データ通信量を削減してくれるAndroid向けアプリ「Opera Max」がサービス終了へ!すでにGoogle Playストアから削除し、当面は利用できるものの、圧縮サーバーも今後提供終了予定



データ通信量を削減してくれるAndroidアプリ「Opera Max」が終了!リリースから3年半

Opera Software ASAは14日(現地時間)、同社が2014年2月にリリースしたAndroid向けデータ通信量削減アプリ「Opera Max」のサービスを終了すると発表しています。

すでにアプリ配信マーケット「Google Playストア」からOpera Maxのアプリを削除しており、今後アップデートが提供されることはないことを明らかにしました。

またこれまでアプリをインストールして利用しているOpera Maxのユーザーはしばらくの間は利用できますが、今後、圧縮機能を提供しているサーバーのサポート終了期間が決まり次第、別途案内するとしています。

【今後はWebブラウザー開発に焦点をあてるため】

今回、Opera Maxを終了するに至った理由として同社は「Opera MaxはWebブラウザーとは異なるユーザー価値に焦点を当てていたが、今後は本業であるWebブラウザー開発に焦点を当てるため」だとしています。

もともとOpera Software ASAはWebブラウザーのOperaが主力製品で、確かにOpera Maxは同社の主力製品であるWebブラウザー「Opera」と比べると異なる種類のアプリでした。

また2016年にはOperaのブランドを含め、モバイルブラウザーやデスクトップブラウザー、VPNサービスおよびデータ圧縮技術などのアプリなどのほとんどの事業を中国の奇虎360を中心としたコンソーシアムへ売却しました。

売却直前のOperaのWebブラウザーシェアは、モバイル向けが6.24%で第4位、デスクトップ向けが1.63%の第6位と、あまり振るわない状態でしたが、それに加えて、売却の話が出た以降に既存ユーザーが離れてしまったということもあり、現在ではさらに人気が落ちているように思われます。

そういった状況から脱するためにOpera Maxの開発を辞め、その分のリソースをOperaブラウザ開発に回そうとしているように見て取れます。また7月末にはAppleがiPhoneなどのiOS向けVPNアプリをアプリ配信マーケット「App Store」から削除する動きがあるなど、中国におけるインターネットなどの情報規制強化も影響している可能性も皆無ではないのかもしれません。

【非常に優秀だっただけに残念な結果に】

Opera Maxは特に「Vine」や「Instagram」、「Vevo」、「Flipboard」などの動画や画像の配信の多いアプリを使用する場合にデータプランの寿命を最大50%延長することができる(データ通信量を最大半分にできる)という触れ込みでリリースされました。

仕組みとしては、Opera Maxを導入した状態で通信を行うと、Operaが用意したクラウドへVPN接続を行い、HTTP通信で取得したデータ(HTTPS通信の場合は含まない)をクラウド側で圧縮してからモバイルデバイスに送信されていました。

そのため、通常と比べてデータ通信量が削減されるため、通信量制限があるモバイル回線では非常に大きな効果を発揮していました。そんなOpera Maxが廃止されるとなると、ユーザーにとっては残念な結果のように思われます。

ただ、最近ではOpera Maxがリリースされた当初と比べ、HTTPSでアクセスするWebページが増えたこともあり、HTTPSに対応していないOpera Maxの有用性も少し下がってきていたこともあるので、このタイミングでの廃止は引き際をわきまえているとも評価できます。

記事執筆:YUKITO KATO


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