爆発事故は大丈夫?Sペン対応の6.3インチ大画面スマホ「Galaxy Note8」をiFixtが分解――問題があったバッテリー部分はNote7よりも余裕のある設計で接着固定に
Galaxy Note8をさっそく分解!iFixitが気になるバッテリーやカメラ周りをチェック |
iFixitは8日(現地時間)、サムスン電子がグローバル市場にて最初に投入される1次販売国・地域では9月15日に発売される独自のペン入力「Sペン」に対応した最新プレミアムスマートフォン(スマホ)「Galaxy Note8」を分解したレビューを掲載しています。分解に用いた製品はの型番はアメリカ向けの「SM-N950U1」で、Snapdragon 835(MSM8998)を搭載した64GB内蔵ストレージモデル。
分解・修理のしやすさは発火や発煙などの爆発事故問題のあった「Galaxy Note7」と同じ“4”(10段階評価で10が最高)で、Galaxy Note7よりも容量が減った3300mAh(3.85V/12.71Wh)バッテリーのためにスペース的に余裕のある設計となっており、粘着剤で固定されていることからiFixitでは「サムスン電子は安全性に自信があるようだ」とまとめています。
Galaxy Note8は日本でも今夏に発売された「Galaxy S8」や「Galaxy S8+」と同様に画面の縦横比が9:18.5と縦長でホームキーなどを廃して上下の縁(ベゼル)も狭くしたほぼ全画面デザイン「Infinity Display」を搭載しています。
画面はGalaxy Noteシリーズ最大で、Galaxy S8+の6.2インチよりもさらに大きな6.3インチQuad HD+(1440×2960ドット)Super AMOLEDディスプレイ(約521ppi)で、防水・防塵や指紋・虹彩・顔認証などに対応し、Galaxy S8+にSペン機能とデュアルリアカメラを追加したような機種となっています。
Galaxyシリーズのハイエンドモデルにはじめて搭載されたデュアルレンズカメラはメインの標準/広角レンズのほうはGalaxy S7シリーズから続く1/2.55インチ約1200万画素デュアルピクセルセンサー(1画素1.40μm)で、もう1つが望遠レンズ+1/3.6インチ約1200万画素センサー(1画素1.0μm)となっており、iPhone 7 Plusなどと同じように光学2倍相当の撮影に対応します。
Sペンは基本的にGalaxy Note7とスペックは同じですが、機能的に強化されています。その他の詳細な製品情報についてはすでに掲載している以下の記事をご参照ください。
・Samsung、Sペン入力に対応した6.3インチスマホ「Galaxy Note8」を発表!光学2倍ズーム対応デュアルレンズカメラや6GB RAMを搭載し、防水・防塵の縦長ほぼ全画面デザインに - S-MAX
・サムスン電子の6.3インチ大画面やデュアルカメラを搭載したSペン入力対応最新スマホ「Galaxy Note8」を写真と動画で紹介!発火事故を乗り換えシリーズ最高の出来に【レポート】 - S-MAX
そんなGalaxy Note8ですが、Galaxy Note7も当時としては最高の完成度で購入した人からも高い評価があった一方で、一部個体で爆発事故が起きてしまってリコールおよび販売停止となってしまったことからやはりGalaxy Note7のときに問題だったバッテリー周りが気になるところではあります。
もちろん、Galaxy Note7の後にすでにGalaxy S8・S8+など多数の新製品を投入して問題の出ていないサムスン電子だけにGalaxy Note8でも問題はないと思いますが、どうしても人によっては同じGalaxy Noteシリーズの後継機種ということで気にする場合もあるようです。
今回、iFixitが分解した限りでは、Galaxy Note8の電池パック周辺の設計はGalaxy Note7よりも余裕があり、電池パックは粘着剤である程度固定されていることから問題は起きにくいだろうとしています。ただし、粘着剤は強固なものではないため、修理業者が取り外して交換することは可能とのこと。
この辺りの設計に余裕を持たせているのは、サイズがGalaxy Note8のほうがかなり大きくなり、単純な直方体の板だと考えると容積がGalaxy Note8の104533mm3、Galaxy Note7の89615mm3と約1.17倍となっており、電池容量は200mAh減少していることなどが影響していると思われます。
機種 | Galaxy Note8 | Galaxy Note7 | Galaxy S8+ |
画面 | 6.3型WQHD+ | 5.7型WQHD | 6.2型WQHD+ |
大きさ | 162.5×74.8×8.6mm | 153.5×73.9×7.9mm | 159.5×73.4×8.1mm |
重さ | 195g | 169g | 173g |
SoC | Exynos 9またはS835 | Exynos 8またはS820 | Exynos 9またはS835 |
RAM | 6GB | 4GB | 4GB |
背面カメラ | 1200万画素+1200万画素 | 1200万画素 | 1200万画素 |
前面カメラ | 800万画素 | 500万画素 | 800万画素 |
電池容量 | 3300mAh | 3500mAh | 3500mAh |
Sペン | ◯ | ◯ | ― |
また重さも26gも重いため、背面のデュアルレンズカメラで部品点数が増え、サイズも大きくなったことも当然影響していると思われますが、強度面でも強化があった可能性もあります。なお、Galaxy Note8の電池パックは少なくとも分解した個体ではSamsung SDI製とのこと。
またバッテリー以外では新たに搭載したデュアルレンズカメラはiPhone 7 Plusと異なり、2つのレンズカメラともに光学手ブレ補正(OIS)に対応しており、分解過程でX線によるレントゲン撮影を行った結果、レンズの周りにそれぞれ磁石が配置されており、OISに対応していることが確認できたとしています。
その他、内蔵メモリー(RAM)はサムスン電子製の6GBLPDDR4X SDRAM(型番:K3UH6H60AM-NGCJ)、内蔵ストレージ(UFS Flash)もサムスン電子製の64GB(型番:KLUCG4J1ED-B0C1)、ワコム製のタッチ制御IC(型番:W9018)、村田製作所製のWi-Fiモジュール(型番:KM7628048)などの部品を内蔵していることが判明しています。なお、各分解時の写真はiFixitより転載しています。
動画リンク:https://youtu.be/Mh2lM7LMKRk
記事執筆:memn0ck
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・Samsung Galaxy Note8 Teardown - iFixit