ZTEのフラッグシップの実力をチェック!SIMフリースマホ「AXON 7」と「AXON 7 mini」の性能をベンチマークや艦これで試してみた【レビュー】



ZTEの新スマホ「AXON 7」と「AXON 7 mini」の性能をベンチマークで検証!

ZTEジャパンから10月21日に発売されたSIMフリースマートフォン(スマホ)「AXON 7」および「AXON 7 mini」(ともにZTE製)。

ZTEの最新フラッグシップスマホであるAXON 7とその小型・廉価版のAXON 7 miniですが、ともに基本性能だけでなく注力したオーディオ性能、そして流れるようなデザインが美しいコストパフォーマンスの高いモデルとなっています。価格はオープンながらメーカー希望小売価格(税別)でAXON 7が59,800円、AXON 7 miniが39,800円。

これまでに開封レポートプリインストールアプリや基本機能の紹介などをお送りしましたが、今回はこれらのAXON 7とAXON 7 miniの2機種でベンチマークアプリを使って性能をチェックしましたので、比較しながら紹介していきたいと思います。

・両者の基本的なスペックを再確認
AXON 7およびAXON 7 miniは立体音響システムのDolby Atmosや旭化成エレクトロニクスの音源チップといったオーディオ面に特に強い製品ですが、今回のベンチマークテストでは純粋なマシンスペックが影響してきますので、まずは両機種の基本性能を改めてみてみましょう。

・AXON 7
 チップセット:クアッドコアCPU「Snapdragon 820(MSM8996)」(2.15GHz×2コア+1.6GHz×2コア)
(RAM):4GB
 内蔵ストレージ:64GB
 ディスプレイ:5.5インチWQHD(1440×2560ドット)アクティブマトリクス式有機EL

・AXON 7 mini
 チップセット:オクタコアCPU「Snapdragon 617(MSM8952)」(1.5GHz×4コア+1.2GHz×4コア)
 内蔵メモリー(RAM):3GB
 内蔵ストレージ:32GB
 ディスプレイ:5.2インチFHD(1080×1920ドット)アクティブマトリクス式有機EL

今回使用するベンチマークアプリは、総合的な性能を計測する定番のベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」と「PC Mark」、主にゲームなどで活用される3D描画能力をテストする「3DMark」、そしてCPUをシングルコアとマルチコアの性能を個別に計測する「Geekbench 4」の4つアプリを使って計測しました。

・総合力を調べる定番ベンチ「Antutu Benchmark」での計測結果
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左からAXON 7のスコア、AXON 7 miniのスコア、スコア上位ランキング

まずはハイエンドのAXON 7のスコアは139778と、10万を余裕で越えるハイスコアであくまで参考ではありますが、サムスン電子製「Galaxy S7 edge」とほぼ同等の数値を叩き出しています。

一方、AXON 7 miniのスコアはAXON 7と項目別でスコアを比べるとほぼすべての項目が半分前後のスコアとなっていました。特に3D処理などの部分で差が大きくついていました。

・総合力やブラウジング性能などを計測できるもう一つの鉄板ベンチ「PC Mark」での計測結果
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左からAXON 7のスコア、AXON 7 miniのスコア、スコアランキング

AXON 7のスコアは5194と、こちらのランキングを見てみると、その差はほんのわずかではあるものの、ソニーブランドの「Xperia XZ」(スコア5093)やHuaweri Technologies製「honor 8」(スコア5143)を超えるスコアとなっていました。

そして、AXON 7 miniのスコアは3576と、Motorola Mobilities製「Moto G4 Plus」(スコア3519)や国内未発売のソニーブランドの「Xperia C5 Ultra」(スコア3631)と肩を並べるものとなっていました。

ちなみに、PC Markはベンチスコア以外にも星1〜5までの5段階評価による評価付けがされています。スコアが3000以上の製品はおおむね星5つとなっており、WebブラウジングやSNSなどの負荷の重くない利用をするのであれば十分すぎる性能を持っているということになります。AXON 7 miniも当然星5つ相当になります。

・ゲームなどで重要な3Dモデリング機能などを測定する「3D Mark」での計測結果
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左からAXON 7、AXON 7 miniのスコア、上位スコアランキング

AXON 7のスコアは2581に。ランキングを見てみるとスコアがカウンターストップしているNVIDIA Shieldやラップトップ型端末であるGoogleブランドの「Pixel C」は別格として、そのすぐ下につけている「Galaxy S7」や「Galaxy S7 edge」、「NVIDIA Shield Tablet」、そしてつい先日、海外で発売開始になった「Pixel XL」とは誤差のような非常に高い数値を達成しています。

3D描画のベンチマークでこれだけの高いスコアがスマートフォン向けのほとんどのゲームが快適に遊ぶことができるはずです。

一方で、AXON 7 miniは386とかなり低い数値になっています。ベンチマーク中の様子としては、AXON 7とAXON 7 miniのベンチマークを同時に実行したにもかかわらず、計測完了までに両機種では数十秒もの時間差が発生していました。

さらに、ベンチマーク中もAXON 7はだいたい平均して秒間15〜20フレームでの動作で動いていたのに対し、AXON 7 miniは秒間5〜10フレーム、場面によっては2フレームを切る、コマ送りのようなところもあり、ミドルクラスとフラグシップ向け最上位のCPU(とGPU)の違いを見せつけられることとなりました。

・「Geekbench 4」でCPU能力をテスト
CPUのシングルコア性能、マルチコア性能の両方を個別に計測する「Geekbench 4」での計測結果がコチラになります。

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左からAXON 7、AXON 7 mini、HTC10 HTV32(参考)のスコア

Geekbench 4のテストでは比較用に筆者の私物であるHTC製「HTC10 HTV32」での計測結果を並べてみました。

HTC10もCPUや内蔵メモリーはAXON 7と同じですなのですが、シングルコア性能についてはほぼ同等で誤差の範囲と思われますが、マルチコア性能を比べてみるとAXON 7が4135に対してHTC10が3733と無視できない数値の開きが確認できました。

HTC10はすでに購入から半年以上が経過し、アプリなども入れていますがここまでハッキリと数字に差が出るのは理由があるはずです。これは予想でしかないため参考程度にしていただければと思いますが、SIMフリーとして販売され、キャリア提供のアプリがバックグランドで動作していないAXON 7に対して、HTC10はauのキャリアアプリ(メールやサポート関連のアプリなど)が常駐しているのも原因のひとつではないかと思われます。

ここまで高い数値が出ていると気にするほどの動作の違いは感じにくいかもしれませんが、AXON 7がSIMフリーとしての強みが出たのではないでしょうか。

AXON 7 miniはシングルコア性能は699とかなり低い数値になっていますが、マルチコア性能の方は2138とかなり健闘した数字が出ています。AXON 7 miniが快適に動作するのも、シングルコア性能の分をマルチコア性能がうまく補っているのではないか、と思います。

・「LukaLukaBench」で計測
3Dモデリングキャラクターの描画と動作の目安として、毎回テストしている簡易ベンチマーク「LukaLukaBench」でもテストしてみました。

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AXON 7での計測結果(写真=左側)、AXON 7 miniの計測結果(写真=右側)

スコアだけを見ると、AXON 7が5235、AXON 7 miniが4798とそれほどスコアに大差は出ていないのがわかります。

これは画面解像度が異なることによるもので、解像度は高いほど3Dモデルの描画や動作に負担がかかります。AXON 7はWQHDの解像度に対して、AXON 7 miniはFHDの解像度で、この時点で動作は非常に軽くなります。

そして、解像度が非常に高いのにそれでもAXON 7 mini以上のハイスコアを出すAXON 7は非常に基本性能の高いスマホであるということも確認できます。

・「艦隊これくしょん」のAndroid版も試してみた
ベンチマークではないですが、Androidスマホで遊べる人気の高いゲームということで、Android版「艦隊これくしょん」(以下、艦これ)も試してみました。

このゲームについてはAXON 7とAXON 7 miniのどちらも問題なく遊ぶことができました。画面が大きいことによる操作性の良さではAXON 7に分がありますが、画面解像度がFHDで動作の軽さ、スムーズさという面ではAXON 7 miniが勝っています。

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どちらでも問題なく遊べるので心配無用!AXONでも存分に提督業に勤しめる!


・まとめ
AXON 7はフラグシップモデルということで、オーディオ関連の魅力はもちろん、NTTドコモなどの大手携帯電話会社から販売されるハイエンドモデルに肩を並べる高性能さが素晴らしい1台です。これだけの性能を持ったスマホが比較的安価な価格で購入できるというのは非常に大きいポイントだと思います。

AXON 7 miniは負荷の重い動作などを実行するのは厳しいものの、通常使いには十分な性能と動作を快適にするために画面解像度をFHDにして上手に調整されたバランスの良いスマートフォンであるということがわかりました。

そして、強力なオーディオ機能というプラスアルファの部分がついてくる上で、ミドルクラスのSIMフリースマホの値段で購入できるというコストパフォーマンスの良さが大きいポイントになっているのではないでしょうか。

これにて、今回のベンチマークアプリによる検証は終わりとなります。今回のテストで出た数値はあくまで目安だと思います。気になったらタッチ&トライのできる量販店などへ行って是非手に取って試してみましょう!

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記事執筆:河童丸


[Image] QRコードアプリ名:AnTuTu Benchmark
価格:無料
カテゴリ: ツール

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