載のウェアラブル端末です。最大の特徴はなんといっても3インチという腕に身に着けるタイプの製品としては非常に大きいディスプレイでしょう。

ウェアラブル端末と言ってもCygnusは法人を対象とした業務向けモデルで、Android搭載という特徴によって「アプリを自由に追加できる」ことを活かし、各種業務向けのアプリやシステムを組み込むことで幅広い用途に利用することができます。


Cygnusの正面と背面(内側)

正面側にはタッチパネル対応の3インチVGA(640×480ドット)TFT液晶ディスプレイとNFCセンサー(ディスプレイ上部中央付近に配置)を搭載し、ディスプレイ下にはマイクと外部スピーカーが配置されています。

背面(内側)には特にセンサーやボタン類はありませんが、腕に装着した際に熱がこもることのないようにするためのスリット状の溝があります。また背面から見て本体の上側に約500万画素のAF対応カメラがあります。


Cygnusの左右側面

右側面には充電・外部機器接続用のmicroUSB端子とハードキー(短押しで戻る・長押しで電源メニュー呼び出し)が1つあります。


カバーを開いてmicroUSB端子を出したところ

OSはAndroid 4.4(開発コード名:KitKat)で法人向けということもあり、Google Playには対応せず、GmailなどのGoogle製アプリも非搭載となっています。ただし、必要であれば、応相談でこれらのアプリ追加も可能とのこと。


展示機のアプリドロワー(アプリ一覧)



Cygnusの端末情報画面。Androidタブレットとしての扱いの模様

本体スペックとしてはCPUはMIPSベースの1.2GHz(デュアルコア)で、内蔵メモリー(RAM)は512MB、内蔵ストレージは4GBとなっています。


本体ストレージのユーザー領域は1.94GBに

無線機能としてはIEEE802.11b/g/n準拠の無線LAN(Wi-Fi)およびBluetooth 4.0(BLE対応)、NFC。バッテリー容量は1100mAhのリチウムイオン電池を内蔵(ユーザー自身による交換不可)し、IP55相当の防滴・防塵性能を有しています。

メインで使う機種としてはかなりスペックは不足していると思いますが、法人向け製品として最低限の機能を持った業務向けアプリを入れて使う場合や腕に装着する製品として補助的な用途で割り切って使うのであれば大丈夫ではないでしょうか。

【ハウステンボスで試験運用中】


ハウステンボスでの導入事例

現在、Cygnusは長崎県佐世保市のテーマパークハウステンボスにあるスマートホテル「変なホテル」にて導入されており、スタッフの呼び出し端末およびホテルスタッフが装着しての客室や呼び出しカウンターとスタッフ間の通話端末として運用されています。


ホテルスタッフの呼び出しシステム(画僧=左)とスタッフが腕に装着して利用するアプリが起動した状態(画像=右)

これらは専用のアプリやシステム込みで提供されているとのことです。その他にも物流倉庫などでのハンディターミナル端末としての利用やカメラを使ったバーコードリーダーなど業務用途への提案がパネルで紹介されていました。


ブース内にはCygnusを活用する法人向けの提案などが紹介

その他にも説明員によると、居酒屋などで店員が注文を取る端末の置き換えとしても利用可能(手に画面の大きな汎用機があるということになるので、客席の注文を取りつつも両手がフリーになる)で便利な活用法として、利用例の1つとして説明しているということでした。

法人向けのシステムなどとセットで卸される端末ということで、一般販売(端末のみ)の予定はないということです。

しかしながら、説明員は「本格的にCygnusの展開がスタートした後であれば」と前置きをした上で、「フリーランスで活動している人が個別に問い合わせをしてきた場合」などは相談に乗ってくれるということです。気になる方は確認してみてもいいかもしれません。

腕に装着するウェアラブルな端末としては極めて大型の画面(と本体サイズ)を持つ今回のCygnusですが、「大は小を兼ねる」面白い使い道が色々とありそうです。

本格的に使うとなると、スペックの不足や大きさなどで厳しい面もあるとは思いますが、法人向けだけとしてはもったいないくらいの魅力的な製品ではないでしょうか。

記事執筆:河童丸


■関連リンク
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・ウェアラブルEXPO
・株式会社トランザス
・ウェアラブルデバイス−株式会社トランザス(Cygnus製品ページ)

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