Microsoft、Windows 10の次期大型アップデート「Creators Update」を2017年初頭に提供!3DやVRの機能を強化し、ペイントツールも「Paint 3D」に



MicrosoftがWindows 10の次期大型アップデート「Creators Update」を来年初めにリリース!

Microsoftは26日(現地時間)、アメリカ・ニューヨークにて発表会「Microsoft Windows 10 event」を開催し、同社ブランドのパソコン(PC)「Surface」シリーズに新しくノートPC「Surface Book i7」やスタイリッシュなディスプレイ一体型デスクトップPC「Surface Studio」などの新製品を発表しています。

また、同社が開発・提供するマルチデバイス向けプラットフォーム「Windows 10」についても今回に提供開始した「Anniversary Update」に続く次期大型アップデート「Creators Update」を2017年初頭にリリースし、3DやVR(仮想現実)の機能を大幅に強化すると発表しています。

すでにSurface Book i7Surface Studioについては別途詳細記事を公開していますが、今回はその他の内容について発表会全体の流れも含めて紹介していきたいと思います。

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司会のような形でTerry Myerson氏が進行役を務める

発表会ではまず冒頭にWindows 10の次期大型アップデートが「Creators Update」となることが告げられ、主にクリエイター向けの機能が強化されることが紹介されました。

その中でも力を入れているのが3Dで、低学年の学生や初心者を含めたWindows 10を使うすべての人が手軽に3Dデータを扱えることをめざしているとのこと。特に標準の機能だけで3Dコンテンツを用意に制作/できるようになるということです。

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Windows 10 3D for Everyone


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Windows 10で3Dデータを扱っている様子


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Windows 10 Mobileスマホ「HP Elite x3」でのデモ

そして、Anniversary Updateと同じようにWindows 10 MobileにもCreators Updateは実施され、カメラで対象物をグルッと1周撮影するだけでモデリングされて3Dデータとして利用可能に。

発表会中でも日本でも販売中のハイエンドなWindows 10 Mobileスマートフォン(スマホ)「HP Elite x3」を使ったデモが実施されました。

HP Elite x3には3Dマッピングカメラは搭載されておらず、普通のスマホカメラのみですが、連続した静止画から合成して3Dデータが生成されます。なお、Creators Updateに対応するすべてのデバイスで利用可能ということです。

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Windowsの標準アプリ「Paint」


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Paintの進化

続いて、Windowsの標準アプリとして長らくプリインストールされている「Paint(ペイント)」がついに3Dに対応し、これらの作成された3Dデータを扱えるようになるとのこと。

名称も「Paint 3D」に変更され、3Dオブジェクトの取り込みや2Dの静止画を奥行き調節して合成できるほか、元の画像から人物や顔などをワンタッチで切り抜ける機能などが搭載されます。

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ついに3Dに対応した「Paint 3D」に

さらに3Dモデリングデータを配布している「SketchUp」と協業。SketchUpのライブラリーを統合し、3Dデータの取り込みがより簡単になるということです。作成した3Dコンテンツは、Facebookなどにアップロードして共有可能。Facebookでは3D表示ができるようになっていました。

また、WordやPowerPointなどのMicrosoft Officeでも3Dデータを扱えるようになるとのこと。Wordでのデモも実施されていました。

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SketchUP

この流れで3Dデータを活用するという方向性で同社が注力しているのが、開発中のヘッドマウントディスプレイ(HMD)「HoloLens」でしょう。プレゼンテーションでは、続いて「Windows 10 Virtual Reality for Everyone」として3Dデータの制作や取扱いをHoloLensを使って紹介していました。

さらにパートナー向けにHoloLensのコア技術「Windows Holographic」を公開しており、HPやDell、Lenovo、ASUS、Acerが開発を進めていることが紹介。安価な299ドル(約31,000円)のHoloLens対応HMDが発売されることが予告されました。

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Windows 10 VR for Everyone


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Windows Holographic対応メーカーとHoloLens対応HMD


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Windows 10 ID for Everyone

続いて紹介されたのがゲームについて。Microsoftではゲーム機「Xbox」と「Windows 10」でのPCゲームという2大ゲームプラットフォームを抱えていますが、Creators Updateでゲーム機能も強化されてます。例えば、ゲームのプレイ中の動画をライブストリーミングできるようになったりするとのこと。

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Microsoftのゲームプラットフォームとしての「Xbox」と「Windows 10」


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海外で発売されている最新ゲーム機「Xbox One S」


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かつてのPlayStationのようにXboxもDVDプレイヤーとしても愛用されているとのこと

さらに少ないスピーカーでも5.1chのような多数のスピーカーで鳴らしているような上下左右に広がりのある音質にする技術「Dolby Atmos」をサポート。

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最近スマホでも対応製品が出ている「Dolby Atmos」


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Windows 10は4Kゲームやゲームブロードキャストの最適なプラットフォームに

Windows 10の最後の紹介として細かな機能面がプレゼンテーションされました。例えば、ファイルをタスクバーにドラッグ&ドロップすると共有できるなど。

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ここまで進行役のTerry氏以外はすべて白人女性がプレゼン


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タスクバーにD&D

Windows 10 Creators Updateの新機能は以下の公式ムービーを見るとよりわかりやすいと思います。ここまでWIndows 10の話でちょうど1時間。

【Introducing the Windows 10 Creators Update】

動画リンク:https://youtu.be/zdJBurRbT4o

【Introducing 3D in Windows 10】

動画リンク:https://youtu.be/Itc5ihHDAnY

ここからデバイスの話としてPanos Panay氏が登壇。さらっと20分くらいで新機種を紹介するのかと思いきや早口で1時間、Surface Book i7とSurface Studioの魅力についてまくし立てました。これらについてはすでに公開している以下の記事を参照してください。

Microsoft、キーボードを取ってタブレットにもなる2in1なWindows 10搭載13.5インチ3K液晶ノートPC「Surface Book」の強化モデルを発表!GPU性能が2倍、バッテリーが30%増量に - S-MAX
Microsoft、28インチ4Kオーバー液晶一体型デスクトップPC「Surface Studio」を発表!画面を倒して使え、タッチ操作やペン「Surface Pen」、入力機器「Surface Dial」にも対応 - S-MAX

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Surface Book


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Panos氏


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Surface Studio


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最後にCEOのSatya Nadella氏が締め


記事執筆:memn0ck


■関連リンク
エスマックス(S-MAX)
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S-MAX - Facebookページ
Windows 10 Creators Update, Surface Studio and more unleash a new wave of creativity - The Official Microsoft Blog
Empowering a new wave of creativity with the Windows 10 Creators Update and Surface Studio | Windows Experience Blog
Microsoft Windows 10 event

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