スマホを最強のムービーカメラにする!高性能なDJI製コンパクト3軸ジンバル「OSMO mobile」を写真と動画で紹介【レビュー】


OSMO mobileでスマホを最強のムービーカメラにする!

スマートフォン(スマホ)のカメラ機能の高性能化は留まるところを知らず、昨今では光学式のズーム機能や手ブレ補正機能が搭載されたスマホや4K動画を撮影できる機種も珍しくなくなりました。

しかし、それほどの性能になっても実際に撮影してみると抑えきれなかった手ブレで映像がガタガタと揺れてしまい、とても観づらい映像になってしまったことはみなさんも経験があると思います。

そこで今回は、そんなスマホ撮影時の手ブレを強力に補正しプロ並みの撮影環境を提供してくれる画期的なガジェット、DJI製の「OSMO mobile」をご紹介します。

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スマホの周辺機器の中でもかなり特異で面白いアイテムだ


■強力な手ブレ補正機能をコンパクトに凝縮!
このOSMO mobileのような手ブレ補正用アタッチメントを「ジンバル」や「スタビライザー」などと呼びます(本記事では以下「ジンバル」と呼称)。スマホ用のジンバルは他にも数種が発売されていますが、本機はそれらの中でも最もコンパクトなクラスで携帯に適したサイズになっています。

元々スマホをモニターや操作パネルとして活用するムービーカメラの「OSMO」というシリーズがあり、そのカメラ部分もスマホのカメラ機能を利用してしまったのが本機です。

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本体の他にバッテリーと充電ケーブル、ストラップ、取扱説明書などが付属


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本体全長は約31cm。ジンバルとしては破格のコンパクトさだ


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専用のキャリングケースも付属


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取扱説明書は12カ国語に対応。日本語の解説も丁寧で分かりやすい


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単焦点レンズを搭載した「DJI OSMO」。本機はこの機種の派生モデル


本機はデジタル式の3軸ジンバルとなっており、アナログ式のカメラスタビライザーなどにある大きく邪魔なオモリが無いのが特徴の1つです。デジタル式なので手ブレに対する反応が非常に早く、激しい動きでも強力に補正します。また動作音もかなり静かなので、余程静かな場所での撮影以外では動作音が気になることはほぼないでしょう。

補正されるのはスマホを中心とした前後旋回、左右旋回、左右傾きとなっているため、上下方向の揺れや前後の遠近ブレなどは補正されません。補正の様子は以下の動画をご覧ください。


S-MAX:「OSMO Mobile」動作テスト

動画リンク:https://youtu.be/wnHiVv8BIGQ

■スマホの取り付けから撮影準備まで
使い方は簡単で、バッテリーを充電後にスマホを本機に固定し電源を入れるだけ。バッテリーの充電は本機に専用の充電ケーブルを接続することで行います。充電時間は3時間、連続駆動時間は3〜4.5時間となっています。

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充電ケーブルはステレオジャックタイプの特殊な形状


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充電中は電源インジケータLEDが明滅する


本機に取り付けられるスマホの幅はおおよそ57mmから82mm程度までとなっており、筆者が愛用しているiPhone 7の場合丁度良いサイズでした。

最近では57mm以下の横幅の小型スマホはほとんどないため(iPhone 5/5s/SEで横幅58.6mm)スマホが小さすぎてサイズが合わないということはあまりなさそうですが、iPhone 7 Plusのような大きな機種の場合(横幅77.9mm)厚みの薄いスマホケースを利用するか、スマホケースを外さなければ取り付けられない場合があるので注意が必要です。

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スマホのホルダー部は背面のネジを回して開く


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ホルダー部を開いたところ。右側の黒い四角はスマホ本体を検知するための赤外線センサー


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ホルダーを最大まで開きiPhone 7を置いてみると幅にかなり余裕があるのが分かる。5.5〜6インチクラスの大型液晶を持つスマホを利用している人は注意が必要だ


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スマホを取り付けた状態である程度並行が取れるようにフレーム部にあるネジでフレームの長さを調整しバランスを取る


初めて利用する際にスマホを取り付けバランスを取る必要がありますが、一度調整を行っておけば同じ機種を使う限りバランスが大きく崩れることはないので次からは取り付けるだけでOKです。

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iPhone 7を取り付けバランスを取った状態


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使用時正面


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使用時背面


本機はスマホと連動させなくても単体で動作可能となっていますが、より精度の高い補正機能を利用したりカメラ操作を行うにはBluetoothによる接続や動画撮影アプリ「DJI GO」の利用が必要です。DJI GOはiOS端末用とAndroid端末用があり、どちらも機能的にはほぼ同じとなっています。

DJI GOを使うことで動画撮影から簡単な編集まで全てが行えるようになっています。

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正面の操作パネル部。親指で操作しやすい位置にカメラ操作用のスライドパッドや各種ボタン類が集中している


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背面にはカメラ位置を固定したり基準位置へ戻すためのトリガーや充電用ポートなどがある。右側に見えるダイヤルカバー部分は各種専用アタッチメントを取り付けるためのネジ穴


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OSMO mobile用の動画撮影アプリ「DJI GO」。静止画の撮影も可能だ


動作テストを兼ねて実際に取材で使用した動画がありますので手ブレの少なさなどはこちらの動画を参照してください。


S-MAX:「au STAR」サービス内容拡充説明会

動画リンク:https://youtu.be/8mpXF0SAR0o

またDJI GOでは指定した被写体を自動追尾するモードがあり、スマホの画面をタッチするだけで設定が可能です。このモードを利用すると移動する被写体をカメラで自動的に追いかけ続けたり、自分が動きながらでも簡単に被写体をカメラに収め続けることが可能になります。

こちらのテスト動画は以下をご覧ください。


S-MAX:「OSMO mobile」撮影テスト

動画リンク:https://youtu.be/5Sk8s34mV_o

■ぜひ買っておきたい撮影用ベース
OSMOシリーズには専用の撮影用ベース「DJI Osmo NO.46 ベース」があり、こちらを使用することで本機を固定して撮影を行えます。こちらは実売1,500〜2,000円程度で購入できるため、本機を利用する際は購入しておくとより便利だと思われます。

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撮影用ベース「DJI Osmo NO.46 ベース」


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底面にカメラ用の三脚が取り付けられる1/4インチ(細ネジ)のネジ穴がある


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ベースにOSMO mobileを立てたところ


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ジンバルのグリップ部にストラップを付けたままでも問題なく置ける


■1ランク上の動画を撮影したいなら必携の1台!
テスト動画などを観れば分かるように、スマホ(カメラ)を常に平行に保ちつつ被写体を追いかけて撮影できる本機は手ブレ補正性能の高さに加えてプラスアルファの使いやすさを与えており、筆者の利用した印象としてはスマホでの動画撮影には必須だと感じました。

前述したように3軸ジンバルという仕様上、歩行時の上下揺れなどは補正しきれませんが、カメラの左右揺れや前後へのパンするような旋回揺れを非常に強力に抑えることができるため、いわゆる動画酔いに繋がるような揺れをほぼ解消できるのが最大のメリットでしょう。

DJI GOを使用すれば撮影した動画をその場で編集しDJIの動画サイトへアップロードすることも可能で、スマホならではのユーザビリティの高さも本機の売りの1つです(編集動画を保存すればYouTubeなどの外部サイトにも当然アップロード可能です)。

本体重量も300gと軽く、15分程度の動画撮影ならそれほど疲れることなく行えました。むしろしっかりとグリップを握っているため両手で構えないと平行を維持しづらく手ブレも抑えにくいスマホ単体での撮影よりも格段に扱いやすいと感じました。

難点としてはDJI GOでは60fps撮影に対応していない点に若干の不満を感じますが、前述したように本機はDJI GO以外のアプリでも利用可能なので、60fps以上の動画撮影を頻繁に行うなどの用途でなければそれほど大きな支障はないと思われます。


■ 訂正とお詫び ■
初掲載時、DJI GOアプリにおいて4K動画撮影ができないという趣旨の記述がありましたが、本アプリは4K動画撮影に対応しておりました。訂正しお詫び致します。



スマホをさっと取り出してすぐに撮影するといった使い方には不向きですが、1ランク上の美しい撮影を行いたいときなどには非常に強力な武器となることは間違いないでしょう。本体価格は実売35,000円前後と決して安くはありませんが、価格なりの価値はあるのではないでしょうか。

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スマホで本格的な撮影をしたい時は常に携行したい





記事執筆:あるかでぃあ


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Osmo mobile

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