ベストチーム・オブ・ザ・イヤー2016の最優秀賞を「ポケモンGO」、優秀賞を大ヒットアニメ「君の名は。」などが受賞!関係者がその製作秘話を明かす【レポート】


ポケモンGOがベストチーム・オブ・ザ・イヤー2016最優秀賞を受賞!

今年で9回目を迎える、その年に最も「チームワーク」を発揮し、顕著な実績を残したチームを表彰する「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー2016」が11月16日に都内で開催された。

今年のベストチーム・オブ・ザ・イヤーの最優秀賞は「Pokemon GO」(以下、ポケモンGO)チームが受賞し、優秀賞として「君の名は。」チーム、「COGY」プロジェクトチーム、「113番元素(ニホニウム)」発見チーム、体操男子団体チームが受賞した。スケジュールの関係で体操男子団体チームは欠席となったが、残る4チームは壇上で受賞のコメントを語った。

このアワードは、チームの目標とメンバーのスキルが明確で、一人ひとりがリーダーシップを発揮できる多様性、異質性を持つチームワークが成果に繋がることを発信することを目的としいる。受賞した5チームはどんな多様性、異質性を持っているのだろうか。今回は授賞式のコメントを中心に紹介していく。

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最優秀賞を受賞したポケモンGOチームは、ゲームフリーク 取締役 開発本部長の増田純一氏が代表として受賞の盾を受け取り、ゲームソフト「ポケモン赤・緑」発売から20年という歴史のおかげで、開発者も世界感を理解して良いチームとなったと挨拶をした。

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ナイアンティック 代表取締役社長の村井説人氏は「日本のみならず世界中の沢山の方がポケモンGOに熱狂していただき、楽しんでいただけたことを我々チーム一同心から光栄に思っております。ポケモンGOをきっかけに外に出ることが多くなった、家族や友達と外で遊ぶような機会が増えたと言うことを報告されて、そのことば一つひとつが我々開発陣の励みになりました」と報告。

村井氏はさらに「世界にはポケモンGOに関わった技術陣多くおります。チーム皆が、家の外にゲームを持ち出そう、より健康的なゲームを作ろうという共通のビジョンに基づいて、会社、国境、言語、文化、様々な障壁を乗り越えて皆で真摯にコミュニケーションをして、それぞれの意見を尊重しながら努めて参りました」と、1つの目標に向かってコミュニケーションをしてチーム力を高めていったことを明かした。

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ポケモンGOのローンチがオーストラリアからスタートしたことについて、同じくナイアンティックの野村達雄氏は「オーストラリアを選んだのは人数が比較的制限されていて尚かつ英語圏であること」を上げ「ローンチしてもし上手くいかなかった場合リカバリーできるという背景があったんです。例えば最初に20万人入って来てサーバーがどうだ?ってなったら・・・と、ローンチは終わりではなく、やっと開発が始まるのでそこで色々不具合を洗い出しながら改善していくというプロセスをずっとやっていくことになるんですね」と解説。こうしてオーストラリアでテストを行い、次にアメリカでローンチ。一方でアメリカで爆発的なヒットをしたことで、日本へのローンチにはサーバーの増強をする必要があると判断した。そのためにローンチが少し遅れたことを明かした。

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8月に公開し、現在も大ヒットしている映画「君の名は。」チームは、エグゼクティブプロデューサーの古澤佳寛氏と宣伝プロデューサーの弭間友子氏が登壇。

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細かいディテールまで作り込まれた本作品について古澤氏は「脚本が完成した段階でビデオコンテを動画で監督が声を入れられて、さらに音楽もRADWIMPSの開発途中の曲を貼り付けて、全員が見える化して作品のここが盛り上がるところ、ここが緩いですとか、ここがつじつまが合わないんじゃないかなどを含めて繰り返しやっていったことが、107分という作品の完成度を上げていくことになったんだろうなと思っております」と制作秘話を明かした。

みなさんにとってチームとは?という問いに対して、新海誠監督のことばでもあるという「誰もズルをしない事」を掲げ、それぞれのパートで誰も楽をしたり手を抜いたりしないことの積み重ねが、チーム成功の秘訣だったと振り返った。

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足踏み車いす「COGY」を開発したCOGY プロジェクトチームの代表として、株式会社TESS 代表取締役の鈴木堅之氏が「多くの患者様が何をチャレンジしても(足が)動かないということを経験して、COGYに乗ることすらチャレンジを怖がっています。COGYのペダルに足を置いて一歩踏み出していただければ、また新しい世界が広がっていきますので、私たちはそういう体験をしていただける方々をチームともに築いて行きたいと思います」と語り、優秀賞を受賞したことでベンチャー企業としても一歩踏み出す勇気を得たと述べた。

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113番元素(ニホニウム)発見チームは、特定国立研究開発法人 理化学研究所 仁科加速器研究センター 超重元素研究グループ 超重元素分析装置開発チーム 仁科センター研究員の加治大哉氏が受賞の挨拶を行った。「ニホニウムという命名権獲得という成果は、実験グループだけの努力では為し得ることは出来ませんでした。この実験には世界一の性能の加速器を設計、運転した関係者、さらに576日間加速器を使ったんですけど、長期にわたる占有を許可していただきました。そういうものが私たち全て組織として噛み合ったからこそ為し得た成果だと考えています」と関係者の労をねぎらった。今後は次の元素の発見を目指して研究を始めていることを報告した。

記事執筆:mi2_303


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