スマホなど向け次期OS「Android O」にてOSバージョンアップを簡単にする「Project Treble」を発表!開発者向けイベント「Google I/O 2017」の基調講演は日本時間5月18日2時から



Android OにてメーカーがOSバージョンアップをしやすくする「Project Treble」が導入へ!

Googleは12日(現地時間)、スマートフォン(スマホ)やタブレットなど向けプラットフォーム「Android」における次期バージョン「Android O」(仮称)において各メーカーなどが独自に機種ごとに実装する部分とAndroidのOSフレームワークを切り離すことでOSバージョンアップを簡単に行えるようになる「Project Treble」を発表しています。

同社では各メーカーや部品ベンダーなどが既存のAndroidデバイスにおけるOSバージョンアップにて動作確認などに多大な時間とコストがかかっているとし、Project Trebleによってこれらを軽減する狙いがあるということです。

Android Oについてはすでに現地時間3月21日より開発者向けプレビュー版「Android O Developer Preview」( http://developer.android.com/preview/ )がリリースされており、Project Trebleの仕組みは導入され、今後リリースされるベータ版などで正式に実装していくとのこと。その後、詳細な仕様やドキュメントを公開予定だとしています。


Project Trebleの流れ

開発者向けのAndroid O Developer Previewはすでに提供されているα版に続き、5月にPreview 2・β版、6月にPreview 3・最終APIとSDK、7月にPreview 4・最終プレビュー版の最も正式版に近いシステムイメージと経て、2017年第3四半期(7〜9月)に正式版がリリースされる予定。他にもまもなく一般向けベータ版が提供され、これによって「Android Beta Program」( https://g.co/androidbeta )によるAndroid Oの導入が可能となる見込み。

Android Oではユーザー向けには設定画面のリニューアルやバックグラウンドで動作しているアプリを制限することでバッテリー持続時間を改善する「Background limits」機能、プッシュ通知の表示を改善した「Notification channels」機能、Bluetoothオーディオにおいてソニーが推進している「LDAC」のサポートなどが挙げられています。

今回発表されたProject Trebleでは、デバイスごとに実装するドライバーやカーネルなどのソフトウェアと、Androidを構成するフレームワークを分離し、各メーカーがセキュリティーアップデートを含めたOSバージョンアップをより簡単に提供できるようにするプロジェクトだということです。


Androidではすでにアプリ向けには異なるデバイスでも同じように動作する「Compatibility Test Suite(CTS)」が提供されていますが、新たにデバイス向けに各チップセットなどの部品をチェックできる「Vendor Test Suite(VTS)」が導入されるとのこと。

なお、Androidではメジャーバージョンごとに開発コード名としてアルファベット順のお菓子の名前が付けられており、現在の最新バージョンは「Android 7.x(開発コード名:Nougat)」となっているため、次は“O”からはじまるお菓子の名前が開発コード名として付けられる予定。

バージョン番号は不明ながら最近のメジャーバージョンの傾向を考えると「8.0」となるのではないかと思われます。アメリカ・カルフォルニア州にあるマウンテンビューにて現地時間5月17日から開発者向けイベント「Google I/O 2017」( https://events.google.com/io/ )が開催され、Android Oについても詳細な説明が行われると見られます。

なお、Google I/O 2017の基調講演は日本時間5月18日午前2時より実施される予定で、ライブ中継も行われるので興味がある人は個別のセッションを含めてチェックしてみてください。




記事執筆:memn0ck


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・Android Developers Blog: Here comes Treble: A modular base for Android

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