Qualcomm、ミドルレンジスマホ・タブレット向けのチップセット「Snapdragon 450」を発表!400シリーズでは初の14nmプロセス製造で、CPU・GPU性能や電池持ちなどを向上



クアルコムがミドルレンジスマホなど向けのチップセット「Snapdragon 450」を発表!

Qualcommの子会社であるQualcomm Technologiesは29日(現地時間)、中国・上海で2017年6月28日(水)から7月1日(土)まで開催されている無線通信関連の展示会「2017 GSMA Mobile World Congress Shanghai(MWC Shanghai 2017)」に合わせてミドルレンジのスマートフォン(スマホ)やタブレット向けチップセット(SoC)「Snapdragon 450」を発表しています。

同社ではミドルレンジ向けのSnapdragon 400シリーズはすでに1900以上の製品に採用され、Snapdragon 450は2017年第3四半期(7〜9月)に各メーカーなどにサンプル出荷を開始し、2017年末までに搭載された商用製品が販売開始されるとしています。

【ミドルレンジでは初の14nmプロセスルールを採用】

Snapdragon 450は、ミドルレンジ向けでは初の14nmプロセスルールを採用したSoCで、既存の「Snapdragon 435」と比べてバッテリー寿命やグラフィックス・プロセッサーの処理速度、マルチメディア機能、LTEの接続性が大幅に向上すると報じています。

【CPUとGPUの性能向上】

まずCPUでは、より高性能なオクタコアCPUである「ARM Cortex-A53」コアを採用することで、パフォーマンスが25%向上します。

さらにGPUにはQualcommが独自に開発する「Adreno 506」を搭載し、グラフィックスパフォーマンスも25%向上するとのこと。

【バッテリー寿命の向上】

またプロセスルールがSnapdragon 435が28nmであったのに対し、Snapdragon 450のプロセスルールは14nmとなっており、微細化されたことで消費電力が下がり、バッテリー寿命が向上します。

プロセスルールが微細化されたことに加え、電源管理を改善されたことでバッテリーの寿命が4時間伸び、ゲーム中の消費電力を30%向上させています。

加えて、Snapdragon 450はミドルレンジながら急速充電「Quick Charge 3.0(QC3.0)」に対応しているので、スマホであれば約35分で0%から80%まで充電することが可能となります。

【カメラとマルチメディア機能の向上】

Snapdragon 450はリアルタイムぼけエフェクトをサポートする最初のSnapdragon 400シリーズのSoCになります。

また13MPカメラ+13MPカメラのデュアルカメラ構成または、最大21MPの単一カメラを搭載できるようになり、さらにカメラ機能のパフォーマンスが向上します。

動画撮影機能も向上しており、最大60fpsで1080pのビデオ録画、再生およびスローモーション撮影にも対応しています。

Snapdragon 450を搭載したデバイスでは、WUXGA(1920x1200ドット)のフルHDオーバーディスプレイを搭載することができ、以前の世代よりも高性能で低消費電力のマルチメディア、カメラ、センサー処理を可能とする、Qualcomm Hexagon DSPもサポートされます。

こうして見てみると、Snapdragon 450でのカメラ、マルチメディア機能の向上は目まぐるしく、今後はミドルレンジクラスでもデュアルカメラを採用した製品が増えてきそうです。

【モバイル通信機能の向上】

Snapdragon X9 LTEモデムを搭載することで、下り上りともに、20MHz×2のキャリアアグリゲーション(CA)が可能となり、下り最大300Mbpsおよび上り最大150Mbpsの高速通信が可能となります。また、Snapdragon All Modeで多数のモバイルネットワークをサポートします。

モバイル通信に加え、無線LAN(Wi-Fi)ではMU-MIMOをサポートするIEEE802.11acを実現します。さらにUSB 3.0をサポートすることで、高速データ転送も可能となります。

【まとめ〜ミドルレンジの性能をアップさせるSoC】

Snapdragon 450は、Snapdragon 435と比べて大幅な機能向上、パフォーマンス向上がなされており、ミドルレンジスマホおよびタブレットのパフォーマンスを底上げしてくれそうです。Snapdragon 450を搭載したデバイスが登場するのが楽しみですね!

記事執筆:YUKITO KATO


■関連リンク
・エスマックス(S-MAX)
・エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
・S-MAX - Facebookページ
・Qualcomm Snapdragon 450 Mobile Platform to Bring 14nm FinFET Process, Enhanced Dual-Camera Support and Fast LTE Connectivity to Mid-Range Smartphones and Tablets | Qualcomm

共有する

関連記事

【気になるPC】ワイド液晶搭載の高級モデルTシリーズ「ThinkPad T60p」レビュー

レノボの「ThinkPad T60p」は、ThinkPadシリーズならではの高い剛性と質感を持つ、同シリーズ最高級モデルだ。黒色でスクエアなデザインも同シリーズならではの特徴。レビューしたワイド液晶モデルの価格はメーカー直販サイトで397,950…

【ケータイラボ】リアルメタルフェイスを採用!次世代京ぽん「WX320K」

「WX320K」は、より高速で快適な通信環境を実現する「W-OAM」に対応したアルミ素材を採用した京セラ製の音声端末。発売時期は2月中旬予定。価格はオープンプライスで、ウィルコムストアでの販売価格は、1万6,000円前後の見込み。カラ…

【ケータイラボ】指紋センサーと1.3メガカメラを搭載!セキュリティに強い「WX321J」

「WX321J」は、ウィルコムの高度化通信規格「W-OAM」対応し、指紋センサーと1.3メガカメラを搭載した日本無線製の音声端末。価格はオープンプライスで、ウィルコムストアでの販売価格は、1万6,000円前後の見込み。発売時期は2月中旬予…

【ケータイラボ】無線LAN内蔵!フルキーボード搭載ビジネスケータイ「X01NK/Nokia E61」

「X01NK/Nokia E61」は、無線LAN内蔵でフルキーボードを搭載したノキア製の法人専用ビジネスケータイ。発売時期は3月下旬以降を予定し、価格はオープンプライス。「X01NK/Nokia E61」は、ストレートタイプの本体に、無線LAN機能を内蔵…

【ケータイラボ】3.2メガピクセルカメラやGPS機能が使える!ハイスペックケータイ「813T」

「813T」は、コンパクトなボディーに、3.2メガピクセルカメラやGPS機能を内蔵した東芝製のハイスペックケータイ。発売時期は3月上旬以降を予定し、価格はオープンプライス。「813T」は、落ち着いた雰囲気の上質感漂うクールカラーをま…